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日本の所得格差と相対的貧困の拡大を指摘-OECD報告

  経済協力開発機構(OECD)は7月20日、日本に関する経済審査報告書(Economic Survey of Japan 2006)を公表しました。報告は日本が90年代前半のバブル崩壊に続く不況からようやく回復しつつあり、回復基調が07年にも続くという見通しをあげています。
  一方、報告書は、労働人口における所得格差が近年拡大しており、相対的貧困がOECD諸国の中で最も高い国の一つであることを指摘しています。報告書は、 高齢化もその原因の一部であるとしながらも、この10年で非正規労働が19%から30%に拡大し、パートタイム労働者の所得が平均でフルタイム労働者の所 得の40%しかないことから、主要な要因が労働市場の二分化の拡大にあるとみています。また、非正規労働から正規労働に転換する人の割合が小さいことか ら、この二分化が固定する懸念があると述べています。
  報告書は、格差と貧困の改善のために、非正規労働者の社会保険の拡充や雇用機会の拡大など、労働市場の二分化の緩和や、低所得層への社会保障の拡充などを 提言しています。特に、親が働いている母子・父子家庭の貧困率が、働いていない人よりも高く、そのことにより、子どもの貧困率が14%と、OECDの平均 を大きく上回っています。報告は、品質の良い教育へのアクセスが低所得の家庭の子どもにも十分確保されることが、貧困が次世代に引き継がれないために重要 であると指摘しています。
  6月28日に公表された、厚生労働省の2005年度「国民生活基礎調査の概況」においても、生活意識として苦しいと答えた世帯が56.2%で、年々増加していることがあげられています。

出所:
・OECD, "Economic Survey of Japan 2006" (英語)
・厚生労働省 平成17年国民生活基礎調査の概況

(2006年07月08日 掲載)