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1996年の国連の動き

資料1 条約委員会によるアジア・太平洋地域の1996年の国別人権状況審議 1)

条約委員会の概要

(1) 経済的、社会的および文化的権利に関する委員会(社会権規約委員会

【概要】
 社会権規約の実施のためには、本来国連経済社会理事会による報告審査が想定されていた。事実、当初は、同理事会の作業部会により報告書審査が行われてい る。しかしながら、その機能のあまりの不十分さに、1986年、専門家による委員会の設置が決められた(ESC, Res. 1985/17)2) 。この委員会の第1回の会合は87年にもたれた。当初は年に1回の開催であったが、現在は2回となってい る。なお、委員会は1992年より各国の報告についての結論的見解を採択することとなった(E/C.12/1993/4)。社会権規約委員会の手続規則 (E/C.12/1990/4/Rev.1)によると、締約国は第1報告を条約発効後2年以内に、その後5年毎に報告を提出することとなっている。

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域の中では、16カ国(および香港、マカオ)がこの条約の履行義務を負う。1996年は第15会期(96年11月~12月)にて香港および マカオについての報告が討議された。

(2)(規約)人権委員会

【概要】
 市民的および政治的権利に関する国際規約により設置。締約国は第40条(1)により「(a)効力を生ずる時から1年以内に、(b)その後は委員会が要請 するときに」報告を規約人権委員会へ提出する義務がある。なお、委員会は第1報告の期限から数えて5年毎に追加の報告を出すこととした(CCPR/C /19/Rev.1, 26 Aug.1982)。通常、年1月、3月~4月、10月~11月に計3回会合をもつ。

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域の中では、16カ国および香港がこの条約の履行義務を負う。1996年10月には、タイ国が新たな締約国となった。第55会期(95年 10月~11月)および第58会期(96年10月~11月)にてイギリスの提出した香港に関する報告書が検討された。

(3) 人種差別撤廃委員会

【概要】
 人種差別撤廃条約により設置。締約国は、発効後1年以内に第1報告、その後2年毎および委員が求めるときに報告書を提出することになっている(人種差別 撤廃条約第9条)。72年より政府代表を検討時に招請、質疑を行うこととした。1990年の第38会期において、包括的報告を4年毎、短い追加報告を2年 毎に行うことを決定。91年の第40会期において、委員会メンバーがNGOの情報も含めてあらゆる情報を活用することができることとなる。92年より、「結論的な見解」を委員会としてまとめることになり、96年よりこれらが独立の文書として発行されるようになる(A/51/18)。会合は、3月、7 月~8月にそれぞれ3週間開催される。

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域の中では、24カ国がこの条約の履行義務を負う。第49会期(96年8月)に中国、韓国、インドの報告が検討された。

(4) 子ども権利委員会

【概要】
 子ども権利条約により設置。締約国は、発効後2年以内に第1報告、その後は5年毎に報告を提出する(第44条1項)。委員会は追加情報の提出を要請でき る(同条4項)。なお委員会の活動報告書は、隔年で国連総会に提出される(同条5項)。会合は1月、5月~6月、9月~10月の年3回開催される。

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域のなかでは、42カ国(および香港)がこの条約の履行義務を負う。1996年には、モンゴル、韓国が第11会期(96年1月)に、中国、 ネパールが、第12会期(96年5月~6月)にて検討、香港についてのイギリスの報告書が第13会期(96年9月~10月)にて検討された。

(5) 女性差別撤廃委員会

【概要】
 女子差別撤廃条約により設置。締約国は、発効後1年以内に第1報告、その後少なくとも4年毎および委員が求めるときに報告書を提出することになっている (第18条)。なお第20条は、同委員会が年間2週間を超えない範囲で会合をもつことを規定している。ところが、同条約は加盟国が156カ国(97年3月 27日段階)と多く、締約国の報告を十分に検討できない状態となっている。委員会は1995年の第14会期において一般的勧告22により第20条の改正を 求めると同時に、改正が実現するまで、年に2回の会期を認めるよう国連総会に要請している。1997年には1月、7月の2回にわたり、会合が予定されている。

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域の中では、28カ国がこの条約の履行義務を負う。96年にはパキスタンが新たな締約国となった。1996年開催の第13会期においては本 書対象地域の国の報告は検討されなかった。

(6) 拷問禁止委員会

【概要】
 拷問禁止条約により設置。締約国は、発効1年以内に報告書を提出、その後は4年ごとに新たにとった措置に関する追加報告および委員会が要請する他の報告 を提出することになっている(第19条第1項)

