MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 第49会期国連人権理事会、ウクライナ、ミャンマーなどの人権状況について決議(2/28-4/1)

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


第49会期国連人権理事会、ウクライナ、ミャンマーなどの人権状況について決議(2/28-4/1)

 2022年2月28日から4月1日まで、第49会期国連人権理事会が開催され、ウクライナ、ミャンマー、北朝鮮の人権状況、新型コロナ感染症などに関して決議が採択されました。

ウクライナの人権状況

 第49会期の冒頭で各国の閣僚などが発言するハイ・レベル・セグメント(会合)が行われた後、3月3日にロシアの侵攻を受けたウクライナについての緊急討議が行われました。バチェレ国連人権高等弁務官は、2月24日に始まったロシアの侵攻が、世界の歴史にとって危険な章を新たに開いたと述べ、多くの政府代表もロシアの侵攻を非難しました。3月4日には、ロシア侵攻による人権侵害や国際人道法違反を非難し、ロシアに対して直ちに武装組織を撤退させることを求める決議を採択しました。また、その決議で、ロシアの侵攻により起こった人権侵害、国際人道法違反および関連する犯罪などについて調査し、事実や原因などを認定し、特に責任を負う者に対する措置を含む勧告を行う独立調査委員会の設置を決めました。

ミャンマーの人権状況

 今会期、ミャンマーの人権状況に関するアンドリューズ特別報告者による2021年9月から2022年2月までのミャンマー国軍と政府による重大な人権侵害に関する報告書が出されていました。報告書は、軍が空爆、砲撃、処刑などにより市民を殺害し、少なくともこれまでに1,600人が殺害されているとしており、民間人への攻撃は広範に、組織的に行われ、人道に対する罪や戦争犯罪に当たり得ると述べています。

 報告書は、軍による迫害や脅迫にもかかわらず、軍に対して「沈黙のストライキ」など非暴力的な抗議行動や不服従運動などが続いており、反体制側が危険を回避する行動を取っているため、当初ほど死傷者は出ていないとしています。しかし、平和的抗議行動に対しても軍は致死力のある武力を行使するという政策を変えておらず、反体制派の恣意的逮捕や拘束、拷問などが行われていると述べています。

 人権理事会において、アンドリューズ特別報告者は、報告書の作成時点よりもミャンマーの人権状況は悪化していると述べ、1,600人以上が殺害されたほか、1万人近くが恣意的に拘束され、50万人が避難を余儀なくされていると報告しました。また、バチェレ人権高等弁務官は、ミャンマーの人権状況に関する人権高等弁務官事務所報告を提出し、同国の経済、医療、教育などが打撃を受けていると指摘しました。

 人権理事会は、ミャンマーの軍事クーデター、および軍および治安部隊による市民に対する武力行使、殺害、拷問などの暴力を強く非難し、軍に対して暴力や人権侵害を停止し、すべての当事者に建設的で平和的な対話を開始することを呼びかける決議を採択しました。決議はまた多国籍企業、国内企業、または同国にサプライ・チェーンの一部がある企業などに、2019年に人権理事会に提出された国軍の経済的関与に関する報告をあげ、軍が所有または支配する企業とビジネス関係を結ばないことなどの提言を実施し、企業の活動が同国で人権侵害を起こさない、または助長しないようデュー・ディリジェンスを実施することを促しています。

北朝鮮などに関する決議

 人権理事会はそのほか、北朝鮮、シリア、ベラルーシなどの人権状況について決議し、ニカラグアの2018年以降の人権侵害の訴えを調査するために、新たに3人の人権専門家を任命することを決めました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応

 人権理事会は第46会期(2021年2月~3月)に公平、安価で普遍的なワクチンへのアクセスについて決議を採択していました。今会期、公平、安価で普遍的なワクチンへのアクセス、配分の欠如、国家間の不平等による人権への影響に関する人権高等弁務官報告が提出され、高所得国では成人の67%が少なくとも1回は接種を済ませているのに対して、低所得国では成人の10%しか1回目接種を終えていないという格差が生じていることを報告しています。新型コロナウイルス感染症の影響は平等に及ぶのではなく、特にマイノリティーや周辺化された、脆弱な人々に負担が大きくなり、ワクチンへのアクセスの格差は、コロナ禍からの経済復興の格差を招くなど健康以外の人権にも影響が及ぶことが指摘されています。

 報告はワクチンをグローバルな公共財として扱うよう、ライセンス手続き、知的財産権などワクチンがすべての人に行き渡ることを妨げる障壁に取り組むことなどを提言しています。またワクチンの開発・生産・流通に関わる企業に対して人権を尊重することを求めています。

 人権理事会は各国および他のステークホルダーに、安全で高品質のワクチンの公正で透明、効率的で普遍的なアクセスを保証するための適切な措置をとることを呼びかけ、先進国と発展途上国との不均衡なワクチン配分につながる不当な障壁を取り除くことを求めることなどを決議しました。また、パンデミックにより拡大する国内および国家間の格差について、各国にパンデミックへの対応における国際的な連帯を呼びかける決議も採択しています。

 第49会期にはそのほか、「有害ではない健康的で持続可能な環境への権利」に関する報告などが提出されました。

(構成・岡田仁子)

<出典>

https://www.ohchr.org/en/hr-bodies/hrc/regular-sessions/session49/regular-session

49th regular session of the Human Rights Council (28 February-1 April 2022)

<参照>

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2022/03/34-1.html

人権理事会、ウクライナに関する独立調査委員会の設置を決議(3/4