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京都朝鮮学園に対するヘイトスピーチ、大阪高裁も「人種差別」と認定し在特会に賠償と街宣禁止の判決(7月8日)

 京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)を運営する京都朝鮮学園が3度にわたるヘイトスピーチなどの攻撃で損害を被ったとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と会員らに対して計3,000万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が7月8日、大阪高裁でありました。森宏司裁判長は、人種差別撤廃条約と不法行為による損害賠償を定めた民法709条などを適用し、約1,220万円の賠償と学校周辺での街宣禁止を命じた一審京都地裁判決を支持し、在特会側の控訴を棄却しました。在特会側は上告するもようです。
 
 高裁は、在特会の発言の内容は「公園の不法占拠を糾弾するだけでなく、在日朝鮮人を劣悪な存在であるとして嫌悪・蔑視し、日本社会で在日朝鮮人が日本人その他の外国人と共存することを否定するものであって」「我が国の社会から在日朝鮮人を排斥すべきであるとの見解を声高に主張することにあったというべきであり、主として公益を図る目的であったということはできない」と判断しています。
 
 また、攻撃(示威行動)の前に、在特会のウェブサイトに「不逞鮮人を許さない」などといった差別的な表現を含む記事を掲載し、会員をはじめ不特定多数に参加を呼びかけた行為は、「表現の自由によって保障されるべき範囲を超えていることも明らかである」と断定しています。
 さらに、判決は、朝鮮学園は「在日朝鮮人の民族教育を行う利益がある」と認定しており、在特会の活動について「教育業務を妨害し、学校法人としての名誉を著しく損なうものであって、憲法13条にいう『公共の福祉』に反しており、表現の自由の濫用であって、法的保護に値しない」としています。
朝鮮学園の弁護団によると、今回の判決はマイノリティーの民族教育の重要性について評価した初の判決とのことです。一審では民族教育権について言及されていませんでした。
 
 在特会のメンバーたちは、2009年12月から2010年3月にかけて、当時京都市南区にあった朝鮮学校近くで3度にわたり、拡声器を用い、大音量で「朝鮮人を保健所で処分しろ」「スパイの子ども」「日本から叩き出せ」などと連呼し、その様子を撮影した映像をネットの動画サイトで公開しました。
判決を受けて、京都朝鮮学園の理事長の孫智正さんは、「今回の大阪高裁判決が、差別を許さないという日本社会の動きを後押ししてくれることを心から期待しています」とコメントしました。また、弁護団は、「高裁レベルにおいても(一審判決が)支持され、さらには、朝鮮学校における民族教育事業が法的に保護すべき貴重なものであることをより明確にした。この高裁判決により、人種差別を許さない社会を作っていく取り組みを一層加速させる効果が期待される」と評価するコメントを発表しています。
 
 2013年10月の一審判決は、日本も加盟する人種差別撤廃条約を根拠に「差別に当たる」「平穏な授業を困難にし、学校の名誉を損なった」と判断しました。在特会の街宣行動を人種差別とした初めての判決でした。
 この街宣に関しては、今回の訴訟の被告でもある在特会会員ら4人が威力業務妨害などの容疑で逮捕され、全員の有罪判決(執行猶予付き)が確定していました。

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