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日本の人身取引対策に関して、国連特別報告者と女性差別撤廃委員会から勧告

 国連女性差別撤廃委員会が日本の女性差別撤廃条約の実施状況に関する第6回報告の審査を経て、2009年8月に採択した総括所見のなかに、人身取引をめ ぐる課題に関して、さらなる改善を求める勧告が盛り込まれています。勧告では、日本政府の人身取引と闘う努力を評価する一方で、被害者の保護や支援、人身 取引が発生する根本的な原因の認識、人身取引や買春で搾取された女性や少女のリハビリ、および社会統合のための施策を行うことが求められています。

 また、委員会は、売買春に関して、売春する女性が訴追される一方で、買春する側は処罰されないという現状に懸念を示し、買春への需要抑制をはじ めとする買春による女性に対する搾取を抑止するための適当な施策を求めています。

 さらに、委員会は、外国人研修・技能実習生制度が強制労働や性的搾取の目的に悪用されているという情報に懸念を示し、研修生・技能実習生たちへ のビザ発給に対して、監視を強化することを要請しています。

 女性差別撤廃委員会における審査に先立ち、「人身取引(特に女性と子ども)に関する国連特別報告者」のジョイ・ヌゴジ・エゼイロ(Joy Ngozi Ezeilo)さんが2009年7月12日から17日にかけて来日し、政府関係者やNGO、外国人の被害女性たちなどとの面談を通じて調査を実施しまし た。

 特別報告者は7月23日付でプレスリリースを出し、日本の国内法において人身取引が包括的に定義されていないこと、被害者認定の手続きの不鮮明 さ、人身取引がさまざまな理由から地下に潜行していることなど12項目にわたる懸念を発表しました。さらに、そうした懸念に対して、関連条約の批准、多言 語対応の24時間ホットラインや被害者支援を専門的にできるシェルターを設立すること、とりわけ外国人研修・技能実習生制度との関連における外国人労働者 に対する搾取の防止と加害者の訴追と処罰を行うための法制化および監視の強化などを含む10数項目の予備的勧告を出しました。
最終報告は、2010年に開催される人権理事会に提出されることになっています。

出所:
Concluding observations of the Committee on the Elimination of Discrimination against Women (Japan)

・国際連合広報センター「人身取引に関する国連専門家、訪日調査を終了
プレスリリース09-034-J 2009年07月23日

(2009年08月03日 掲載)