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韓国で、国外へ子を連れ去ったとする事件で大法院(最高裁)が裁判(公開弁論)を生中継

 2013年3月21日に、韓国の大法院(最高裁判所)は、裁判の過程をインターネットと政府の放送局である韓国政策放送(KTV)を通じて、はじめて生中継しました。ヤン・スンテ大法院長(日本の最高裁長官に当たる)が、かねてより放送を通じて裁判を公開し、公正で透明で開かれた裁判を確保し、司法に対する国民の信頼を高めていきたいという考えを表明していました。

その公開放送の第一号となったのは、ベトナム出身の20代の女性が、夫の同意や裁判所の許可なく、生後13カ月の子どもをベトナムの自分の実家に連れ去ったことで刑事事件として訴えられた事件でした。争点は、一方の親の同意も裁判所の決定を経ずに、子どもを韓国から外国に出国させた行為が、未成年者略取罪または国外移送略取罪にあたるかどうかでした。裁判所は1審・2審とも検察側の主張を認めず、女性に無罪判決を言い渡しましたが、検察側が上告していたのです。

 KTVでは、放送の冒頭に、なぜこの事件の裁判が最初の生中継に選ばれたのかについても判事による説明があり、また開廷時にもヤン大法院長から趣旨説明がありました。それによると、韓国社会が、国民全体で価値判断をすべき大きな社会問題として、今、この国際結婚の破たんによる子どもの養育・保護をめぐる事件がとりあげられたということです。韓国では、アジア出身の女性と韓国人男性との結婚を中心に国際結婚が増えてきました。統計庁による資料では、2011年の国際結婚は、前年度に比べ減少したとはいえ、3万件を越え婚姻全体の9.3%を占めます。その一方、国際結婚の離婚も増え、同年の離婚件数は1万5千件近くになりました。婚姻関係が破たんして、一方の親の同意なしに、もう一方の親が子どもを国外に連れ出す事例が続いて起きています。

こうした婚姻関係(おもに国際結婚)が破綻した父母の一方が無断で子を国外に連れ去った場合、原則として子を元の国に返還し、どちらが養育するかを決めるためのルールを定めた条約としてハーグ条約「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」があります。日本も米国などからハーグ条約の早期締結を迫られていますが、韓国は、2013年1月に締約国になり、3月1日から発効したところでした。またベトナムは未加盟国です。

 大法院の公開弁論の法廷では、大法院長と12名の大法官が出席し、弁護士、検察側に加え、双方からの参考人として大学教授が出席して、法をどう解釈するか熱い議論が交わされました。KTVニュースによりますと、約1時間半にわたり放送された公開弁論は、視聴した市民からは概ね公開して良かったという反応があったとのことです。

参考:

「安倍首相が「ハーグ」条約の早期締結を日米首脳会談で表明(2月22日)、NGOが慎重な検討を求める要望書を政府に送付」ヒューライツ大阪 ニュースインブリーフ 

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2013/02/222ngo.html

KTVニュース「大法院、公開弁論、史上初の生中継」(韓国語)

http://www.ktv.go.kr/program/contents.jsp?cid=458663

KTV 生中継映像(韓国語)

http://www.ktv.go.kr/program/contents.jsp?pcode=100921&cid=458590&item=&keyword=&gotoPage=


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