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2010年に法務省入管が保護した人身取引の被害者は29人

法務省は2011年3月1日付で、2010年に同省入国管理局が人身取引の被害者として保護の手続きをとった外国人は29人(09年20人)であったと発表しました。そのうち、5人以上を同時に保護したケースが3件ありました。出身国の内訳は、フィリピン26人(前年10人)、タイ1人(同8人)、中国1人(同1人)、韓国1人(同0人)。29人のうち、超過滞在など入国管理法違反の状態であった6人全員に対して一時的に滞在が可能な「在留特別許可」が付与されました。
 
正規滞在者であった23人の在留資格の内訳は、日本人の配偶者等11人、定住者6人、興行5人、短期滞在1人でした。
 
入国管理局は、2004年に策定した「人身取引対策行動計画」および2009年に改定された「同2009」の下、在留資格「興行」の入国審査の厳格化をはじめとする政府一体となった取り組みを通じて、2005年に最多の115人を保護した後、大幅に減少し、ここ数年の被害者は20~30人前後で推移していると述べています。同時に、「日本人と結婚するなどして、『日本人の配偶者等』などの活動制限のない在留資格を得て入国し、被害者となっている事案が多く見られるようになっている」とも報告しています。
 
一方、入国管理法第24条第4号ハに基づき、人身取引の加害者として退去強制した外国人は4人(前年6人)でした。
 
ヒューライツ大阪が入国管理局に問い合わせたところ、被害者29人は全員女性でした。今回の入国管理局による集計値は、警察庁が2月3日付で発表した外国籍の被害者数(フィリピン24人と韓国1人)よりも4人多くなっています。両機関に理由を尋ねたのですが、明確な根拠は示されませんでした。両者の集計値が微妙に異なっているのは毎年のことです。
 
人身取引対策を目的に、内閣に「人身取引対策に関する関係省庁連絡会議」が2004年以来設置されていますが、毎年の認定被害者数の差異から判断すると、省庁間の連携は必ずしもスムースに行われていないのではないかと思われます。
 
出所:平成22年に保護又は帰国支援した人身取引の被害者等について(法務省)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri08_00006.html
 
参照:平成22年中における人身取引事犯について(警察庁)http://www.npa.go.jp/safetylife/hoan/h22_zinshin.pdf 

(2011年03月15日 掲載)