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国連総会、北朝鮮の人権状況、子どもの人権など決議採択

 9月から開催されている第69回国連総会は、12月18日、総会第三委員会から付託されていた、北朝鮮の人権状況、子どもの人権、プライバシーの権利などに関する決議案を採択しました。

北朝鮮の人権状況

 同国の人権状況に関して、2013年に人権理事会はそれまでの特別報告者を含む調査委員会を設置し、韓国、日本、英国および米国で公聴会を開催し、強制収容所の元被収容者などからの聞き取りを含む情報収集を行い、重大な人権侵害が起っているという報告を2014年2月に公表していました。総会は、強制収容所に多くの人が拘束されていること、収容所での残虐で非人道的な取扱いや処罰、移動や思想、信仰や表現などに課されている厳しい制限、飢餓や栄養不良などにつながる経済的、社会的権利の侵害などの権利の侵害などや制度的な拉致、強制失踪について深刻な懸念を表明し、同国に人権を十分尊重するよう強く呼びかけています。さらに、同国の状況をモニターし記録するために韓国に国連人権高等弁務官事務所の事務所を設置する計画を歓迎するほか、調査委員会の報告を国連安全保障理事会に送り、国際刑事裁判所への付託も含め適切な行動をとるよう促すことを決めています。
 総会はその他、シリア、イランの人権状況についても決議しました。

子どもの人権

 総会は、子どもの人権に関して、毎年世界で1500万人の18歳未満の少女が結婚することに懸念し、子どもの結婚や強制結婚がなくなるよう、女性や少女の教育の権利を保護・促進し、すべての女性の自分たちのセクシュアリティやリプロダクティブ・ヘルスに関して自分で判断し自由に決定できる権利を含む人権を保護・促進することを呼びかける早期結婚・強制結婚に関する決議、子どもの権利条約の実施や移住者の子どもなど特定の状況にある子ども、子どもの経済的、社会的福利など子どもに関する広範な事項を含む子どもの権利に関する決議に加え、子どものいじめからの保護に関する決議を採択しました。
 この決議は、ネット上のものも含むいじめが子どもの権利や福利に否定的な影響をおよぼすことを確認し、世界各地でいじめが起っていることや、被害を受けた子どもの自分の可能性を実現する力に長期的な影響があり得ることを懸念し、また特に弱い状況にいる子どもがいじめの対象となりやすいことや差別やステレオタイプと結びつくこともあり得ることも指摘しています。総会は各国にいじめに対して直ちに対応すること、いじめの被害を受けた、および巻き込まれた子どもに対して適切な支援を提供することによっていじめを防止し、子どもを守ること、他者への寛容と他者の尊厳の尊重を学ぶ長期的なプロセスを含む教育を促進することなどを促しています。

 その他にも、監視や通信の傍受、個人情報の収集などが特に大規模で行われる場合の人権の享受への影響に懸念し、人びとはインターネット上でもそれ以外の場と同じようにプライバシーを含む権利を亨有していることを確認し、各国に電子通信を含め、プライがシーの権利を尊重・保護し、自国の通信監視、傍受、個人情報の収集の手続など国際人権法のもとの義務に十分そうよう見直すことなどを求めるディジタル時代のプライバシーの権利に関する決議などを採択しています。(12月19日)

出所:
Adopting 68 Texts Recommended by Third Committee, General Assembly Sends Strong Message towards Ending Impunity, Renewing Efforts to Protect Human Rights 12月18日付国連プレスリリース GA/11604 http://www.un.org/press/en/2014/ga11604.doc.htm
 
第69回国連総会決議(General Assembly of the United Nations)http://www.un.org/en/ga/69/resolutions.shtml

(2014年12月22日 掲載)