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国際人権ひろば No.102(2012年03月発行号)

ヒューライツ大阪からのお知らせ

学習会 「改定『入国管理法』を知ろう」開催(2月4日)

 

 関西のNPOや企業などで構成する「ワン・ワールド・フェスティバル実行委員会」が2月4日と5日に大阪国際交流センターで、国際協力の祭り「ワン・ワールド・フェスティバル」を開催しました。今回で19回目を迎えたフェスティバルには2日間で17,000人が来場しました。期間中、国際協力に関わる数々のシンポジウムやワークショップ、体験学習、映画上映、写真展などが行われ、NPOや政府・国連機関などがブース出展して活動紹介を行いました。ヒューライツ大阪は、今回も実行委員会のメンバーとして準備会議から加わり、ブースを出展して活動紹介を行うとともに、出版物の紹介・販売をしました。
 ヒューライツ大阪はまた、「フェスティバル」のプログラムとして在日韓国人問題研究所(RAIK)所長の佐藤信行さんを東京から講師に招いて2月4日に会場内で学習会「改定『入国管理法』を知ろう~『管理から考える多文化共生社会』」を開催しました。佐藤さんの講演の骨子は以下の通りです。
 09年に改定された入国管理法・入管特例法・住民基本台帳法による新しい在留管理制度が12年7月から実施されるが、外国人登録証が廃止され、日本滞在が90日を超える16歳以上の外国人には「在留カード」を交付し、携帯を義務付ける。一方、旧植民地出身者とその子孫である在日韓国・朝鮮人と在日台湾人(特別永住者)には「特別永住者証明書」が交付される。政府は、在留期間の上限をこれまでの3年から最長5年とすること、これまで日本国民だけを対象としていた住民基本台帳に外国人も加えて外国人住民票を新設することなどをあげて、適法に在留する外国人に対する利便性を向上すると説明している。
 しかし、転職・離職、離婚など従来不要だった届け出が義務付けられ、「在留カード」の不携帯は罰則が科せられるといった管理が強化される。また、在留資格のない非正規滞在者には「在留カード」が交付されず、「外国人住民票」も作成されず「見えない存在」にされてしまう。
 
 学習会には入国管理法の対象となる韓国・朝鮮籍の人をはじめ、フィリピン、タイ、ペルー、バングラデシュ、アメリカ、フランス出身の人たちなど外国籍住民、地域でさまざまな支援に関わっている日本人など約90人が参加しました。講演を受けて、質疑応答や意見交換を行いました。「在留カードを無くした場合はどうなるのか」「在留カードが発給されない非正規滞在者の子どもの教育権に影響があるのか」「外国人を雇用する際に雇用主が在留カードの提示を求め就労制限の有無を確認することが義務付けられるが、名前や見かけなどで判断するのか」「遠隔地に住む人が入国管理局に各種の届けに行くのは負担になるのではないか」といった声が参加者から出されました。
 ヒューライツ大阪では、今後も改定入管法をめぐる課題に関して情報収集・発信をしていきます。
(藤本伸樹・ヒューライツ大阪)
 
写真提供:ワン・ワールド・フェスティバル実行委員会事務局