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自由権規約委員会、日本に対する総括所見を採択

 10月13日から開催されていた自 由権規約委員会は31日、日本のほか、ニカラグア、デンマークとスペインに対する懸念事項や勧告を含む総括所見を採択し、閉会しました。委員会は 15、16日に日本政府報告を審議し、34段落にわたる総括所見を採択しています。
 委員会は、98年の前回総括所見以降とられた男女共同参画基本法の制定、男女共同参画担当大臣の任命など男女共同参画に関する政策・措置や改正 DV防止法やDV被害者、人身売買の被害者の保護の整備などについて歓迎する一方、前回の所見の勧告の多くが実施されていないことに懸念を表明しました。
 総括所見にあげられ た主な点は次のようなものです。
・独立した国内人権機関を設置すること
・女性の再婚禁止期間の廃止、男女の婚姻最低年齢の調和に向けて民法を改正すること
・国会議員をはじめ、公職における女性の割合の拡大に向けて数値目標や割当などを含め、努力すること
・女性の正規雇用促進、保育施設の拡大やパートタイム労働者の均等待遇の拡大、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの犯罪化、間接差別の禁止 を世帯主要件や正規・非正規労働の待遇の違いなどを含むよう拡大など男女の賃金格差是正に向けて措置をとること
・レイプの定義に男性に対するレイプ、近親相姦などを含むよう拡大する、裁判官、検察などに対して性的暴力に関するジェンダー・センシティブ研修 を義務とすることなどレイプに対する取り組みを強化すること
・DV加害者、保護命令の違反者に対する刑罰を見直し、被害者に対する補償を拡大するなど被害者の保護を強化すること
・死刑廃止を検討し、その間、死刑を最も重大な犯罪に限定すること、死刑囚の処遇を改善し、死刑囚、その家族に執行の予定を事前に通知すること、 死刑判決の際の義務的上訴制度を導入すること
・代用監獄の廃止、弁護士へのアクセス、取調べの時間制限や録画の制度化など規約の17条にそった被疑者の権利を保護すること
・「従軍慰安婦」に関する法的責任を認め、被害者の多数が受け入れられるよう謝罪をすること
・性的指向に基づく差別をも禁止する法律改正を検討すること
 そのほかにも、人身売買の被害者、外国人研修生・技能実習生などの保護、婚外子に対する差別的な法律の改正、アイヌ、沖縄の人びとの先住民族と しての確認と文化遺産と生活様式の保護促進など多岐にわたり、勧告をしています。
 また、この会期において、個人通報制度について規定した、規約の選択議定書に関する一般的意見33も 採択しました。
 この制度は、選択議定書を批准した国の領域にいる個人が、規約の権利を侵害された場合に、委員会に通報できるというものですが、一般的意見は、 その領域内の個人から通報が出された締約国は、6ヶ月内に通報の事件に関する情報を提出する義務があること、規約の権利の侵害があったかどうかに関する委 員会の「見解」をその締約国が同実施したかどうかが委員会の国連総会に提出する報告において公表されることなどを確認しています。(11月5日)

出所:
Human Rights Committee Concludes ninety-fourth Session 国連人権高等弁務官事務所10月31日付プレスリリース
規約人権委員会第94会期 (英語) 
自由権規約委員会一般的 意見(英語)

参考:
「自由権規約委員会、日本政 府報告を審議」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ

(2008年11月02日 掲載)