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国際刑事裁判所がウガンダの「神の抵抗軍」の指導者に逮捕状

  10月13日、ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)はウガンダの反政府武装グループ「神の抵抗軍(LRA)」の指導者5人に対して、逮捕状を発していることを明らかにしました。逮捕状は2005年7月8日に発行されていましたが、被害者や証人などの居場所が特定されないよう公表はされていませんでした。この度、被害者や証人の安全が確保されたとして明らかにされたものです。
  「神の抵抗軍」は約17年前からウガンダの民間人襲撃を繰り返し、襲撃した村から子どもを連れ去り、兵士や性的奴隷としていると報告されています。ICC の受けた報告の中には、「神の抵抗軍」の85%が子どもであるとしているのもあります。03年12月、ウガンダのムセヴェニ大統領はICCにこの件を付託 しましたが、ICCの第2予審部は指導者5人が人道に対する罪などに当たる行為を命じたと信じるに足りる合理的な根拠があるとして逮捕状を発しました。
  逮捕状は02年以降の民間人に対する襲撃などに関するもので、5人に対して殺人、奴隷化、レイプ、性的奴隷化、苦痛をもたらすなど非人間的行為などの人道に対する罪や民間人に対する攻撃、虐待、子どもの徴用などの戦争犯罪などをあげています。
  ICCは98年に採択されたローマ規定に基づき02年に設立された、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪などを裁くための常設の国際裁判所です。今回 の逮捕状の発行は設立以来初めてとなります。現在、ウガンダの事例の他には、コンゴと中央アフリカ共和国についてそれぞれの政府から付託を受け、スーダン のダルフールについて国連の安全保障理事会から付託を受けています。

出所
国際刑事裁判所10月14日付プレスリリース (英語)
国際刑事裁判所:ウガンダ状況 (英語)

参考
・前田朗「国際刑事裁判所規程の批准に向けて」 News Letter No.30 (2000年3月)
・ジェファーソン・R・プランティリア「国際刑事裁判所(ICC)規程批准に向けたアジア・キャンペーン」 国際人権ひろば第44号(2002年7月)

(2005年10月05日 掲載)