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刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の改正

  2006年6月2日、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案[PDF 222KB]が採択されました。刑事施設の管理や受刑者の処遇は、従来監獄法に規定されていましたが、05年5月、受刑者の人権を尊重し、適切な処遇を行うことをあげた刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律[PDF 273KB]が制定されました。その背景には、名古屋刑務所における受刑者の死亡事件など、刑務所での受刑者の処遇の問題が明らかになったことがあります。
  06年5月に施行になった05年法の第1条は、法律の目的として「受刑者の人権を尊重しつつ、その者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする」と 掲げています。また、受刑者が弁護士などと面会したり、手紙のやり取りをすることなどを含む外部交通が拡大され保障されたこと、受刑者が処遇に関して苦情 を申し立てることのできる手続きを設置することなどがあげられています。その他、これら施設の管理・運営の透明性を確保するために、民間人によって構成さ れる刑事施設視察委員会が設置されることが決まりました。
  今回の改正では、前回の法律制定では含まれなかった、未決拘禁者などの処遇が中心となっています。対象となる施設も、警察などに設置される留置施設、海上 保安庁管轄の留置施設などが加わりました。また、警察の留置施設に関して、その運営を視察する留置施設視察委員会の設置が規定されています。
  未決勾留者の拘禁、特に被疑者、被逮捕者が拘禁される警察の留置場、いわゆる代用監獄における拘禁は、自白の強要などが行われやすいなど、自由権規約委員会でも早くから懸念をもって指摘されてきました。法務省が設置した未決拘禁者の処遇を検討する有識者会議でも、代用刑事施設(代用監獄)の存続が取り上げられましたが意見が対立し、今回の法整備では、代用施設の存続を前提とし、その中で被拘禁者の処遇の改善を図る方向で提言が出されており、今回の法改正では、未決拘禁の施設として警察の留置施設が予定されています。
  なお、人権侵害が指摘されている入国管理の収容施設は行政施設であり、この法律の範囲には入りません。

出所:
刑事施設および受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律 [PDF 222KB] (日本語)
刑事施設および受刑者の処遇等に関する法律 [PDF 273KB] (日本語)
未決拘禁者の処遇等に関する提言 (日本語)
規約第40条に基づき日本から提出された報告の検討 B規約人権委員会の最終見解(para.25)

(2006年06月16日 掲載)