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日比経済連携協定の批准に対して、フィリピンの野党議員やNGO連合などが反対を表明

  日本とフィリピンとのあいだで06年9月に署名され、日本の国会では同年12月に承認されている日比経済連携協定(JPEPA)の批准をめぐる審議が、フィリピンの上院で07年8月末から開始される見込みです。07年5月に中間選挙が行われ、上院議員の半数が改選されたなどの理由から、フィリピン側での批准が遅れているため、審議は優先課題に位置付けられています。しかし、野党議員は「日比経済連携協定はフィリピンにとって不利である」と強く主張しており、批准に反対するさまざまな分野のNGOの声を受けて、審議は紛糾しそうです。
  野党のピア・カエタノ議員をはじめとする上院議員は07年8月14日、研究者やNGOを招いて円卓会議を開催した際には、この協定のフィリピンにおよぼすマイナス影響などが数多く報告されました。
  たとえば、マガリョナ元フィリピン大学法学部長は、「日比経済連携協定は、フィリピンに対する投資のすべての領域において日本の投資家を自動的にフィリピン人と同等の条件に取り扱う義務を負わせるものであり、これは日本が他国との協定で得ているよりかなり好条件である」と指摘しました。また、「協定は、日本との貿易における関税撤廃を約束しているものの、課税などに関する取り決めは行政ではなく、下院に権限があると定めているフィリピン国憲法に違反する」と批判しました。
  批准に反対するNGOは「日比経済連携協定に反対する連合」(Magkaisa Junk JPEPA Coalition)というネットワークを結成していますが、加盟各団体から意見表明が行われました。
  最大の問題となっている有害廃棄物問題の日本からフィリピンへの無関税輸出に関しては、「日本は、有害廃棄物であってもリサイクル可能な廃棄物へと容易に品目分類を変えることができるとともに、これらの廃棄物はフィリピンにとって経済的価値があると主張するかもしれない」という懸念が述べられました。
  国内労働者の将来については、「協定は、フィリピンの工業化に後退をもたらすとともに、国内の農・工業製品を危機に追いやり、これらの生産に携わる国内労働者の仕事を奪ってしまう。日本からの低価格製品の自由な参入は、輸入製品への依存度を高める結果をもたらすことになる」と心配の声があがりました。
  看護師の送り出しに関しては、「協定は、労働者を外国からの送金のための単なる商品とみなしている。フィリピンの看護師は自由な選択ではなく必要にかられて海外に仕事を求めているのである。国内の多くの看護師は、生活給以下で不十分な手当てしか受けていない」、「日本での受け入れ態勢が不十分である」といった批判的な報告が行われました。
  上院は外交委員会において23人の全議員による審議を呼びかけています。協定が批准されるためには、その3分の2にあたる16人の議員の賛成が必要です。

出所:Magkaisa Junk JPEPA "Toxic Treaty Favors Japan, Not the Philippines"(英語) (2007年8月15日)

参考:
比上院選で野党が多数派に-日比経済連携協定の早期批准は不透明 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年6月)
「日本から有害廃棄物を輸出しない」「フィリピンでの政治的殺害の解決に向けて取り組んでいる」-東京で日比首脳会談 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年5月)

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