【1996年の検討対象】
 本書の対象地域の中では、11カ国がこの条約の履行義務を負う。中国が第16会期(96年4月~5月)にて、韓国が第17会期(96年11月)にてそれ ぞれ検討された。


国別の審議・報告書提出状況

東アジア

東南アジア

南アジア

太平洋


東アジア

(1)韓国(未批准:なし)

・社会権規約(1990年7月10日発効)
  第1報告(E/1990/5/Add.19)が第12会期(95年5月)に検討され、結論的見解(E/C.12/1995/3)が出される。第2報告は 97年6月30日が期限となっている。
・自由権規約(1990年7月10日発効)、自由権規約第1選択議定書(1990年7月10日発効)
  第2報告(96年7月9日)未提出(96年7月26日段階)。なお、第1選択議定書にもとづき、Jong-Kyu Sohn氏v. 韓国の事件の通報がされている。これは労働組合活動家が支援のメッセージをストライキ中の労組に送ったために逮捕されたケースで、人権委員会は1995年 の第45会期において、政府に規約違反があると判断した。
・人種差別撤廃条約(1979年1月4日発効)
  第8報告が第49会期(96年8月)に検討される。結論は、年次報告書(A/51/18)に掲載。出された勧告の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・2条の義務的性格に鑑み、人種による差別を禁止するための憲法および法律上の措置をとること。
・4条の義務的性格に鑑み政府が適切な立法措置をとること、外国の出身者で韓国で生まれ定住している人が民族的出身による差別を受けないようにするための 措置をとること。
・移住労働者――とりわけ正規の資格のない労働者――の状況を改善するための措置をとること。
・韓国政府も検討を行っているように、資格外労働者に対して労働許可を導入し、合法化すること。

・子ども権利条約(1991年12月20日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.21)が第11会期(96年1月)に検討、結論的見解が出された(CRC/C/15/Add.51)。その勧告の概 要は以下のとおり。

【勧告の概要】
・9条3項、21条(a)、40条2項(b)(v)の留保を再考すること。
・政府が条約の原則と規定の理解を拡大するための啓発の努力を行うこと、とりわけ女児、非嫡出児、および障害児に対する差別的な態度の問題に焦点をあてた 広報キャンペーンを行うこと。
・子どもの権利に関する研修活動を子どもに関連した業務を行う人々(教師、ケースワーカー、判事など)を対象に行うこと。
・人権教育のための国連10年の精神にのっとって学校のカリキュラムに子どもの権利を含めること。
・国内法が十分に条約の原則と規定(とりわけ2条・非差別の原則、3条・子どもの最善の利益、12条・子どもの意見表明の尊重)にのっとったものとなるよ う努めること。
・とりわけ2条にのっとり男女の結婚年齢の平等、23条にのっとりすべての障害児に基本的な教育の権利を保障すること。
・非嫡出児への差別の禁止、韓国人を母ともつ子が無国籍とならないようにすること。
・義務教育終了年齢にあわせ就労最低年齢を引き上げること。
・国内および国外への養子縁組に関しては、条約に合致するかたちでの法改正を行うこと。
・条約の実施の監視と調整のために分野を越えた恒常的な機構を設置すること。
・オンブズパーソンもしくは同様の苦情申立・監視機構を作ること。
・NGOとより緊密な協力関係を作ること。
・社会的に弱い立場にある集団に属する子どもの状況に注意を払いながら、条約に関連する分野についての情報収集システムを改善すること。
・条約4条の十分な実施にとりわけ注意を払い、子どもの最善の利益という観点から経済的、社会的および文化的権利の実施のために最大限の資源を投入するこ と。
・子どもの家族、学校、社会生活への参加を推進するためのさらなる努力を払い、基本的な自由(意見表明、表現、結社の自由を含む)の実質的な享受が図ら れ、それに対する制限は法によるもので、民主的な社会に必要なものだけに限られること。
・とりわけ条約18条と27条に鑑み、家族が子どもの養育と発達に責任をもつための支援を確保するための措置を強化すること。
・子どもの放棄の予防に努めること。
・子どもの虐待と家庭内暴力防止のための措置をとり、影響を受けた子どもの健康回復と社会への再統合のための措置をとること。
・虐待、家庭内暴力について早期に発見し監視するシステムの設置についても考慮すること。
・教育政策については29条で定められた目的を反映するべく再考すること。
・児童労働については、32条にもとづき適切な措置をとり、ILO条約138条の批准を考慮すること。
・少年司法の分野においては、子ども権利条約やその他の国際基準に合致した法改正を行うこと。
・とくに身体の自由の剥奪は最後の手段であるべきで、また最小限の期間に限定されるべきであること。
・少年司法の関係者に対して関連国際基準についての研修を行うべきであること。
・これについては、国連人権センターと犯罪防止および犯罪司法部に対して、国際協力を求めることを考慮すること。
・政府が政府報告書、子ども権利委員会の議事録および結論的見解を幅広く広報すること。

