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朝日新聞社が、「混血児」という表現を避ける方針を打ち出す

  熊本市をベースに在日外国人の支援をしているNGO「コムスタカ-外国人と共に生きる会」の中島真一郎さんによると、朝日新聞社では記事のなかで「混血児という表現は避ける」との結論に達し、04年1月末に全社の編集部門にその新たな取り決めを通知しました。
  これは、「混血」は「純血」との対比で使われており、「純血」が優位に、「混血」が劣位に置かれて、「混血児」は差別的に使われている、とのコムスタカの 指摘を受け止めたものです。朝日新聞社では今後、記事では例えば「米国人男性と日本人女性との間に生まれた」などと具体的に記述されることとなります。ま た、同社の西部本社では、コムスタカの申し入れを受けて、すでに「アメラジアン」や「国際児」といった表現を使ってきましたが、今後はこれらの表現の定着 度を見ながら、朝日新聞社全体として使用していくという方向性を提示しました。
  コムスタカは94年以来、日本人男性とフィリピン人女性との間に生まれ、日本人の父親に遺棄された日比国際児(JFC=ジャパンーズ・フィリピーノ・チル ドレン)問題に取り組んでいますが、「混血」(血が混じる)という血統を示す表現によって、父母の人種や民族、国籍が異なる子どもが「区別」されることに 反対し、「国際児」という言葉を提唱してきました。同会では実際、子どもが地域や学校で、「混血児」だと呼ばれていじめを受けているいくつかの事例を把握 しています。
  コムスタカでは、これまで「混血児」という表現を使用する新聞、テレビ、出版社などのマスコミ各社に対して使用しないようにとの要望を行ってきました。そ うしたなか、マスコミ各社の姿勢も徐々に変化し、熊本日日新聞社をはじめとして使用を避けるというところがすでに出てきているといいます。

(2004年02月03日 掲載)