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韓国・自治体の在住外国人支援の指針を政府が策定

 行政自治部(省)は、「地方自治体居住外国人 地域社会統合支援業務指針」を策定し、8月24日に、全国の自治体に通達しました。行政自治部の報道資料によると、この指針は、自治体が、在住外国人を地域社会の一員として受けとめ、外国人の総合的な支援を推進するためのものとなっています。
  韓国では、経済成長が著しくなった1980年代後半以降、外国人労働者が急増しましたが、国際結婚による外国人配偶者なども年々増加しています。2006 年4月に実施した行政自治部の外国人実態調査によると、韓国に90日以上、滞在する外国人は536,627名(韓国国籍取得者と非正規滞在者<超過滞在、 資格外活動など>を含む)を数え、これは、韓国の人口の1.1%にあたります。この内、韓国国籍取得者というのは、帰化、出生、養子などの理由で韓国国籍 を取得した人のことで、39,525名(外国人全体の7.4%)います。
  そうした中、外国人に対する差別・偏見や排外的な意識が社会に根強くあることが指摘され、新規に来た外国人は、意思疎通や文化の違い、生活困窮など様々な 問題に直面しています。それに対し、行政レベルでの外国人支援は十分ではなく、行政自治部(省)は、まず実態把握がなされていないこと、国家による福祉 サービスが十分に適用されないこと、自治体や市民団体のサポートもまだモデル・ケースのレベルにとどまっていることという政策レベルの問題を挙げていま す。また指針の対象となる外国人の範囲として、韓国系外国人、労働者、留学生等に加え、国際結婚家族など韓国国籍取得者にも拡大適用するとしています。さ らに非正規滞在者は、「原則として支援対象ではないが、民間団体の活用等を通じて基本的人権の保障をするよう努める」とあります。
  基本的な方向として、まず外国人支援の基盤作りの点で、自治体による条例の制定と、在住外国人の地位を「住民」に準じる概念として定立すること、次に自治体と地域住民への啓発、政府・自治体・民間団体間の合理的な役割分担をあげています。
  今後の日程として、各自治体の条例策定時期を2006年10月~11月とし、2007年度の予算確保を求めるなど2006年後半期から2007年にかけ て、各自治体へ迅速な施策推進を求めています。また必要な財源のため、各自治体の普通交付税の算定基準に外国人の数を算定し、「地域社会適応プログラム」 事業費等への国費の追加支援策を検討しています。
  なお、今回の行政自治部の報道資料には、日本の総務省『「多文化共生推進プログラム」の提言』 が参考資料として添付されていました。

出所:行政自治部(省)報道資料(韓国語)

参考:
韓国:多文化家族の支援のための各自治体の政策が本格的に ヒューライツ大阪 News in Brief 2006年4月
総務省『「多文化共生推進プログラム」の提言』を発表 ヒューライツ大阪 News in Brief 2006年3月

(2006年09月10日 掲載)