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フィリピンの超法規的処刑を調査した「アルストン報告」が発表される

  「超法規的・即決・恣意的処刑に関する国連特別報告者」のフィリップ・アルストンさんが2007年11月26日、フィリピンで2月に実施した調査報告書「フィリピンへの公式訪問」 を発表しました。2007年3月の第4回人権理事会において、アルストン特別報告者は予備的考察(中間報告)[PDF]を発表し、フィリピン政府がそれにコメントをするとともに、国際NGOが中間報告の支持を表明していました。
  今回の報告書は、事態の歴史的背景、左派系活動家や農地改革を求める農民活動家、ジャーナリストなどの殺害、刑事司法システムの現状、政府関係機関の施策、勧告、関連資料など包括的な構成で、英文でA 4サイズ64ページのボリュームです。
  アルストン報告者はフィリピンで調査を行った際、96人が超法規的処刑の犠牲となった57事件の被害者や目撃者にインタビューするとともに、地方に派遣されている国軍司令官からアロヨ大統領にいたるあらゆる階層に属する政府関係者とも面談をしたと述べています。同報告者は、犠牲者の人数は特定しないものの、過去6年間に相当数の左派系活動家たちが、共産ゲリラ「新人民軍」の掃討作戦の一環として国軍の周到な計画に基づいて殺害されていると断定しています。国軍による殺害はゲリラ内部の粛清だという主張はまったく説得力がなく、責任回避の方便でしかない、と報告者は述べています。
  一方、報告者は、新人民軍に対しても、彼らに直接敵対的な行動をとっていない市民を殺害している事実があることに対しても批判をしています。
  フィリピン訪問後、報告者はニューヨークで同国高官と面談し、政府として特別法廷の設置や証人保護プログラムの強化、国軍・司法省・人権委員会による合同調査などの対策を発表していることなどの改革を伝えられて、一定の評価をしているものの、左派系活動家殺害に関与した国軍兵士がいまだにだれ一人有罪判決を受けていないと指摘しています。また、国軍の最高司令官にあたる大統領が、こうした殺害に終止符を打つよう具体的な施策をとるべきであると勧告しています。
  この報告書は、2008年に開催される第8回人権理事会で報告される予定です。

出所:
「フィリピンへの公式訪問」 (英語)
「予備的考察」[PDF] (英語)

参考:人権理事会で、超法規的処刑に関する特別報告者がフィリピンの政治的殺害に関して中間報告 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ (2007年4月)

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