・女子差別撤廃条約(1985年1月26日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.35)は第6会期(87年)にて、第2報告(CEDAW/C/13/Add.28 and Corr.1)は第12会期(93年)にて審議された。第3報告(CEDAW/C/KOR/3)も提出済みで現在検討を待っている。

・拷問禁止条約(1995年1月9日発効)
  第1報告(CAT/C/32/Add.1)が第17会期(96年11月)にて討議。
  国連記者発表(HR4310)によると、委員会は次のような勧告を行っている。
【勧告の概要】
・拷問を罪として規定する法律を制定すること。
・警察の尋問官、検察官の教育、および独立の政府機関による拘禁所の監査を行うこと。
・劣悪な処遇に関する申立について調査しその結果を報告すること。
・拘置期間が30日~50日となっているのは長すぎるので、48時間にすること。
・尋問中に弁護士が同席することが認められること。

(2)朝鮮民主主義人民共和国(未批准:自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・社会権規約(1981年12月14日発効)
  第1報告(E/1984/6/Add.7 E/1986/3/Add.5, 1988/5/Add.6)の検討は行われた。第2報告は未提出(1996年2月1日段階)。
・自由権規約(1981年12月14日発効)
  第2~3報告(期限:92年12月13日)未提出(96年7月26日段階)。
・子ども権利条約
  第1報告提出済み(CRC/C/3/Add.41)、第16会期(97年9~10月)にて検討の見込み。

(3)中国(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書)

・人種差別撤廃条約(1982年1月28日発効)
  第5~7報告がまとめてCERD/C/275/Add.2として提出され、第49会期の1996年8月8日~9日に討議された。結論は、CERD/C /304/Add.15および年次報告書(A/51/18)に掲載。勧告の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・差別的行為を処罰可能な犯罪とすること。
・自治区の人口比率に影響の与える政策について再考すること。
・伝えられているモスクやチベット仏教寺院の、国家による破壊についての情報提供を行うこと。
・公共サービスの享受や雇用において差別がないように法制定を行うこと。
・少数民族の歴史・文化についての教育を行うこと、そして学校の教科や公務員研修において反差別・反偏見の教育を行うこと。

・子ども権利条約(1992年4月1日発効)
  第1報告(CRC/C/11/Add.7)が第12会期(96年5月~6月)にて検討。討議の結果採択された結論的見解は、第12会期報告書(CRC /C/54)に掲載。勧告の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・総合的な法体系の見直しを行い、条約の規定と原則が国内法、地方の条例や行政措置にも反映されるようにすること。
・子どもの権利を保障するためのオンブズパーソン等の設置を検討すること。
・子どもの状況を把握するための統計情報を収集すること。
・条約の趣旨をユニセフ等の協力も求めて広く広報すること。
・さまざまな子どもと関わる職業の人々(教師、裁判官、警察、行政関係者等)を対象に条約に関する研修を行うこと。
・4条(立法上、行政上その他の措置)にもとづき、政策の評価を行うこと。
・社会保障により多くの関心を払い、老後の生活の子どもへの過大な依存がないようにすること。
・障害をもつ子どもへの差別と闘う措置と調査をさらに行うこと。
・家族計画が女児の生命の危険をもたらさないように関係者に指導を行うこと。
・女児の誘拐・売買などと闘うための措置をとること。
・女児の未登録が大きな原因で、国勢調査による男児と女児とのアンバランスが生じている。このため、登録の意義を伝えるための緊急の措置をとること。
・親に捨てられた子どもの養子縁組みを推進するなどにより、このような子どもが家庭に近い環境で育つことのできるよう、政策の見直しを行うこと。
・福祉施設の子どもの状況を改善するための措置をとること。このためユニセフ、WHO、ユネスコなどの協力を得ることを検討すること。
・チベット自治区等の少数民族地域の子どもが自らの文化についての知識を増やすと同時に、中国語を学ぶための十分な機会を与えること。
・少年司法や身体の自由に関する条文により保障されている権利が守られるよう、立法的・行政的措置の徹底した見直しを行うこと。
・国家報告書、委員会によるその検討内容、そして委員会の結論が広く周知されるよう措置をとること。

