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日本政府、人種差別撤廃委員会にフォローアップ情報を送付(2016年9月)

 国連人種差別撤廃委員会は、人種差別撤廃条約実施についての日本報告審査を経て2014年9月26日に採択した最終見解(総括所見)において、日本にフォローアップ情報を1年以内に提出するよう求めていました。日本政府はそれを受けて、このほど同委員会に情報を送り、外務省のホームページに内容を掲載しました。
 フォローアップが求められていたのは、パラグラフ17(外国人及びマイノリティ女性への暴力)、18(慰安婦)、22(部落民の状況)に関するもので、今回は17と22について送付し、18については後日提出するとしました。
 二つのパラグラフに関する追加報告は、特に新しい内容ではなく、これまでの日本政府の主張を繰り返したにとどまります。
 
外国人女性に対する暴力
 政府は、DV被害を受けている外国人女性が救済や保護にアクセスできるよう多言語情報を提供するとともに、外国語に対応できる相談員を配置するなどの取り組みを進めているとしています。また、夫婦としての活動を6カ月以上行わない場合に「正当な理由がある場合」を除き、在留資格の取消しを定めた入国管理法の規定に関して、DVから逃れた女性は「正当な理由」に該当すると認め、取消しを行わないこととしている、とあらためて説明しています。
 
部落問題
 部落問題に関しては、条約第1条1に規定する’descent’ (世系)とは、人種、皮膚の色、民族的もしくは種族的出身に着目した概念であり、社会的出身に着目した概念ではない、という従来からの解釈を繰り返し、部落問題は人種差別撤廃条約には含まれないとしています。その一方で、政府は、同和問題に関する施策として、人権教育・啓発の取り組み、就職差別をなくすための企業への働きかけ、また個人情報保護などを目的とした戸籍法の改正などについて、情報提供をしています。
 
朝鮮学校の「高校無償化」除外の問題
 日本政府はまた、今回は情報提供を求められなかったパラグラフ19(朝鮮学校)と21(琉球/沖縄の状況)について、「更なる説明が必要だと考え」追加情報を提出しています。
 パラ19では、朝鮮学校が「高校無償化」からの排除と、自治体の補助金の停止あるいは削減に対して勧告が行われていました。政府は、無償化の「対象校として不指定処分にしたことは差別ではないこと」を改めて説明するとともに、「朝鮮学校に対して地方自治体から補助金が出ていない場合にも、子どもが在日朝鮮人であることを理由に、教育を受ける権利が妨げられているものではない」との立場を繰り返しています。
 
琉球/沖縄の人々
パラ21では、「日本が、その立場を見直し、琉球を先住民族として承認することを検討し、その権利を保護するための具体的な措置をとることを勧告する」と委員会が述べていることに対して、「日本政府として『先住民族』と認識している人々はアイヌの人々以外に存在しない」と言明しています。
 政府は、沖縄出身者が「先住民族」であるとの認識が国内に広く存在するとは言えないとし、沖縄県豊見城市議会が2015年12月に、石垣市議会が2016年6月に採択した意見書を添付しています。二つの意見書は、自由権委員会と人種差別撤廃委員会が琉球・沖縄の人々を先住民族として認め権利保護を求める勧告を採択してきたことに反論し、勧告の撤回を求めています。
 
次回の政府報告
 日本は、人種差別撤廃条約の実施状況についての次回の報告書は、2017年1月14日までに提出するよう最終見解に明示されています。最終見解では、上記のパラ19と21に加えて、パラ11(ヘイトスピーチ及びヘイトクライム)とパラ23(難民及び庇護希望者)に関して具体的施策に関する詳細情報の提供を要請されています。
 
<出典>
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000190405.pdf (日本語)
人種差別撤廃委員会の最終見解(CERD/C/JPN/CO/7-9)に対する日本政府コメント
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000190869.pdf (英語)
Comments by the Government of Japan regarding the Concluding Observations of  the Committee on the Elimination of Racial Discrimination (CERD/C/JPN/CO/7-9)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000060749.pdf (日本語)
人種差別撤廃委員会 日本の第7回・第8回・第9回定期報告に関する最終見解

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