2001年反人種主義・差別撤廃世界会議にむけたアジアNGOファシリテーティング・チーム会合

 2000年10月22日・23日

スリランカ・コロンボ 


反人種主義・差別撤廃世界会議にむけて

 2001年8月に南アフリカのダーバンで反人種主義・差別撤廃世界会議(正式名称は人種主義、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容に反対する世界会議)が開催される。
 前回号のアジア・パシフィック・ニュースで紹介したとおり、この世界会議に向けたアジア地域のNGOの取り組みを組織していくための会合がコロンボで開催され、地域や各国のNGOを代表して21人が参加した。
 ヒューライツ大阪でもこの世界会議を人権に関わる重要な会議として捉えて、アジア地域に関わる人権機関、情報センターとして国内外の取り組みに関わるため、この会議に参加した。

NGOの参加が拡大

 南アフリカでの世界会議や各地域の準備会議は基本的には各国政府代表による政府間会議であるが、国連は以前にも増してNGOの参加のスペースを広げている。NGOには文書提出や発言の機会さえ与えらる。また、世界会議や地域準備会議に並行して、政府側のプロセスに影響を及ぼすNGOによるフォーラムが行われるが、国連はこれらにも資金援助を提供する。
 国連のNGO連絡担当からは、世界会議や地域準備会議の参加にはほとんどのNGOが参加承認の申請手続きが必要であるが、草の根の団体や被差別の当事者団体のアクセスを考慮してできるだけ柔軟に対応するつもりであること、同時に、ファシリテーティング・チームが情報を届けることが重要であることが伝えられた。

NGOの動きをつくる

 アジア地域のNGOの動きづくりについて、参加者は以下の項目をワークショップ形式で話し合った。

1、テーマ
2、テーマを代表する団体、人
3、ローカル、国内、国際レベルでどんな取り組みをするか
4、必要とする資源
5、グループとそのギャップ、バランス
6、アジア地域のイシュー(問題項目)
7、当事者、被害者の声を反映するために

  検討の結果、テーマは、エスニック/国内マイノリティ、カースト、先住民族、女性、宗教的マイノリティ、移住労働者の6つとすることとなり、これらを生活、暴力、ジェンダー、機会の平等、難民/亡命希望者、人身売買、命と安全、土地と労働、雇用、グローバリゼーション、自決権、統治、武力紛争の問題項目すべてに関連させてレポートをまとめることとした。その後、テーマごとにレポートを提供できる団体、人を検討し、調整やとりまとめの役割分担も決めた。そのほか、取り組むべき会議や状況確認の必要な国などが検討されたり、今回の会合の参加NGOがアジア地域での調整と共に国内においても動きをつくるように調整チームを組織し、取り組みや広報、団体間のバランス調整などを行うことなどが決められた。

 二日目には、アジア地域でのネットワーク会議を含め、今後の取り組みを考慮しながら日程の調整が行われ、以下のように計画された(暫定を含む)

1月(14日〜19日)NGOネットワーク会議<中東>(ジョーダン・アンマン)
2月(17日〜19日)NGOフォーラム(テヘラン)
2月(19日〜21日)地域準備会議(テヘラン)
4月(下旬)NGOネットワーク会議<アジア>(ネパールを予定)
5月(21日〜6月1日)第二回準備会議(ジュネーブ)
8月(30日〜9月1日)反人種主義・差別撤廃世界会議(南アフリカ・ダーバン)

日本での動き

 日本国内の動きとして、これまで反差別国際運動(IMADR)日本委員会が学習会や広報などに取り組んでおり、今後、関連するNGOやネットワークと連携して、国内の動きをつくっていく予定である。また、大阪でも、12月7日、世界人権宣言大阪連絡会議が主催する関連集会が開催された。ヒューライツ大阪も情報の収集と発信を中心に、この重要な世界会議に参画していく。


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