2002年にヨーロッパ評議会作成された『人権教育のためのコンパス[羅針盤]』の続編 で、子ども(6歳~13歳)を対象に、人権教育を進めるための人権の基本知識・教育 観と実践のためのアクティビティが40紹介されている。
前作の若者層対象の『コンパス』がヨーロッパの多くの中学・高校など中等教育の学校現場や青少年対象プログラムで活用されたということだが、その『コンパス』のアイデアをベースに、今回は低年齢層の人権教育に焦点を当てて作成された(原版の初版は2007年)。
訳者の福田弘さん(聖徳大学教授・筑波大学名誉教授)は、文部科学省の「人権教育の指導方法等の在り方について」の第3次とりまとめまで座長を務められたが、前作の日本語版(2006年)とともに、『コンパシート』を訳され、日本での宣伝・普及に努めておられる。これを授業で、実践するには、日本の社会的・文化的文脈にうまく合うような工夫が若干必要かもしれない。しかし配布用資料やワークシートも複写すれば、すぐに使える体裁になっている。5章から構成されていて、「第1章 人権入門」と「第2章 人権教育とは何でしょう?」は、まずは、教える側が、これだけは知っておくべきことをまとめてある。知識とスキルについてバランスよく丁寧に書かれており、国境を越えて(ヨーロッパでも、アジアの日本でも)人権の実現と人権教育のめざすものが共通であることを読めば確認できる。