・女子差別撤廃条約(1981年9月3日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.14)が第3会期(1984年)に、第2報告(CEDAW/C/13/Add.26)が第11会期(1992 年)にて検討。第3~4報告(期限:94年9月3日)未提出(95年10月31日段階)。
・拷問禁止条約(1988年10月4日発効)
  第1報告追加報告(CAT/C/7/Add.14)が93年4月に検討される。委員会の結論は年次報告(A/48/44)に掲載。第2報告(CAT/C /20/Add.5)は第16会期(96年4月~5月)にて検討された。国連記者発表(HR/4297)によると委員会は以下のような結論を採択した。
【結論の概要】
・NGOの情報によると、警察署や監獄で拷問が中国の広範な地域(チベットを含む)で行われていることが示されており、そのような申立が調査や当局による 問題解決につながっていない。
・外部と連絡を遮断された拘禁がしばしばなされている。
・中国は、このような状態の拘禁による劣悪な処遇についての苦情申立を調査するための包括的な制度を作り、刑法の中に拷問をとくに罪として規定する条項を 作るべきである。
・また拘禁者ができるかぎり早い段階で弁護士と相談できるようにし、家族や医者と連絡できるようにすること。

(4)日本(未批准:自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・社会権規約(1979年9月21日発効)
  第1報告(E/1984/6/Add.6 and Corr.1, E/1986/3/Add.4 and Corr.1, E/1982/3/Add.7)は討議された。第2報告は未提出(97年2月1日段階)。
・自由権規約(1979年9月21日発効)
  第4報告(期限:96年10月31日)未提出(96年12月25日段階)、97年の早い段階にて提出予定(外務省人権難民課による)。
・人種差別撤廃条約(1996年1月14日発効)
  第1報告(97年1月14日)未提出(96年12月25日段階)。97年に提出予定(外務省人権難民課による)。
・子ども権利条約(1994年5月22日発効)
  第1報告(CRC/C/41/Add.1)が提出され、第18会期(1998年5月)に検討の予定。
・女子差別撤廃条約(1985年7月25日発効)
  第1報告が第7会期にて検討される。第2~3報告が第13会期(94年3月)にて検討され、結論が第14会期(95年3月)に採択(A/50/38)。

(5)モンゴル(未批准:拷問禁止条約)

・社会権規約(1976年1月3日発効)
  第1報告書(E/1978/8/Add.6, E/1980/6/Add.7, E/1982/3/Add.11)検討済み。第2報告(E/1984/7/Add.6,E/1986/4/Add.9)も検討済み(13条~15条に関す る報告は未提出)。第3報告は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1976年3月23日発効)、自由権規約第1選択議定書(1991年7月16日発行)
  第4報告(期限:95年4月4日)未提出(96年7月26日段階)。
・人種差別撤廃条約(1969年9月5日発効)
  第11~13報告(期限:96年9月5日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1990年9月2日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.32)が第11会期(96年1月)に検討された。委員会の結論的見解(CRC/C/15/Add.48、A/51 /41、もしくはCRC/C/50)の中で示される勧告の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・政府の各省庁、中央と地方当局および政府とNGOとの間のより緊密な協力関係をつくること。
・最も社会的に弱い立場にある集団に属する子どもの状況も含め、さまざまな情報を収集すること。
・条約を広報するためのさらなる努力を行うこと。
・子どもの権利に関する定期的研修活動を子どもに関連した業務を行う人々(教師、ケースワーカー、判事など)を対象に行うこと。
・子どもの出生登録を優先課題として取り組むこと。
・子どもの学校からのドロップアウトや児童労働への従事を防ぐための措置をとること。
・現在進行中の法改正において子ども権利条約の規定を十分に考慮すること。
・国境を越えた養子縁組を規制する法律を作ること。
・難民の子どもの保護のため、1951年の難民条約を批准すること。
・4条に関連し、子どもの最善の利益という観点から経済的、社会的および文化的権利の実施のために最大限の資源を投入すること。
・19条に鑑み、子どもの家庭内での虐待および性的暴行と闘うためにすべての可能な措置をとること。
・少年司法の分野においては、子ども権利条約やその他の国際基準に合致した法改正を行うこと。
・現在、国連人権センターと犯罪防止および犯罪司法局との間で行われている技術援助プログラムの枠組みの中で、子どもの権利に関連した法改正と研修を行う こと。
・また政府がILO、国連難民高等弁務官、ユニセフ、WHOなどに技術援助を要請することを検討すること。
・政府が政府報告書、子ども権利委員会の議事録および結論的見解を幅広く広報すること。

