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米国は被拘束者全員にジュネーブ諸条約を適用

  2006年6月29日、米国連邦最高裁判所が、グアンタナモ基地に収容されている容疑者を軍事委員会にかけることが違反であると判断しましたが、米国政府は軍に収容されているすべての被拘束者にジュネーブ諸条約の共通3条が適用されると述べました
  2001年のアフガニスタン戦争以来、米国政府は正規の軍ではなく、タリバン、アルカイダに所属する、あるいは所属すると思われる被収容者は戦争捕虜では なく、ジュネーブ諸条約は該当しないという立場をとり、これらの人を通常の裁判所ではなく、軍事委員会を設置して裁くことを表明してきました。
  戦争における捕虜、傷病兵などの保護に関する4つのジュネーブ諸条約に共通する3条は、「国際的性質を有しない」武力紛争においても、負傷、武器の放棄、 抑留などにより戦闘に参加していない者に保障しなければならない最低限の基準を規定しています。それには、「個人の尊厳に対する侵害、特に、侮辱的で体面 を汚す待遇」の禁止や「正規に構成された裁判所で文明国民が不可欠と認めるすべての裁判上の保障を与えるものの裁判によらない判決の言渡及び刑の執行」の 禁止などが含まれます。6月29日の連邦最高裁判所の判決は、この3条が、原告にも及ぶと判断しました。
  この判決を受けて政府報道官は7月11日、国防次官が7日にアルカイダとの紛争にもジュネーブ諸条約3条が適用されることを通知し、各司令官に対しその基準を遵守するよう求めるメモを発したと述べました。報道官は、政府が従来から被収容者の人道的取扱いを方針としており、政策の転換ではないと述べています。

出所:
"England Memo Underscores Policy on Humane Treatment of Detainees",American Forces Information Service (7月11日付) (英語)
"White House: Detainees entitled to Geneva Conventions protections",CNN (11 July, 2006) (英語)

参考:
グアンタナモ基地の軍事法廷は違法 - アメリカ合衆国最高裁判所が判決 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(06年07月)
ハムダン対ラムズフェルド事件(連邦最高裁判所06年6月29日判決) (英語)

(2006年07月07日 掲載)