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先進諸国の子どもの状況に関するユニセフ報告

  07年4月14日、ユニセフのイノチェンティ研究所は、先進諸国の子どもの状況を示した報告「子どもの貧困の全体像 -富める国における子どものウェルビーイング(福祉)の概観」[PDF1556KB]公表し ました。報告はOECD21カ国の子どもの状況を、物質的ウェルビーイング、健康と安全、教育、人間関係、子どもや若者の行動やリスク、および子 ども、若者自身の主観的な評価の6つの側面を総合して評価しています。その評価では、1位からオランダ、デンマーク、スウェーデン、フィンランドなどの北 欧諸国が上位を占め、最も評価が低かったのは英国、次いで米国でした。日本は一部のデータが不足していたため、総合的な評価には含まれていません。研究所 は、子どものウェルビーイングと一人当たりのGDPの間に関係はなく、どの国も6つの側面全部について上位3分の1以上に位置することはなかったことを指 摘しています。
  研究所は、先進諸国の子どもの状況について、一連の報告を公表しており、今回は第7回となります。センターはその作業の目的が、子どもたちが十分な衣食住 があり、十分保護され、自分たちの能力を十分に開発できる状況にあるか、自分たちの周りの世界や生活に十分参加できないような不利を被っていないか、そし て何よりも、家族や共同体の中で愛され、大切にされているか、そのために家族や共同体に十分な公的支援があるかどうかを知るためであると述べています。
  日本について、物質的ウェルビーイングでは、平均より低く、24カ国中18位でした。この側面には、相対的貧困、職をもつ成人がいない家庭にいる子どもな どの要素が含まれます。日本は、誰も職を持っていない家庭にいる子どもの数は一番少なかったものの、勉強机、作業する静かな場所、勉強のためのパソコン、 教育のためのソフトウェアなどの教育のための所有物、家にある本の数が10冊未満の15歳の子どもの割合などの文化的教育的資源の面について、下位に位置 していました。そのほか、健康と安全では、OECD諸国中ほぼ平均の25カ国中13位でした。他の側面ではデータが不足し、対象となっていませんが、個別 のデータでは、子ども、若者自身の主観的評価のなかで、自分に対する否定的な面について、自分がアウトサイダーである、孤独である、と答えた人の割合が、 各国とも5-15%程度であるのに対し、日本だけ自分が孤独であると答えた割合が約30%と突出しています。報告は、このことについて、設問を言語的、文 化的に翻訳するときの問題であるのか、さらに調査すべき問題を示しているのか、いずれもあり得るとしています。

参照:
・ユニセフ2月14日付プレスリリース "In rich countries children's basic needs have been generally met but there is scope for further progress in child well-being" (英語)
・日本ユニセフ協会2月14日付プレスリリース ユニセフ・ イノチェンティ研究所 先進国の子どもたちに関するレポート発表
Child poverty in perspective: an overview of child well-being in rich countries [PDF 1,556KB]

(2007年02月06日 掲載)