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LGBTIに対する差別に企業が取り組むためのグローバル・スタンダード

 ゼイド国連人権高等弁務官は2017年9月26日、企業がLGBTIに対する差別に取り組むことを支援するためのグローバルな行動基準(スタンダード)を公表しました。この行動基準は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をもとに、人権高等弁務官事務所などが世界各地のビジネス・リーダーと協議してつくられました。
 この10年間でLGBTIの人びとに対する差別に関する認識は世界で拡大したものの、差別や暴力からの法的保護が国によってまだ大きく異なり、法的な枠組みがあっても、社会に固定観念や偏見が残ることが多く、社会的な包摂と平等を実現するためには、より広い社会、とくに企業が関与することが重要であると、この行動基準の解説は説明しています。そして、企業がLGBTIに対する差別や人権侵害に取り組むために、次の5つの行動基準に沿って行動することを呼びかけています。

  1. 常に、人権を尊重すること
     国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、LGBTIの人びとの権利を含む人権を尊重する方針や制度を整備することが求められます。
  2. 職場において、差別を撤廃すること
     企業は従業員、あるいは従業員になり得る人を性的指向、性自認、性表現、身体の性によって差別しないことが求められます。採用において差別しないだけでなく、LGBTIの従業員が自分たちのアイデンティティを隠し、または公にすることを強いられないようにする、LGBTIに対するハラスメントや暴力から保護・防止する、従業員とくに管理職の人権意識を高める、プライバシーを尊重する、などが含まれます。
  3. 職場において、支援すること
     LGBTIの従業員が尊厳をもって働けるよう積極的な施策を行うことが求められます。インフォーマルなLGBTIグループの形成を支援することなどが含まれます。
  4. 市場において、他の人権侵害を防止すること
     企業が活動する産業において、LGBTIの人びとへの人権侵害を特定し、防止すること、LGBTIのサプライヤーや販売店、顧客などを差別しないこと、これらの人びとがビジネスの関係において受ける差別を防止するよう影響力を発揮することなどが求められます。
  5. 地域社会において、公共の場で行動すること
     事業を展開する国の地域社会において、人権侵害をなくすよう努めることが求められます。他の企業と共同でLGBTIのグループを支援する、LGBTIの人びとの権利を促進する団体と協議するなどして共同で取り組むことや、LGBTIの労働者の権利に関して労働組合と協議することなど、機会をとらえて発言や行動によって人権を促進することが求められます。

  ゼイド人権高等弁務官はこの行動基準を公表するにあたり、最後の基準が最も意欲的なものであり、国や状況によって、国家による差別的な行動に対抗する、公に発言する、地域社会の団体を支援する、イベントを支援するなど、さまざまな方法があると述べました。また、LGBTIの人びとの平等の権利のために立ち上がることは、正しいことであるだけでなく、企業の利益にもなると指摘しました。人権高等弁務官事務所によると、すでに、BNPパリバ、コカ・コーラ、ドイツ銀行、IKEA、マイクロソフトなどの企業が支持を表明しています。

(構成:岡田仁子)

<参照>


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