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原則18

人権リスクを測るために、企業は、その活動を通じて、またはその取引関係の結果として関与することになるかもしれない、実際のまたは潜在的な人権への負の影響を特定し評価すべきである。このプロセスでは、以下のことをすべきである。

(a) 内部及び/または独立した外部からの人権に関する専門知識を活用する。

(b) 企業の規模及び事業の性質や状況にふさわしい形で潜在的に影響を受けるグループやその他の関連ステークホルダーとの有意義な協議を組み込む。

解説

人権デュー・ディリジェンスを実行する際の第一歩は、企業が関与する、実際のそして潜在的な人権への負の影響の性質を特定し、評価することである。その目的は、特定の事業の状況において特定の人々に対する特定の影響を理解することである。一般的に、これには、できれば事業計画の実施に先立って人権状況を評価することを含み、誰が影響を受けるかを特定し、関連する人権基準及び問題を整理し、そして事業計画の実施及び関連する取引関係が特定されたものに対してどのように人権の負の影響を与えうるのかを予測することである。このプロセスにおいて、企業は、社会的に弱い立場におかれまたは排除されるリスクが高くなりうる集団や民族に属する個人に対する人権の特別の影響に特に注意を向け、女性と男性では異なるリスクがありうるということにも留意すべきである。

人権への影響を評価するためのプロセスは、リスク評価や環境・社会影響評価などの他のプロセスのなかに組み込むことができる一方で、このプロセスは、国際的に認められた人権のすべてを共通の基準点として含むべきである。なぜなら、企業は、実質上どの権利に対しても影響をあたえる可能性を持っているからである。

人権の状況は常に変化するため、人権への影響評価は定期的に行われるべきである。新たな事業活動または取引関係に先だって、事業における重要な決定または変更(例えば、市場への参入、新製品の発売、方針変更、または事業の大幅な変更)に先だって、事業環境の変化(例えば、社会不安の高まり)に反応またはそれを予見して、そしてひとつの事業活動または取引関係が続くあいだ中、周期的にということである。

企業は、人権への影響を正確に評価できるようにするために、使用言語や有効なエンゲージメントに障害となる可能性のあるものを考慮に入れた形で、ステークホルダーと直接協議することによって潜在的に影響を受けるステークホルダーの懸念を理解するように努めるべきである。 そのような協議が可能ではない状況において、企業は、市民社会組織の人々や人権活動家などを含む、信頼できる独立した専門家との協議など、適切な代替策を考えるべきである。

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