韓国の移住労働者の権利保護に取り組む市民団体のネットワークである「外国人移住・労働運動協議会」(JCMK)が4月13日付で、最近の韓国政府による非正規移民の取り締り強化に対して抗議声明を発表しました。以下、翻訳です。
私たちは非正規移民に対する政府関係省庁による合同取り締まりを糾弾します!
韓国法務部(省)は「不法移民削減5ヵ年計画」の3年目として、関係省庁と連携し、非正規移民に対する集中的な合同取り締まりを2025年6月までに行うと発表しました。法務部がこの計画を立てて3年経過しているけれど、政府の非正規移民への対応は、一貫してこれまでと変わらず取り締まりと強制送還を実施しています。そうした中、命を落としたり、韓国内で権利侵害に苦しむ移民労働者がいますが、彼・彼女らは沈黙を強いられ続けています。政府は、「増加する外国人犯罪や凶悪犯罪に対処するためには非正規移民を取り締まり、強制送還するしかないのだ」と主張してきました。このような主張は、非正規移民が重罪人であるかのように見なし、大衆に誤解を与えるものです。
私たちは問いたい:
厳格な法の執行と在留管理制度の確立を目的とした終わりのない政府の取り締まりは、どんな結果をもたらしましたか?「不法移民削減政策」の継続的な施行は、本当に非正規移民の減少につながりましたか?市民の満足度は上がりましたか?生活の質は良くなりましたか?そんなことはまったくありません。非正規移民は着実に増えており、市民たちは苦しんでいます。
合同取り締まりが行われる以前から、非正規移民は、まるで薄氷を踏むかのような不安を感じながらこの国で暮らしています。非正規移民の集住地域では昼も夜もなく、週末も例外なく、取り締まりが行われています。外国人排斥グループが自警団を組み、非正規移民に恐怖を抱かせています。この波に乗った右翼の政治勢力による差別とヘイトの扇動により、非正規の移民労働者が絶望の叫びをあげています。人手不足により非正規移民を雇用してきた企業は、取り締まりによって破産してしまうと悲鳴をあげています。
私たちは深刻な懸念とともに、非正規移民に対する政府主導の合同取り締まりに明確に反対を表明します。政府の合同取り締まりは、民主主義の基本的価値だけでなく、移民の人権についても、深刻な問題を引き起こすでしょう。最近、取り締まり中に1人の庇護希望者が重傷を負い、数人の死者を出したと報じられる恐ろしい事件が起きました。法務部が主導する集中的な合同取り締まりは、このような危険で非人道的な事件を引き起こすことが予想されます。このような悲劇は二度と繰り返してはなりません。
私たちはそのような取締りを決して看過できません。集中的な合同取り締まりは、人権と民主主義の根幹を揺るがす危険な行為です。私たちはただちに中断することを強く求めます。韓国は、全ての人の人権と尊厳を尊重する民主主義の国として、移民を排除、差別してはなりません。
2025年4月13日
外国人移住・労働運動協議会(JCMK)
訳・大久保智子(ヒューライツ大阪インターン)
<出典>
https://www.facebook.com/100094532473496/posts/529671073527304/?mibextid=rS40aB7S9Ucbxw6v
STOP THE CRACKDOWN AGAINST UNDOCUMENTED MIGRANTS IN SOUTH KOREA! (Migrant Forum Asia)
(2025年05月08日 掲載)