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国連人権理事会:食糧の権利に関する特別会期

 5月22日、国連人権理事会は、「高騰する食糧価格などによる世界的な食糧危機の悪化の食糧の権利に対する否定的な影響」に関する第7 回特別会期を開催しました。人権理事会は、メンバー国の3分の1以上の支持があれば、メンバー国1カ国の要請を受けて緊急事態に対応するために特 別会期を招集することができます。理事会が06年6月に設立されて以来、これまでパレスチナ、レバノン、スーダンのダルフール地方、ミャンマーの状況につ いて特別会期が開催されてきましたが、今回初めて特定の国・地域を対象としない会期となりました。
 特別会期に提出されたデシューター食糧の権利に関する特別報告者の資料によると、世界中で8.54億の人びとが現在、食糧の安全保障がない状況にあり、 そのうちの60%の人がアフリカまたは南アジアに住んでいます。また、20億人の人びとがビタミンやミネラル不足の栄養不良に陥っています。特別報告者 は、過去3年内に国際市場における食糧の価格が83%上昇し、国によってその影響は異なるものの、最も影響を受けた国によっては、国内での価格が 30-40%上昇し、さらに国際的な人道支援にも困難を招いていると述べています。特別報告者は会期において、各国が食糧支援、食糧に関する国際協力、 中・長期目標の設定や制度づくりに十分な食糧の権利を指針とするよう求めました。
 理事会は、世界の食糧危機の悪化について懸念を表明し、各国に食糧の権利の実現を確保するあらゆる措置をとり、その権利に否定的な影響を及ぼし得る政策 や措置をとる前にその政策や措置を見直すよう呼びかけ、自国に住む人びと、特に影響を受けやすい立場にある人びとの食糧のニーズを満たす最善の努力を払う 第一義的義務があることを強調し、国際社会に技術移転や支援などを通して国や地域の取組みに援助を提供することを求める決議をコンセンサスで採択しまし た。
 一方、22日国連食糧農業機関(FAO)が公表した主要農業製品のグローバル市場分析に関する報告は、08年世界が食糧の輸 入に前年よりも26%増え、10,350億ドルを払うと予測し、低所得・食糧不足国は食糧の輸入費用は前年に比べ、37-40%上昇し、一層負担が大きく なるとしています。
 また、4月28日から5月16日に第40会期を開催した社会権規約委員会は、社会権規約の締約国が同規約11条2項の「すべての者が飢餓から免れる基本 的な権利を有することを有すること」を認めていることを指摘し、個別または国際協力などを通して、緊急人道支援などを含む飢餓からの自由を確保する措置を 直ちにとること、食用農産物に適した農地を燃料用に転用せずに現地消費のための現地の主食作物生産を促進することや食品への投機に対する措置を導入するな どして食品価格の急騰を制限することなどの行動を早急にとるよう呼びかけるほか、国内や国際レベルでの構造的な原因にも対応するよう促すステートメントを発しました。 (2008年5月29日)

出所:
・“Human Rights Council Calls for All Stakeholders to Take Action to Ensure Right to Food in Face of Global Food Crisis” 国連プレスリリース(英語)
http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/(httpNewsByYear_en)/305F22D42BEE8214C1257451005708C8?OpenDocument  

・FAO Food Outlook (FAO) (英語)
http://www.fao.org/docrep/010/ai466e/ai466e00.htm

・Statement “The World Food Crisis,” Committee on Economic, Social and Cultural Rights (E/C.12/2008/1)(19 May 2008)(英語)
http://www2.ohchr.org/english/bodies/cescr/docs/cescr40/E.C.12.2008.1AEV.doc