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ミャンマーの人権問題に関するキンタナ特別報告者が、ミャンマー入り

  国連人権理事会のミャンマー特別報告者に5月に就任したトマス・オヘア・キンタナ氏(Tomas Ojea Quintana、アルゼンチン出身)は7月31日、ジュネーブで記者会見し、8月3日から6日までミャンマーを初めて訪問すると発表しました。5月に就任以来、ミャンマー軍政に入国を許可するよう求めてきましたが、今回初めて認められました。キンタナ特別報告者は、軍政代表とともにNGOや少数民族組織代表との会談を希望するとともに、サイクロン・ナルギスによって破壊的な被害を受けた南東部地域への訪問を希望しています。「特別報告者は、ミャンマーの人々の人権状況を改善するつもりで当局との建設的な対話に従事することを望む」と発表しました。

 この間、国連は、ASEAN(東南アジア諸国連合)と歩調を合わせ、サイクロン・ナルギスの被災者への復興支援を優先して取り組んできましたが、さる7月21日、ASEANと国連(人道問題調整事務所)は合同で6月に実施した被害と復興に関する調査報告書を公表しました。軍事政権によると、ナルギスによる死者・行方不明者は13万8000人で、報告書はナルギスの被害を「04年のインド洋大津波に匹敵する規模」と表現。被災家屋80万戸、農地被害60万ヘクタールと算定し、早期復興段階の費用として、今後3年間に10億ドル(約1070億円)が必要と指摘しまし、スリンASEAN事務局長は「被災者がナルギスによる荒廃から復興するため、さらに支援が必要だ」と述べ、復興過程に引き続き関与していく考えを示しました。
 一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)のジョン・ホームズ所長は7月28日、「為替制度のせいで、国連はこれまで少なくとも約1000万ドル(約10億円)を失った」と述べ、事態が「極めて深刻」との認識を示し早期是正を要求しました。軍政は、1993年以来、実勢レートより低く両替させられる「外貨兌換(だかん)券」制度を実施し、国際援助資金は、国有のミャンマー外国貿易銀行で預託されて、それから政府発行の兌換券(外国為替証明書;FEC)に両替され、現地ではその後、この兌換券を現地通貨チャットに両替して使うため、20%の損失が発生しているという(現在、実際の市場レートは1ドル約1100チャットだが、兌換券は1ドル約880チャットと2割ほど低い)。消えた20%の資金は、軍政幹部が私腹を肥やしているとみられています。
 なお、国連は同日のプレス・リリースで、ミャンマー問題を担当するガンバリ国連事務総長特別顧問が9月中旬に同国を訪問するとも発表しました。ガンバリ特別顧問は、さる7月15日、ミャンマー当局から招待状を受け取り、8月中旬に同国を訪問すると一旦、発表しましたが、その後、成果が見込めないとして、訪問を中断していました。ガンバリ氏は08年3月のミャンマー訪問で、自宅軟禁中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏と会談しましたが、軍事政権幹部とは会えませんでした。

出所:
・ “UN human rights expert to visit Myanmar next week”(7月31日付国連プレスリリース)(英語)
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=27541&Cr=Myanmar&Cr1=
・ “Burma Cyclone Damage Estimated at $4 Billion”(7月21日付AP通信)(英語)
・ “UN Aid Chief Acknowledges Access, Exchange Rate Issues”(7月31日付IRAWADY)(英語)
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=13551

参考:
「国連のミャンマー特別報告者-刑務所での政治犯射殺事件やコメディアン逮捕に憂慮を表明」
ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2008年7月号)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2008/06/post-44.html

(2008年08月02日 掲載)