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フィリピン政府、マニラの「慰安婦」像を撤去-女性団体が抗議

 フィリピンのマニラに2017年12月に設置された従軍慰安婦問題を象徴する女性像が、公共事業道路省によって2018年4月27日に撤去されました。同省は、「下水道改良事業のため」と説明しています。しかし、像が設置されて以降、日本政府がフィリピン政府に対して繰り返し遺憾の意を伝えていたことから、日本政府に配慮したものだと地元メディアなどは大きく報道しています。

 女性像は、マニラの華僑系市民団体の要請で、フィリピン政府機関の国家歴史委員会がマニラの目抜き通りの遊歩道に設置したもので、民族衣装を着て、目隠しをされた姿で高さはおよそ3メートルありました。

 フィリピン人女性の権利擁護に取り組むNGOのネットワークである「ガブリエラ」(GABRIELA)は4月28日、撤去に対する抗議声明を発表しました。声明は、「日本占領下で性奴隷にされた多数のフィリピン人女性に対する卑劣な侮辱であり、フィリピン人女性の尊厳を冒とくするものである」と撤去を強く非難しています。「慰安婦像は、第二次世界大戦中におけるフィリピン人女性に対する日本の残虐行為や虐待について、そして歴史的に侵略戦争時には女性が犠牲になってきたことを、未来の世代が思い起こすための媒介として役立つはずである」と女性像の意義を述べています。声明は、「ドゥテルテ政権は、日本からの多額の円借款と技術援助とを引き換えに女性の尊厳とフィリピンを売り渡したのである」とフィリピン政府を批判しています。

 日本で「慰安婦」問題に取り組むNGOのネットワークである「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」は、設置直後からフィリピン政府に対して「日本政府の立場と相容れない」として「遺憾の意」を表明し続けた日本政府への抗議声明を5月1日に発表しました。声明は、「日本軍『慰安婦』(性暴力)被害者たちは、二度と同じような被害者を生まない平和な世界の実現を訴えてきた。今、世界に広がる日本軍『慰安婦』メモリアルは、この訴えを記憶することで、今も戦時下で、あるいは基地周辺で、そして日常の中で繰り返される性暴力を根絶しようとする決意と切望を表すものなのである」と像の意義を述べています。

<出典>
http://test.abs-cbnnews.com/news/04/28/18/government-removes-comfort-woman-statue-in-manila
Government removes‘ comfort  woman’ statue in Manila 
(ABS-CBN News)Apr 28,2018
https://www.ctvnews.ca/world/removal-of-comfort-woman-statue-sparks-anger-in-philippines-1.3907170
Removal of 'comfort woman' statue sparks anger in Philippines
(Associated Press)April 29, 2018
https://www.facebook.com/gabriela.alliance/?hc_ref=ARQgjkS5myb81a7_8sBAQHRtaGUN4Jjyu0uzgNG9Y4u4NlWUG0Q2VC6Ufhdim51Ca9s&fref=nf 
(facebook にログインの必要)
GABRIELA /A National Alliance of Women  April 28, 2018
www.restoringhonor1000.info/2018/05/400-1.html 
(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動)
日本兵戦没者の慰霊碑はフィリピンに400基以上 、たった1基の日本軍「慰安婦」被害者像を撤去させた日本政府の恥ずべき行為に抗議する!! 2018年5月1日

(2018年05月02日 掲載)