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国連の活動

アジア・太平洋の地域的取極に関する第4回ワークショップの結論(ネパール・カトマンズ、出典『アジア・太平洋人権レビュー1997』)

ワークショップの結論

  1. カトマンズ・ワークショップは、人権の伸長と保護に地域的取決めが果たしうる積極的な役割に留意しつつ、他のこの種の機構の存在している地域の経験を検討し、他の経験の示す潜在的な可能性と限界を研究した。
  2. カトマンズ・ワークショップは、今回初めて西アジアからの参加者があったことを歓迎し、今後のワークショップで西アジアの課題、関心事および優先事項が実効的に取り組まれる必要があることを認識する。
  3. カトマンズ・ワークショップはこれまで、マニラ(1990年)、ジャカルタ(1993年)、ソウル(1994年)で開催された3回のワークショップにより生み出された共通の理解、合意、達成点――とりわけ人権に関する情報が時期にかなったかたちで政府と非政府団体に提供されてきたこと――を基礎として開催することができた。
  4. この地域の多様性と複雑さのため、地域的取決めを設置する過程のなかで、域内の国々の間でコンセンサスを達成するための広い討議が必要となることが感じられた。しかしワークショップは、このような過程を情報共有や経験の交換、人権の伸長と保護のための国内の力量を高め、地域的な取決めへの過程を加速する助けとしながら、段階的な方法で進めていくことの意義を強調する。信頼醸成措置としても役に立つ具体的な一歩が必要とされている。
  5. 他の地域の経験については今後も注意深く検討を進めるにせよ、アジア・太平洋地域の地域的取決めが、この地域における必要性、優先課題、条件にもとづいたものである必要があるというのは明らかである。このため、それがどんなものであれ、アジア・太平洋地域の機構の必要性の根拠は、内部から生み出されるべきである。この地域の必要性と優先課題の基礎のうえに、地域的取決めなどのような人権機構をさらに生み出す根拠がおかれるべきである。したがって、アジア・太平洋地域の地域的取決めの役割、機能、課題は、この地域の政府により特定され、それを基礎として、地域的取決めの結果や達成すべきものがどのようなものとなるべきかについてのコンセンサスを作り上げるべきである。情報と教育のための、一連の伸長を目的とした諮問的取決めが地域的取決めに向けての基礎として役立つだろう。

地域的協力

  1. カトマンズ・ワークショップは、「アジア・太平洋地域の人権の伸長と保護のための地域的取決め」人権委員会決議1995/48にもとづき実施された。この決議により人権委員会は、アジア・太平洋地域の国家に対して人権の伸長と保護のための地域的取決めの設置に向けての措置をとることを呼びかけている。この地域的取決めの設立に向けての段階的な過程としては、次のようなものが含まれるべきであるとの合意がなされた。
    1. ワークショップは、人権教育が人権の伸長と保護の両方のために重要であること、また「人権教育のための国連10年」との関連のものも含め、国内人権教育計画を制定すること、このような計画に関する域内での経験交流を進めることの意義を確認した。
    2. ワークショップは、ウィーンの世界人権会議の、より広範な国家が人権文書を締約するよう求めた呼びかけを確認し、人権の伸長と保護を行う第一義的な責任は国家にあるということを繰り返すものである。
    3. ワークショップは、ウィーン宣言および行動計画で提案されているように、人権に関する国内行動計画――国家が国内レベルで人権の保護と伸長を改善するための措置を具体化するもの――の策定を支持する。
    4. ワークショップは、国連総会および人権委員会の人権の伸長および保護のための国内人権機関に関する決議(第3回ワークショップが開催されて以後に人権委員会にて採択された決議1995/50を含む)を再確認した。この点については、ワークショップは、ウィーン宣言および行動計画にも含まれているように、各国家が国内レベルで個別の必要にもっとも適した枠組みを選択する権利を有していることを認識したうえで、国家機関の確立および強化を奨励する。
    5. ワークショップは、最近いくつかのアジア・太平洋地域の国により人権の伸長および保護のための国内人権機関を設立、もしくは設立の検討を考えているという発表があったことを歓迎し、この地域のすべての加盟国が2国間および地域的な協力を、国内人権機関内部のそれも含め、このような機関の設置および運営に関する情報交換と経験交流のために行うことを奨励する。ワークショップは、すでに人権の伸長および保護のための国内人権機関を有する国家に対して、ウィーン宣言および行動計画において概観されているように、それらを強化し、それが適当な場合には、国家発展計画もしくは、国内行動計画の準備のなかにこれらの側面を含めるべきである。
    6. ワークショップは、1995年4月のマニラの会合での決定が、アジア・太平洋地域の加盟国に対して適切な人権の取決めを設置することを奨励したこと、およびより具体的には、この地域の既存の国内人権機関の2国間および地域的な協議、人材交流、地域会議、協同プロジェクト等の適当な計画によりそうすることを奨励したことに留意する。
    7. ワークショップは、人権の伸長および保護においてNGOの果たした有用で前向きなすべての役割、および、彼らの地域的取決め設置に向けての過程への建設的な参加を歓迎する。

ワークショップで討議されたその他の課題

  1. ワークショップは以下の課題も討議した:共通の課題に関する地域的協力、発展、人権、民主主義の相互関係、発展の権利の実現に際しての障害、既存の人権機構の合理化、適切とみなされる場合に既存の地域的、小地域的機構の中で伸長活動を実施するための人権の取決めを設置する可能性。
  2. ワークショップは、人権分野における国内の力量――国内の立法能力の強化も含め――を行うための地域的な協力の発展の重要性を認識した。

次期ワークショップの計画

  1. ワークショップは、この地域の関心をもつ政府および国連人権センターから構成される参加自由のチームを設置し、NGOや国内機関と協議して次期のワークショップの有効な準備を保障し、地域的な取決めの発展を推進することが有用であると結論づけた。

(翻訳:川村 暁雄)