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タイ憲法法廷が旧与党に解党命令判決を下し、政局流動化

  06年9月のクーデター以来、軍部主導の暫定政権がつづくタイで、5月30日に憲法法廷(憲法裁判官委員会)が、06年4月の総選挙での選挙違反をめぐる 裁判で、タクシン前首相が率いた旧与党・愛国党に 解党と党幹部の111人の5年間の被選挙権停止を命じる判決を下し、野党・民主党には無罪判決を出しました政権を奪取した軍部が憲法を停止したことで、それまでの憲法裁判所 は消失し、これに代わる組織として、最高裁長官を議長、最高行政裁長官を副議長とする憲法裁判官委員会(定数9)が審議を行ってきましたが、この 判決は、軍部の政治的な思惑が見え隠れするもので、国内外で批判が高まっています。
  昨年9月のクーデターで停止された旧政党法の規定では、政党法違反容疑で解党が命じられた政党の執行部役員は5年間、他の政党の執行部役員に就任できない ことになっていましたが、クーデターを成功させた軍部は、すぐに布告を発布し、罰則規定を「5年間の被選挙権剥奪」に変更しました。これがタイ愛国党幹部を標的としていたのは誰の目にも明らか でしたが、判決前の憶測では、憲法法廷は、たとえタイ愛国党が解党になったとしても、違反行為があった時点の法律規定を適用し、軍部がクーデター後に発布 した布告は遡及させないとの見方が強かったのですが、軍部の意向に沿ったものとなりました。
  これによりタイ愛国党など旧与党勢力は壊滅的な打撃を受けることになり、タイ政界は大再編を免れない情勢となり流動化しそうです。愛国党のチャトゥロン党 首代行は「予想外の判決だ。民主主義の後退を懸念する。この国はいま独裁者によって支配されている」などと反発。31日夜には、軍政批判の抗議集会を開催 し、1500人が集まりました。
  また、香港を拠点に活動する人権NGOのAHRC(アジア人権委員会)も、この判決は「法の支配 への信頼を損なうもので、本当の敗者は憲法法廷そのものだ」との批判声明を出し、国際的な批判キャンペーンを進めています。

出所:
「タイ前首相らの政治活動禁止 旧与党勢力に壊滅的打撃」 朝日新聞2007年5月3 1日
「憲法裁判所、民主党に無罪判決」 バンコク週報(インターネット版) 2007年5月30日記事
「憲法裁判所、タイ愛国党には解散命令」 バンコク週報(インターネット版) 2007年5月30日記事
・AHRC(the Asian Human Rights Commission) 5月31日声明 "THAILAND: The judiciary is the real loser"

参考:
アルブール国連人権高等弁務官が、 タイの軍事クーデターで批判声明を発表 タイ国内外で批判高まる ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2006年10月)
フリーダムハウスが「世界の自由度 2007」を公表 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年1月)
「タイ政局流動化加速 旧与党に解党命令 軍介入、治安に懸念」 東京新聞2007年6月1日朝刊
・「タイ政界に空白前与党幹部111人の被選挙権はく奪」 newsclip.be(インターネット版) 2007年5月31日記事


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