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日本を議長国に「国際連帯税」の実現のための国際会議が開催される(12月16-17日)

地球規模の課題、とりわけ発展途上国の貧困問題を解決する財源として政府開発援助(ODA)が不可欠ですが、日本をはじめとする「先進国」のODAが伸び悩んでいることから、2000年に国連がおおむね2015年までに達成すべき数値目標を設定し、国際社会で取り組まれている「ミレニアム開発目標」(MDGs)の達成が困難な状況にあります。
 
 そうしたなか、新たな資金調達源として、国境を超える通貨取引などに課税する「国際連帯税」(グローバル・タックス)の導入が、フランスを中心に世界的に議論されています。
 
 実際、すでにフランスなど15ヵ国で、離陸するすべての航空会社を対象に課税する「航空券連帯税」(支払うのは乗客)が導入されています。
 
 そのような課税のあり方を議論して取り組みをさらに推進する目的で、2010年12月16日と17日に東京で、「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」第8回総会が開催されました。前原誠司外務大臣が議長を務めた総会には、56ヶ国、20の国際機関、18団体の代表が参加し、保健、不正な資金の流れ、教育、国際金融取引、気候変動、貧困・食料安全保障、移民の送金などに関して議論が行われました。
 
 同総会前日の12月15日には東京で、「国際連帯税を推進する市民の会」(アシスト)などNGOや民間企業、「国際連帯税創設を求める議員連盟」などが協力して、フランスの外務省担当者など国内外からスピーカーを招いて国際シンポジウムを開催し、より包括的で多くの国を巻き込んだ「国際連帯税」の実現をめざすための議論が行われました。
 
 日本における「航空券連帯税」に関しては、前原外相が2010年9月に国連総会に併せて開かれた国際会議で「新設の検討」を表明する一方、日本航空および全日空などの航空業界の反発を受けて、馬淵澄夫国土交通相が導入に反対しています。
 
 「航空券連帯税」は、国際線に乗れる「豊かな」人たちから徴税し、貧しい人びとのエイズ、マラリア、結核という感染症の治療のために再配分するという考え方のもと、実施国を離陸するすべての航空会社に課税するというシステムであることから、特定の航空会社に不利になることはないといわれています。
 このシステムがグローバルに支持されるためには、しばらく時間を要しそうです。
 
参考:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/12/1217_04.html
外務省プレスリリース 2010年12月17日付
http://www.acist.jp/

「国際連帯税を推進する市民の会(アシスト)

(2010年12月21日 掲載)