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国連麻薬犯罪事務所、人身売買に関する新たな報告

 2月12日、国連麻薬犯罪事務所(UNODC)は人身売買グローバルレポートを公表しました。UNODCは、2006年にも人身売買に関する報告を出しています。前回の報告は、各国の被害者の出身国、中継国、受入国としての傾向を示し、人身売買の世界的なパターンを表すというものでしたが、今回の報告は世界の155カ国・地域の立法や司法などによる人身売買に対する取り組みを示したものです。
 報告によると、08年11月時点で155カ国・地域中63%が、性的搾取や強制労働など人身売買の主な形態に対する法律を制定し、16%が国連国際犯罪防止条約の人身売買禁止議定書に基づく人身売買の定義の一部分に対する法律を制定しています。さらに、57%が少なくとも1件起訴し、73カ国は少なくとも1件を有罪にし、21%は03-07年の間には有罪率が増加しました。しかし、全体的には起訴・有罪の数は限定的であったとしています。報告は、今回は人身売買の規模を示したものではなく、当局が特定した件数が全体のどれだけの割合にあたるかなどは不明だとしています。
 一方、報告によると06年に各国の刑事司法手続や被害者支援組織によって特定された被害者は21,400人を超え、性別年齢別のデータを出している61カ国では、3分の2は女性で、13%が少女でした。ただし、この数字は各国の法律や関心が子どもの被害者や性的搾取の被害者に集まっていることを念頭におかなければならないことを指摘しています。人身売買は国内、地域内で行われることが多いものの、地域間を越えた人身売買も見られ、特に東アジアからの被害者が広い範囲の地域にみられたことがあげられています。また、各国でデータの内容が異なることから、議定書の定義に沿った基準や国際的なモニタリングが必要であるとしています。
 この報告にあげられた日本のデータは主に警察庁によるものでしたが、警察庁が2月5日に公表したところによると、08年の人身取引事件の検挙件数は前年より4件減って36件、被害者数は7人減って36人でした。被害者の出身国はタイが最も多く18人、次いでフィリピンで7人でした。また、日本出身が2人いました。一方、1月30日法務省は保護・帰国支援した人身取引の被害者数を発表していますが、それによると、入国管理局が保護・帰国支援した人の数は前年より12人減って、28人でした。

出所:
「"Denial and Neglect Undermine the Fight against Human Trafficking", says UNODC Director」2月12日付UNODCプレスリリース 
A Global Report on Trafficking in Persons (UNODC)
「平成20年における人身取引事犯について」警察庁
「平成20年に保護又は帰国支援した人身取引の被害者数等について」法務省報道資料(1月30日) 

参考:
「国連麻薬犯罪事務所が人身売買に関する報告を公表」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2006年4月)https://www.hurights.or.jp/news/0604/b14.html





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