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DHC社が公式サイト上の在日コリアンに対する差別的文章を削除

 化粧品や健康食品などを製造・販売する株式会社ディーエイチシー(DHC)の公式オンラインショップサイトに、在日コリアンなどを差別・中傷する文章が同社会長名で掲載されていた問題で、同社は2021年5月31日に問題となってきた複数の文章を削除しました。
 「ヤケクソくじについて」というページの中に2020年11月から掲載されていた文章では、競合他社について、「CMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です」として、在日コリアンへの差別的蔑称を用いてその企業名を表現するとともに、自社は「起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です」とするなど、その部分以外も含め差別と偏見を助長する内容になっていました。
 この問題をめぐっては、2020年12月23日に、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)や反差別国際運動(IMADR)など、ヒューライツ大阪を含む13の団体が、ヘイトスピーチであり人種差別撤廃条約にも反するとして抗議声明を出し、文章の削除と誠意ある対応を求めたほか、各方面から批判と懸念が寄せられていました。
 その後、同サイトには別の差別的な文章も追加掲載される中、批判と懸念は、同社と包括連携協定を結んできた複数の自治体にも及ぶなど社会的な広がりをみせ、2021年4月には国会でも取り上げられたほか、NHKなど各種のメディアでも報道されて関心が高まっていました。
 その中で、多民族共生人権教育センター、部落解放同盟大阪府連合会、部落解放大阪府民共闘会議は連名で、上記の文章及び2016年に掲載された文章も含めて、「反社会的かつ違法の疑いが強い人種差別」であるとして批判する抗議文を4月5日付で出しました。そこでは、一連の公式サイト上の文章は、日本国憲法、ヘイトスピーチ解消法に照らして違法であるとともに、企業に人権尊重責任を求めた国連「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際的な人権基準にも背いたものであると指摘し、謝罪と再発防止策を求めています。
 加えて、上記3団体からはDHC社の取引先にも、同社に対して謝罪と再発防止策を要請するよう要望書が出されており、そのやりとりの中で、複数の取引先からDHC社に遺憾の意を伝えるなどの対応がなされたことも明らかになっています。
 その後、同社から取引先に対して、非を認めた上で、発言の撤回と今後同様の行為を繰り返さない旨が表明されたとされますが、6月4日現在、同社ウェブサイト等に公式のコメントなどは出されていません。

<参考>

(2021年06月04日 掲載)