MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 「新しい在留管理制度」を7月9日に控えての大阪府内のおもな都市の準備状況

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


「新しい在留管理制度」を7月9日に控えての大阪府内のおもな都市の準備状況

入国管理法と住民基本台帳法の改定にもとづく「新しい在留管理制度」が、201279日から施行されます。この改定で、3カ月以上日本に住む外国人(子どもを含む)に対して、従来は市町村の窓口で手続きをしていた「外国人登録証」が廃止されて、空港や地方入国管理局で「在留カード」が渡されます。また、日本人と同じように、「住民票」が作成されるようになります。
 
新制度を前に、全国の自治体は準備を進めている最中で、5月の連休明けから下旬にかけて、7月から正式に作成される住民票の内容を記載した「仮住民票記載事項通知書」を外国籍住民の住所地に送付し、内容確認を求めているところです。
 
ヒューライツ大阪は、この「仮住民票」の発送をめぐり、各自治体の連絡体制および情報提供がどのように行われているのかについて、大阪府内における外国籍住民が多く在住する4自治体(多い順に大阪市、東大阪市、堺市、八尾市)に照会しました。5月中旬から下旬にかけて得た回答の概要を報告します。
 
1.法務省、総務省が入管法、住民基本台帳法が変わることの説明冊子を作成しており市役所で配布されているが、自治体独自の説明文書を作成しているか?
 大阪市は「法律改正のお知らせ」(日、英、中、ハングル)で24ページの冊子を独自に作成している。堺市も独自に印刷物(日本語ルビあり)を作成している。いずれも、「仮住民票」の発送時に同封された。
 また、大阪市と堺市は5月1日から7月31日にかけてそれぞれ「外国人住民票コールセンター」を設けている。大阪市は日本語・英語・中国語・韓国・朝鮮語の4言語、堺市は日本語・英語・中国語・韓国・朝鮮語・スペイン語・ポルトガル語の6言語で対応している。
 いずれも窓口などで総務省などの説明パンフが配架されている。
 
2.仮住民票の発送について
①送付方法は、大阪市、堺市、八尾市が簡易書留(受取印必要)で、東大阪市が特定記録(受取印不要)。転送の可否に関しては、大阪市と八尾市が「転送不要」とし、東大阪市と堺市は「転送可」とした。転送不要の理由は、宛先(外国人登録地)における居住確認をするためで、転送可としたのは可能な限り本人に届くことを目指すためという。
 
②仮住民票の送付文(説明書)は、いずれも多言語で説明されている。大阪市は日(ルビ付き)、英、中、ハングルの4言語。東大阪市は日(ルビなし)、英、中、ハングルの4言語。堺市は日(ルビなし)、英、中、ハングル、スペイン、ポルトガルの6言語。八尾市は日(ルビつき)、英、中、ベトナム、ハングル、ポルトガルの6言語。翻訳される言語は、その自治体に在住する外国籍住民の主要な出身国を反映している。
 
③仮住民票の個票に加えて、同封あるいは別便にて「世帯構成確認通知」も送られ、世帯に日本人(国籍)がいる場合はその氏名が記載されている。大阪市は、世帯全員の氏名のフリガナを記入し615日までに同封の封筒で返送を求めている。堺市は、氏名に漢字が記載されている該当者には「フリガナ登録申出書」を同封しており、6月30日までの返送を求めている。他市は、記載内容に間違いがない場合は「連絡不要」としている。いずれも氏名の漢字は基本的に日本の漢字(中国の簡体字に対して、日本の正字)で表記されるとの説明がされている。
 
3.住民票交付の対象とならない非正規滞在者への対応について
超過滞在など非正規滞在者に対しては、各市で対応が分かれている。大阪市は、外国人登録証廃止のお知らせと更新手続きを促す文書を送付する。東大阪市と八尾市は対応を検討中としている。一方、堺市は特に連絡をしない方針。
 
4.「あて所に尋ねあたりません」「あて名不完全で配達できません」として封筒が戻ってきた場合
 いずれの市も所在地確認のために、担当者が直接出向くなどの調査や、担当セクションが、福祉など他の関連セクションに照会したりして、所在地確認に努める。
 
5.市町村は「外国人登録原票」を法務省に返却することになるが、写しを保管するか否か
 東大阪市、八尾市はコピー(スキャンを含む)を5年間、保管することを決めている。大阪市は検討中。
 
以上のように、4市では独自の準備体制を組み、非正規滞在者に対する対応も異なっているものの、仮住民票の送付文に関しては、46言語を準備している。
 
一方、都市としての規模が小さく、外国籍住民の少ない市では、簡易書留で送付されるが同封されるのは日本語のみの送付文というところもある。新たな制度の導入を前に、各自治体は試行錯誤を続けているようだ。
 
2010年末の外国人登録者数
大阪市(政令指定都市):119,847
東大阪市:17,305
堺市(政令指定都市):12,131
八尾市:6,771
 
<参考>
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000119146.html (大阪市)
外国人住民の皆様へ ~法律が変わります~ 平成24年(2012年)79日に住民基本台帳法、入管法及び入管特例法が改正されます
 
 http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000008002.html (東大阪市)
(外国人の方へ) 仮住民票記載事項通知書は届きましたか?
 
http://www.city.sakai.lg.jp/topics/news_detail.cgi?kanriid=201204015 (堺市)
平成2479日、住民基本台帳法・出入国管理及び難民認定法が改正され、外国人登録法が廃止されます
 
http://www.city.yao.osaka.jp/0000015905.html (八尾市)
外国人住民の皆さんへ ~外国人登録法が廃止されます~

(2012年05月30日 掲載)