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韓国・多文化家族支援法が施行

 韓国では、近年の在韓外国人の増加を背景に、「在韓外国人処遇基本法」が2007年7月から施行されるなど、外国人を社会の構成員として位置づけて社会統合をめざす政策が推進されていますが、その一環として2008年3月21日に「多文化家族支援法」が制定され、同年9月22日から施行されました。この法律でいう「多文化家族」とは、韓国国民と「結婚移民者」(後に「帰化」によって韓国国籍を取った人も含む)によって構成されている家族です。ここでは、多文化家族が安定した生活を送り、生活の質を向上できるよう、国や地方自治体が積極的に支援しなければならないという責務が述べられています。具体的には、保健福祉家族省による3年毎の実態調査、差別や偏見の防止と多様性を認める土壌つくり、多文化家族への情報提供や教育支援の推進などが盛り込まれています。その内容は、「在韓外国人処遇基本法」がベースになっています。また、この法律の施行を契機に、2006年に女性家族省(現在は女性省)が設置した「結婚移民者家族支援センター」は、「多文化家族支援センター」に名称が変わります。
 統計庁の資料によると、2007年の全体の婚姻件数は、345,592件ですが、その内国際結婚は38,491件に上ります。妻が外国人のカップルは29,140件、夫が外国人のカップルが9,351件(約11%)で婚姻件数全体が国際結婚です。外国人妻の国籍を多い順にみると、1位が中国で14,526件、2位がベトナムで、6,611件、3位が日本で1,665件、4位がフィリピンで1,531件と続いています。
 アジアから結婚によって韓国に移住する女性は、2000年頃から急増していますが、悪質な仲介業者による人身売買まがいの見合い結婚、夫や夫の家族との葛藤、意思疎通の問題など、多くの困難を抱える移住女性の状況が指摘されてきました。この間、移民女性や外国人住民を支援するNGOが、政府に対し移住女性の人権をまもり、多文化社会への移行を促進するための様々な問題提起をしてきました。その中で「多文化家族」をめぐる支援のあり方や社会統合のコンセプトについて、議論が続いています。NGO は、同化を促進したり、韓国の家父長的な文化の押しつけになるような多文化家族支援プログラムを批判しています。また、政府のいう「多文化家族」は、移住労働者や難民の家族や華僑などを排除するものであり、移住女性たち自身が多様で個々のニーズが違うことが見えていないという指摘をしています。そもそも韓国の少子・高齢社会への対応策としてのみ結婚移住をとらえている発想に異議を唱えています。誰にとっても望ましい多文化社会はどう作っていくべきか、韓国社会でも模索と努力が続いています。

参考 ・韓国政策放送KTV(2008年9月22日付)
「韓国をめぐる諸問題への取組み 特集1多文化家族〜増加する女性結婚移の地域社会適応支援」田渕知子『自治体国際化フォーラム』224号(2008年6月号)
・韓国統計庁(英語)
・「韓国・在韓外国人処遇基本法が施行」ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年8月) 




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