MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 米国連邦最高裁、致死薬による死刑は残虐な刑罰にあたらないと判断

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


米国連邦最高裁、致死薬による死刑は残虐な刑罰にあたらないと判断

 4月16日、米国の連邦最高裁判所は、ケンタッキー州における致死薬の注射による死刑が憲法に反しないと判断しました。
 ケンタッキー州では、3種類の薬剤の注射による死刑方法をとっていますが、死刑囚に最初に意識を失わせるために投与される薬剤の効果が十分でない場合、 残りの2種類の薬剤により重大な苦痛を与えるとして、その方法が残酷で異常な刑罰を禁止する憲法修正8条に違反するという訴えが起こされていました。
 判決は、死刑自体が合憲であり、死刑執行にあたり、すべての苦痛を取り除くことを憲法は要求していないとし、重大な侵害を起こす実質的なおそれ、または 侵害を起こす客観的に容認できないおそれにあたる場合にのみ、修正8条違反になり得ると述べました。そのためには、現行の制度よりもわずかに、あるいは小 程度安全な方法を提示することでは不十分であるとして、執行の手順が確実に実行されないおそれがあるとの訴えを退けました。また、事故などにより苦痛が引 き起こされたとしても、単発の事故だけでは、残虐とはいえず、「重大な侵害を起こす実質的なおそれ」にあたらないとしました。最高裁は、州当局が最初の薬 剤が適切に投与されるよう、安全措置をとっており、控訴人が主張する代替方法は有効であると実証されていないとして、州の処刑方法が修正8条に適合すると 判断しました。
 2名の判事が反対意見を付していますが、その意見でも、死刑自体ではなく、死刑囚の意識がないかどうか州当局が他の州で行われているような十分な措置を とっていないとして反対しています。
 この事件が審議される間、最高裁は他の死刑に関する事件について、執行の延期を命じていましたが、この判決後上訴が却下されました。この事件の審議、および延期の命令が出たことなどが要因で、2007年の米 国における死刑の執行件数がこの13年間で最も少なくなっていたことが報じられていました。 (2008年4月24日)

出所:
・Baze et al. v. Rees, Commissioner, Kentucky Department of Corrections, et al. No. 07-5439(英語)
 http://caselaw.lp.findlaw.com/cgi-bin/getcase.pl?court=US&navby=case&vol=000&invol=07-5439
・「States’ death row injections get OK after high court ruling」AP 4月17日 (英語)
・「国連総会が死刑のモラトリアムを決議」
ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年12月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2007/12/post-17.html
・Certiorari denied Arthur, Thomas D. v. Allen, Commissioner, Al Doc. et al. 07-395, Berry, Earl W. v. Epps, Commissioner, Ms Doc, et al. 07-7348, Turner, Carlton v. Texas 07-8512(英語)
  http://www.supremecourtus.gov/orders/courtorders/042108pzor.pdf

参考:
Death Sentences and Executions in 2007 アムネスティ・インターナショナル Act 50/001/2008(2008年4月15日)
http://www.amnesty.org/en/library/asset/ACT50/001/2008/en/b43a1e5a-ffea-11dc-b092-bdb020617d3d/act500012008eng.html