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法務省が無戸籍での婚姻届を認め、無戸籍女性の子どもに戸籍を認める(初)

 無戸籍の女性から生まれた子どもの出生届が受理されず、子どももまた無戸籍となることが問題となっていましたが、離婚後300日以内に生まれた子は「前夫の子」とみなす民法規定のため無戸籍となり、事実婚のまま兵庫県内の女性が5月末に出産した子どもについて、居住地の自治体が11日出生届を受理し戸籍を認める判断をしました。
 母親の無戸籍により子どもも無国籍となることについて、鳩山法相は3日の記者会見で、「(男児が)無戸籍にならないように温かく対応するのが基本方針だ」と述べており、法務省は「無戸籍者の場合は、他の書類で身分事項を確認できれば婚姻届を受理できる」とする判断を自治体に示していました。今回の女性の場合は医師による出生証明書などで、女性の身分事項が証明できたとし、事実婚であった夫との法律婚を認め、夫の戸籍に婚姻の事実が記載されました。しかし、母親である女性は無戸籍のままとなっています。
 一方、毎日新聞によると同じ11日、三重県亀山市で上記と同様300日規定により無戸籍の母親が、無戸籍の子どもの住民基本台帳の登録を求めていた問題で、田中市長は「あえて住民基本台帳法に違反して登録することは、コンプライアンス(法令順守)の立場から応えられない」との見方を示しました。
 民法772条2項は「婚姻の成立の日から200日を経過した後または婚姻の解消もしくは取り消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と規定し、出生が離婚後300日以内だった場合は前夫の子として届けなければならないとされています。
 実際の父親の子として戸籍に登録するには、嫡出否認の調停を家庭裁判所に申し立て、夫(前夫)がその子どもが自分の子どもであることを否認する必要がありますが、ドメスティック・バイオレンスなどが原因の離婚の場合、調停に夫(前夫)の協力を得ることは難しい場合も多く、生まれた子どもの出生届がだせず、無戸籍となります。
 この民法772条2項の見直しについては、2007年に与党プロジェクトチームが、「離婚後の妊娠」だけでなく「離婚前の妊娠」にも対象を広げ、あわせて女性のみに規定されている再婚禁止期間についても、現行の6ヶ月から100日に短縮するとする特例新法を作成していましたが、自民党内で反対が相次ぎさらに議論の必要があるとして国会提出を見送った経緯があります。

出所:
・ 「無戸籍児の親が家族会結成・300日規定見直し求め」NIKKEI NET(2008年4月20日)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080420STXKA021420042008.html
・ 「離婚後300日問題 無戸籍2世の出生届、初めて受理」asahi.com(6月12日)
http://www.asahi.com/edu/news/OSK200806110040.html
・無戸籍児:「登録応えられない」 亀山市長、法令順守理由に/毎日新聞(2008年6月12日)
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20080612ddlk24040164000c.html

参考:
西日本新聞 ワードボックス
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/4823/
裁判所・嫡出否認調停
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_15.html

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