・女子差別撤廃条約(1981年9月3日発効)
  第1報告、第2報告がそれぞれ第5、第9会期にて検討される。第3報告(期限:90年9月3日)、第4報告(94年9月3日)未提出(95年10月31 日段階)。
【参考】香港(宗主国イギリス)
・社会権規約
  イギリスの第3報告(1条~15条に関するもの)にて香港の状況がとくに扱われ、第15会期(96年11月~12月)にて検討された。社会権委員会は結 論的見解(E/C.12/1/Add.10)を採択している。勧告の概要は以下のとおり。

【勧告の概要】
・中英共同宣言および最近の条約委員会の慣行に鑑み、中国が社会権規約の報告義務を有すると考え、今後も中国政府もしくは香港特別行政区からの報告を求め る。
・香港と中国との間の分離家族の統合のための公正なメカニズムを設置すること。
・性差別条例を改訂し、復職に関する規定を設けること。
・労働組合に対する抑圧的制限と規定を廃止すること。
・不当解雇、最低賃金、有給の週休、超勤手当などに関する政府の政策を見直すこと。
・ケージホームをなくすこと。
・中国からの移住者に住居を与える前に適用される7年ルールを「十分な住居の権利」の保障という視点から見直すこと。
・自発的にベトナムに帰ることを拒否したために医療・歯科医療を拒否された3名のベトナム人に関して、45日以内に報告を提出すること。
・障害者が規約にもとづく権利を保障されるよう状況の見直しを行うこと。
・中国からの移住者の子どもが一般的な教育システムのなかに統合されるように措置をとること。
・この結論的見解が英語・中国語で広く配付され、また司法関係者や関連の公務員に提供されること。

・自由権規約
  イギリスの第4報告の補足報告として香港についての報告(CCPR/C/95/Add.5)が提出され、第55会期(95年11月)にて検討された (CCPR/C/79/Add.57)。勧告の概要は以下のとおり3)
【勧告の概要】
・なるべく早い段階で中国語による起訴状や法廷資料を導入すること。
・独立警察苦情協議会の提案を受け、警察に関する苦情について警察官以外の者が審査に加わるようにすること。
・人権委員会設立とその権限に関する決定を再考すること。
・性差別条例の不足点に関連し適切な改正を行い、規約に謳われたあらゆる差別の禁止のための立法を行うこと。
・ベトナム難民の収容所の生活環境を改善すること。
・難民認定手続の迅速な実施を行うこと。
・条約21、22、25条にそったかたちでの選挙制度の改正を行うこと。

【報告の要請】
・イギリス政府がこの勧告にそったかたちで採用した措置に関する報告を、1996年5月までに提出するよう求める。これは、第58会期(96年10 月~11月)にて審議される。

