MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 韓国国家人権委員会が、「『混血者』家族支援法案」に対し意見表明

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


韓国国家人権委員会が、「『混血者』家族支援法案」に対し意見表明

  韓国国家人権委員会(韓 国語)によると、06年11月17日にハンナラ党のキム・チュンファン議員をはじめ23名の国会議員が発議した「『混血者』家族支援 法案」に対し、政府機関の「女性家族部(省)」から法律案に対する意見を求められ、07年1月18日にその検討結果をまとめました。
  発議者による同法案の提案理由によると、韓国内に「混血者」が急増しているが、彼らに対する差別や社会的排除・偏見がある一方、政府の福祉・教育政策も充 分ではなく、実態も把握していない状況があり、国家として法整備をして「混血者」とその家族の権利を実質的に保障しようというものです。
  また法律案の「混血者」の定義は、「三親等内の直系血族中に、人種または種族が違う者がいる子で、その父または母が韓国の国籍を持っているものをいう」で す。
  国家人権委員会は、韓国の憲法、人種差別撤廃条約、人種及び人種的偏見に関する宣言(1978年ユネスコ総会採択)に照らして、この法律案を検討し4点に わたる問題点を指摘し意見を述べています。

  1. 「混血者」に対する差別・社会的排外・偏見是正には、人種あるいは民族を理由とした差別禁止の原則を明示し、その当事者すべてを含んだ差別予防や 是正政策を取り入れることが望ましいこと。
  2. 「混血者」は純粋な韓国の血統ではないすべての人を区別して称している用語なので、言葉に差別的な要素があり、一般的な法律用語、特に差別是正の ための法律案としては適切ではなく、また「混血者」の明白な定義が困難なので法的な使用が適切ではない。
  3. 差別是正の積極的措置において、その対象を「混血者」、「非混血者」に区分することで差別が助長されないよう細心の綿密な検討が必要である。
  4. 法案にある「『混血者』家族支援委員会」や「『混血者』家族支援センター」の業務が、国家人権委員会の機能や、「健康家族支援センター」などの既 存の組織の業務、あるいは女性家族部で現在法案つくりを進めている「多文化家族支援法」と重複するおそれがある。

  韓国では、日本と同様、移住労働者や国際結婚の家族を含め、他の民族にルーツを持つ人たちが急増し、地域の「多文化共生」の推進が大きな課題となっていま す。

出所:韓国国家人権委員会ウェブページの記事 (韓国語)

参考:
聨合ニュース(2006年4月8日記事) (韓国語)
韓国:多文化家族の支援のための各 自治体の政策が本格的に ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2006年4月)

(2007年02月09日 掲載)