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世界規模の新型コロナウイルス感染拡大のなか、国連が次々と人権メッセージを発信

新型コロナウイルス感染症が深刻な世界規模の課題となるなか、3月6日にミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官が、「コロナウイルス対策には人権を最前線かつ中心に据えるべき」と声明を出したことを皮切りに、国連人権諸機関および国連人権理事会が任命した人権専門家たちが次々と人権のメッセージを発表しています。以下、3月から4月上旬にかけて発信された文書や声明のいくつかを紹介します。
 
新型コロナウイルスに関するガイダンス-人権高等弁務官事務所(OHCHR
人権高等弁務官事務所は、新型コロナウイルス感染症と人権に関して特設ページを開設し、人権ガイダンスとして、下記の分野・課題について考慮すべき原則をあげ、ウイルスと闘うための連帯と協力を呼びかけています。
医療ケアへのアクセス、緊急措置、誰ひとり取り残さないこと、居住、障害のある人々、拘禁施設に収容されている人々、情報と参加、スティグマ・排外主義・人種主義、移民・避難民・難民、社会的・経済的影響、プライバシー、ジェンダー、水・衛生、先住民族、マイノリティ。
<参考サイト>
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/326.html
新型コロナウイルス感染症と人権(平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト)
 
DVなど女性や少女に対する暴力への懸念―国連女性機関、女性に対する暴力特別報告者
 国連女性機関(UN Women)のプムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長は4月6日、感染拡大を受けて、各国で都市封鎖や外出制限が行われるなか、家で過ごす時間が増えたことで、女性がパートナーから暴力を受けるという隠れたパンデミック(世界的大流行)が増大していることを懸念する声明を発表しました。
 そして、グテーレス国連事務総長がすべての政府に対して女性に対する暴力の予防と被害者救済を国の新型コロナウイルス感染症対策の主要課題に位置付けることを求めていることに言及し、女性のためのシェルターやヘルプラインの機能を継続し、そのための予算配分と広報をするよう促しています。
 また、ドゥブラヴカ・シモノビッチ「女性に対する暴力に関する特別報告者」は3月27日、すべての国は、都市封鎖や行動制限が続くなか、DV環境に女性や少女を置き去りにしてはならないと訴えています。なかでも、障害のある女性、非正規の移住女性や人身取引の被害者にとって、DVリスクがさらに高まっていると述べています。
<参考サイト>
https://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/news/2020/4/violence-against-women-and-girls-the-shadow-pandemic (国連ウィメン日本事務所)
女性と女児に対する暴力:影のパンデミック(世界的大流行) - 仮訳
プムズィレ・ムランボ=ヌクカUNWomen(国連女性機関)事務局長声明
https://www.unwomen-nc.jp/?p=1105 (国連ウィメン日本協会)
女性を前面に、女性を中心に! プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するメッセージ(抄訳)
http://jp.ajwrc.org/3816 アジア女性資料センター
国連・女性に対する暴力に関する特別報告者がDVのリスク拡大に懸念を表明
 
難民・移民・無国籍者の健康-人権高等弁務官事務所、国際移住機関(IOM)、難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界保健機関(WHO
国連4機関は3月31日、感染リスクに対して全人類が脆弱であるとしたうえで、難民を含む移動を強いられた人々、無国籍者、移民の多くが高いリスクにさらされている、という共同声明を発表しました。
とりわけ、難民や移民が、不衛生で狭い公式・非公式の収容施設に拘禁されている状況を懸念し、解放されるべきであると述べています。
声明は、移民や難民を含むすべての人々が保健医療サービスに平等にアクセスすることができ、予防・検査・治療をはじめとする各国の対策に効果的に包摂されることが重要であると強調しています。
新型コロナウイルス感染症がグローバルな脅威となったいま、これまで以上に優先すべきことは、法的地位に関わりなく人々の生命を守ることであり、効果的かつ一貫した「誰一人取り残さない」ための国際的アプローチが必要である、と述べています。
<参考サイト>
https://japan.iom.int/ja/news/press-release/1585947180IOM駐日事務所)
難民、移民、無国籍者の権利と健康は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応において保護されなければならない
 
感染症の名称と地名との結び付けは差別の助長-人種主義特別報告者
 テンダイ・アチウメ人種主義に関する特別報告者は、国際人種差別撤廃デーの3月21日、新型コロナウイルス(COVID-19)を「中国ウイルス」と呼ぶトランプ米国大統領の発言をあげ、人種差別や外国人排斥を助長するものだと非難し、発祥地の国・地名と結び付ける呼称を使用しないよう訴えました。
 アチウメ特別報告者は、米国大統領をはじめ、いくつかの国の高官が中国に言及するなどの別名称をつけていることに憂慮し、そのような無責任で差別的な表現をすることは些細な問題ではないと批判しています。実際、過去2か月間に、世界各地で中国や東アジア出身の人たちに対する人種差別的な発言や暴力が起きていると述べています。
 世界保健機関(WHO)は2015年、感染症の名称決定に関する指針を発表し、過去に病気の名前が特定の宗教的・民族的コミュニティなどに対する反感を引き起こし、人々の生命や生活に深刻な影響を招いてきたと指摘しました。そのうえで、名称を決める際に避けるべきこととして、地理的な場所、人名、動物などをあげています。
<参考サイト>
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25739&LangID=E (OHCHR)
States should take action against COVID-19-related expressions of xenophobia, says UN expert(英文)
 
すべての人は人命救助を受ける権利がある―特別報告者など
 「健康の権利」をはじめとする40以上の人権課題に関する特別報告者、独立専門家、ワーキング・グループが3月26日、「すべての人は人命救助を受ける権利がある」と訴える共同声明を出しました。
声明は、「すべての人は、例外なく人命救助を受ける権利をもち、そしてそれは政府の責任として義務付けられている。資源不足および公的・民間の保険が十分整備されていないことを、特定の患者集団に対する差別を正当化する理由にしてはいけない」と述べています。
また、「すべての人は健康への権利をもつ。それは、障害がある人々、高齢者、マイノリティ集団、先住民族、国内避難民、極度の貧困状態にある人々、人口密度の高いところに住んでいる人々、拘禁されている人々、ホームレスの人々、移民や難民の人々、薬物依存の人々、LGBTやジェンダー・アイデンティティを有する人々、全てを含み、これらの人々や集団は政府からの支援を受ける必要がある」 としています。
そして、「新型コロナウイルスを深刻な世界規模の課題である」と位置付けたうえで、「普遍的な人権の原則を再び活性化するための警鐘でもある」と述べ、「これらの原則と科学的な知識への信頼は、フェイクニュースの流布や偏見、差別、不平等そして暴力に勝るべきである」としています。
さらに、「この危機に際し、特にビジネスセクターは人権義務を負う。協調的な多国間の努力、連帯と相互信頼があって初めて、我々はパンデミックを打ち負かし、より回復力をもち、成熟し、団結する。COCID-19のワクチンが発明されたら、差別なく提供されなければならない」と訴えています。
<参考サイト>
https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/新型コロナウイルスに関する国連特別報告者の声明/  (日本の表現の自由を伝える会)
新型コロナウィルス感染症に関して例外はあってはならない:“すべての人は人命救助を受ける権利がある”-国連専門家