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国連人権高等弁務官事務所・ニューヨーク事務所長が、退任前にイスラエルによるガザへの軍事作戦をめぐる国連の対応に批判的な書簡をテュルク人権高等弁務官に送付(10/28)

 カタールの衛星テレビ局のアルジャジーラや米国のオンラインニュースメディアのデモクラシーナウなどの報道によると、国連人権高等弁務官事務所・ニューヨーク事務所のクレイグ・モカイバー(Craig Mokhiber)所長が退任を前に、2023年10月28日付で、テュルク人権高等弁務官に最後の公式報告として、イスラエルによるガザへの軍事作戦に対して国連が適切に対応していないと批判する書簡を送りました。
 モカイバー氏は1980年代からパレスチナの人権状況を調査し、1990年代に国連人権アドバイザーとしてガザに滞在するなど、長年にわたりイスラエル・パレスチナ問題に関わってきました。
 書簡では、モカイバー氏は、「私たちの目の前でジェノサイド(集団殺害)が繰り広げられるなか、国連がそれを止めることができず無力である」と指摘しています。現在進行している事態について、「教科書的(典型的)なジェノサイド(集団殺害)」だと述べ、「パレスチナにおけるヨーロッパの、民族-国家主義的な入植者の植民地主義プロジェクトは最終段階に入り、最後まで残された先住のパレスチナ人の生活を破壊し一掃しようとしている。そして米国やイギリスをはじめ多くのヨーロッパ諸国の政府は、この恐るべき攻撃の共犯者である」と非難しています。
 そのうえで、モカイバー氏は、イスラエルおよび独立したパレスチナ国家が平和共存する「二国家解決」ではなく、パレスチナ全域でキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が平等な権利を有する、民主的で世俗的な「人権にもとづく一つの国家」を樹立することなどをはじめ10項目の提言を示しています。

 一方、テュルク人権高等弁務官は10月28日付で、「ガザにおける暴力の継続は解決策ではない」という声明を発し、すべての紛争当事者と第三国、特に紛争当事者に影響力を持つ国々に対し、この紛争を抑止するために全力を尽くし、イスラエル人とパレスチナ人がすべての人権を完全に享受し、平和のうちに共存できるという目標に向けて努力するよう求めるとしています。

<出典>
https://www.aljazeera.com/news/2023/11/2/qa-former-un-official-craig-mokhiber-on-gaza-and-genocide
Q&A: Former UN official Craig Mokhiber on Gaza, Israel and genocide
Human rights expert says UN must hold Israel accountable for its military actions in Gaza. (Nov 2, 2023  Al Jazeera)

https://www.democracynow.org/2023/11/1/craig_mokhiber_un_resignation_israel_gaza
"Text-Book Case of Genocide": Top U.N. Official Craig Mokhiber Resigns, Denounces Israeli Assault on Gaza (Nov 1, 2023 Democracy Now!)
クレイグ・モカイバー(Craig Mokhiber)氏の書簡(英文)掲載
craig-mokhiber-resignation-letter 28 Oct 2023.pdf

https://www.ohchr.org/en/statements-and-speeches/2023/10/gaza-continued-violence-not-answer
Gaza: Continued violence is not the answer (28 October 2023 OHCHR)

<参照> 書簡の訳文
https://drive.google.com/file/d/1OdC-BSMHc6qrkXubW48_oyHBjmhKeokW/view
(翻訳:古屋 哲)
231028_craig-mokhiber-resignation-letter_jp 翻訳.pdf


(2023年11月06日 掲載)