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京都ウトロ地区の在日コリアン住民に韓国国会が約3億6千万円の政府支援を可決

  京都府宇治市にあるウトロ地区に居住する在日コリアンたちは、現在の土地所有者によって立ち退きを迫られていましたが、日韓のウトロ住民に対する市民支援運動を通じて、韓国政府が、土地買い取りのための資金として30億ウォン(約3億6千万円)の支援することを決定し、2007年12月28日にこの支援も含んだ2008年度予算案が韓国国会を通過しました。
  ウトロ町内会の生活環境調査報告によると 、2005年現在、ウトロには65世帯、200人あまりが生活していて、京都飛行場建設に関わった1世とその家族、その親類縁者、戦後(1945年以降)にウトロに移ってきた人たちが、それぞれ3分の1づつになっています。65歳以上の高齢者だけの世帯が4割を越え、生活保護受給率も宇治市全体の平均にくらべ相当高い状態です。
  在日コリアンがウトロ地区に居住することになった背景は、植民地時代にさかのぼり、第2次世界大戦中に、国策事業として「京都軍飛行場」建設のために朝鮮半島から労働者を動員し、「飯場」が作られたことからはじまります。
  戦後(1945年以降)、ウトロ地区の土地は民間会社の所有になりますが、ウトロにとどまらざるをえなかったコリアンたちがコミュニティを形成していきました。20年前、その民間会社が、上水道の敷設をやっと認めた頃、土地は、別の不動産会社に転売されました。そしてウトロの住民たちは、新しい土地所有者に立ち退きを求める訴訟を起こされました、住民たちは、歴史的な経緯や長年にわたる居住の実態を訴えましたが、結局、2000年に最高裁で住民の敗訴が確定しました。その一方で、「ウトロを守る会」をはじめとする日本の市民団体が、韓国の市民団体と連携してウトロの住民運動を支えてきました。そして、ウトロの「強制立ち退き」問題は、国連の社会権規約委員会の日本政府報告に対する最終所見(2001年)で懸念が表明されたり、2005年には国連人権委員会(当時)の現代的形態の人種主義に関する特別報告官が視察にくるなど国際的にも取りあげられました。
  その後、住民たちが土地を買い取るために土地所有者と交渉をしてきました。当面、対象となる約2万1千平米の半分を5億円で購入することで合意しつつも資金の確保が課題でした。そしてこの問題が韓国社会で大きな関心となり、「ウトロ国際対策会議」などが、韓国政府に支援を求めるとともに募金運動を行い、韓国内で5億ウォン(約6千万円)以上が寄せられました。今回の韓国政府を含めた韓国からの支援金に加え、在日コリアンを含めた日本国内での支援金によって、立ち退き問題についてはようやく解決の道が見えてきました。
  こうした流れの中で、日本の国土交通省と京都府、宇治市が、2007年12月5日、生活環境の整備などウトロのまちづくりの支援策を合同で協議する「ウトロ地区住環境改善検討協議会」を設置しました。日韓の政府と市民の協力で、住民が安心してくらせる総合的なまちづくりの実現が待たれます。

出所:
・毎日新聞(2007年12月28日)
・「ふらっと」『戦後60年と人権-過去の清算が終わらない在日コリアンのまち』
ウトロまちづくり支援へ検討協設置 国交省、京都府、宇治市が連携 京都新聞(2007年12月5日)

参考:規約第16条及び第17条に基づく締約国により提出された報告の審査 - 日本政府第2回報告書に対する総括所見 - ウトロ国際対策会議

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