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2019年12月10日の「人権デー」に、バチェレ国連人権高等弁務官が声明

 国連人権高等弁務官事務所のミチェル・バチェレ高等弁務官は2019年12月10日の「人権デー」を記念して、声明を発表しました。以下はその翻訳です。
 
(2019年12月9日、ジュネーブ)2019年は、とりわけ若者が活発に行動した素晴らしい一年でした。特に、マドリードでの気候正義に関する重要な国連会議(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開催中に「人権デー」を迎えました。私たちの地球が瀕している気候変動について立ち上がり、声を大きく上げ続けているすべての何百万人の子どもたち、ティーンエイジャー、そしてヤングアダルト(若い成人)の皆さんに深く感謝します。
 
この若者たちは自分たちの将来だけでなく、まだ生まれていない子どもたちの将来が危機にさらされていることを指摘しています。現在の政府や企業を運営し、それぞれの国や地域、そして地球全体の将来に関わる意思決定を行う上の世代の人々によって実施されたこと、あるいは実施されなかったことについてすべての結果を負わされるのは若者なのです。
 
もちろん、若い人々のみに気候危機や、現在世界中の多くの国々で同時に発生している多くの人権の危機の解決を押し付けてはなりません。私たち全員が共に立ち上がり、連帯し、信念を持って今すぐに行動しなければならないのです。
 
私たちには、平和、正義、そして持続可能な開発を支える普遍的な人権の原則を維持することが可能であり、維持しなければなりません。人権が尊重されなければ、世界は権力者がモラルや法律をほとんど、あるいは全く無視し、弱者を食い物にする、暗い過去へ戻ってしまうでしょう。
 
しかし、21世紀の最初の20年間に広がってきた多くの人権問題の中で、地球規模の気候緊急事態は、おそらく第二次世界大戦以来最も深刻な地球全体での人権への脅威であると言えます。生存権をはじめ、健康、食料、水、住居、差別されない権利、開発、自己決定など様々な権利について、気候変動の影響はすでに表れ始めています。
 
私たちは若者の声にしっかりと耳を傾ける義務があります。1948年12月10日に国連総会で採択された世界人権宣言は、すべての人の権利を守るという国家の確固たるコミットメントであり、将来の世代のために人間の尊厳、平等、そして権利を確立することを可能にするよう宣言しています。
 
すべての人間は、生命に影響を及ぼす事柄に関する議論に参加する権利を持っています。より効果的な意思決定を行うために、そして国のいたるところで強い信頼と調和を確立するために、すべての社会の指導者は人々の声に耳を傾け、彼らのニーズや要求に応じた行動をとるべきなのです。
 
国際人権システムの中心的な目的について、世界人権宣言第1条は、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」と大胆かつ明確に宣言しています。これほど明確かつ簡潔な言葉は他にありません。
 
いかなる国も、いかなるコミュニティも気候緊急事態の進行から逃れることはできません。そしてすでに、最も脆弱なコミュニティや国が深刻な被害で苦しんでいるのを私たちは目の当たりにしています。人々は家、生活、そして命を失っています。不平等が拡大し、移住を余儀なくされる人も増えているのです。私たちは、人間と環境に対して与える悪影響が可能な限り小さくなるように、迅速かつ信念をもって行動しなければなりません。
 
気候変動による被害は国境で区切ることはできません。敵対的なナショナリズムや短絡的な経済政策に基づく行動は失敗するだけでなく、私たちの世界を引き裂くことでしょう。気候正義と人権のための闘いは政治的な争いではありません。これは左か右かという考え方ではなく、正しいか正しくないかということなのです。
 
何百万人もの人々が立ち上がり、行動を求めているのは、悪化する気候危機に対しての懸念からだけではありません。どの地域においても、人々は不平等や抑圧的な制度について声を上げるために、口を開き始めているのです。私は、私たちの時代の間違いを正し、よりよい自由と正義を確立するために立ち上がっている、非常に若い人々を含むすべての人々の勇気、明晰さと信念に感銘を受けています。彼らは人権の生きた象徴です。
 
どの国の政策立案者も彼らの叫びに耳を傾ける必要があります。また、それに応えて、より効果的で、より原則的な政策を立てなければなりません。
 
私たちは、いかなる理由においても差別されることなく生きる権利があります。私たちは、教育、医療、経済的機会、そして適当な生活水準にアクセスする権利を有します。私たちは皆、自分の生命に影響を与える決定に参加する権利を持っています。私たちの未来・生活・自由・安全・環境について、そして私たちの未来だけでなく、私たちの子ども・孫・ひ孫たちの未来についての意思決定に参加できるのです。
 
私たちは、すべての人の権利、尊厳、選択の世界を平和的かつ強力に進展させるために、世界中へ呼びかける必要があります。1948年、当時の意思決定者たちは、その展望を非常に明確に理解していました。しかし、現在の意思決定者たちはこの展望を理解しているでしょうか。私は、世界の指導者らに対し、彼ら自身と彼らの子孫を含むすべての人々のために真のリーダーシップと長期的な展望を示し、偏狭な一国の政治的利益にとらわれぬよう強く求めます。
 
(翻訳:地福春香・ヒューライツ大阪インターン)
 
 
<出典> United Nations Office of High Commissioner for Human Rights
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25403&LangID=E
Human Rights Day (10 December 2019)
Statement by UN High Commissioner for Human Rights Michelle Bachelet
 
<参考> 国連広報センター
https://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/35806/
人権デー(12月10日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 19-111-J2019年12月10日