・子ども権利条約
  イギリスの手による第1報告(CRC/11/Add.9)が第13会期(96年9月~10月)にて検討され、結論的見解が出される(CRC/C/15 /Add.63)。その勧告の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・政策案の作成に際しては、子どもへの影響の評価を行うべきである。
・子どもの権利に関して政策を監視する独立した機構を設置すること。
・またそのような機関が、公衆と立法策定者に、子どもの権利保護のためにとられた措置について情報提供すること。
・市民社会とNGOによる条約の履行監視への関与を促進すること。
・子どもの権利を保護・促進するための継続的な努力の一環(とりわけ4条[立法、行政上の措置]の関連で)として現在の制度のあり方の実効性について評価 を行うこと。
・条約の条項に関連した年齢集団別の統計データの収集を行うこと。
・条約の原則と規定の実施をモニターするための指標についての研究を行うこと。
・子どもの権利条約に関する広報の強化を検討し、子どもに関わる人々を対象とした人権および子どもの権利についての研修を実施すること。
・ジェンダー、民族的出自、障害、非嫡出であることなどを原因とした差別を防止し、これらと闘うための啓発のあり方について評価を行うこと。
・12条(意見表明権)に関連し権利をもつ主体としての子どもの視点から子どもの家族、学校、社会への参加の問題について研究し提言を作成すること。
・中国からの非合法の移民の子どもの問題に関連し、さらなる措置をとること(とりわけ香港と中国との間での家族の分断に関連して)。
・家族の統合のために要される期間を短くするなどの措置をとること。
・ソシアルワーカーの数が最近増加しているが未だに1人当たりの負担が大きく、さらなる取組み強化を検討すること。
・障害児の状況に関連し、障害児を普通学校に統合するため努力すること。同時に校舎の構造の改善や教師の研修を行うこと。
・母乳保育の促進のためにとられている措置の検討を行うこと。そのなかで病院における粉ミルクの無料配付や雇用に関する条約の関連規定との合致状況を検討 すること。
・学校での圧力と思春期の健康の問題との関連性について検討すること。
・子どもの権利条約に関する教育も含め、人権教育をすべての学校におけるカリキュラムの中核の一部をなすものとして取り組むこと。
・人権啓発および教育の評価を行い、それが子どもの生きるための道具となり、人権の視点から意思決定および分析的に考える能力を身につける力にどの程度 なっているのか把握すること。
・31条(休息・余暇の権利)の実施の方法をさらに検討すること。
・収容所のベトナム人の子どもについては、現状および以前の政策の評価を行い、今後過ちが繰り返されないようにするとともに、彼らの状況を改善するための 措置を直ちにとること。
・刑事責任を負う年齢に関して、条約の原則と規定にそったかたちで法制度の再検討を行うこと。
・政府が政府報告書、子ども権利委員会の議事録および結論的見解を幅広く広報すること。
・この報告書によりなされた勧告を実施するためにとられた措置について、1997年5月末までに進捗状況を報告すること。

〈参考〉 マカオ(宗主国ポルトガル)
・社会権規約
  ポルトガルにより提出された報告書にもとづき、社会権委員会が第15会期(1996年11月~12月)にてマカオの規約1条~15条の実施状況について 検討を行い、結論的見解をまとめている(E/C.12/1/Add.9)。同見解は以下のような勧告を行った。
【勧告の概要】
・障害者の経済的、社会的および文化的権利の実効的保障のための措置をとること。とりわけ、身体障害者および精神障害者が雇用、教育、公的施設にアクセス できるよう、支援するための特別なプログラムを助成すること。
・10条(家族に対する保護および援助)に関する情報が不十分であり、今後情報を提供すること。
・公務員就職あっせんプログラムへの中国出身者の統合を図ること。
・労働者の団結権、団体交渉権、ストライキ権を促進する政策をとること。
・社会保障の権利に関する立法を行うこと、および非永住の労働者にも社会保障を適用すること。
・市民社会のなかに対して規約を広報する努力を行うこと。
・住民のすべての階層(法執行官や司法の実施に関わるすべての人員を含む)に対して、包括的な人権研修を実施すること。
・本結論的見解を広く広報すること。


東南アジア

(1)インドネシア(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1990年10月5日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.10)は、第4会期(94年9月~10月)にて検討され、その結論的見解(CRC/C/15/Add.7)にもとづ き、追加情報(CRC/C/3/Add.26)が提出され、第7会期(94年9月~10月)に検討された(結論はCRC/C/15/Add.25)。国連 の助言サービスを求める領域は、CRC/C/40/Rev.4にまとめられている。
・女子差別撤廃条約(1984年10月13日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.36)は、第7会期(1988年)にて検討済み。第2~3報告(期限:93年10月13日)未提出(95年10 月31日段階)。

(2)カンボジア(未批准:自由権規約第1選択議定書)

・社会権規約(1992年8月26日発効)
  第1報告(期限:94年8月26日)が未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1992年8月26日発効)
  第1報告(期限:93年8月25日)未提出(96年7月26日段階)。
・人種差別撤廃条約(1983年11月28日発効)
  第1報告(CERD/C/111/Add.4)が1987年に討議されて以来報告提出なし。第2~6報告まで未提出(96年8月23日段階)。第7報告 の期限は96年12月28日。
・子ども権利条約(1992年11月14日発効)
  第1報告(期限:94年11月13日)未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1992年11月14日発効)
  第1報告(期限:93年11月14日)未提出(95年10月31日段階)。
・拷問禁止条約(1992年10月15日発効)
  第1報告(期限:93年11月13日)未提出(96年9月1日段階)。

(3)シンガポール(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1995年11月4日発効)
  第1報告は97年11月3日に提出期限。
・女子差別撤廃条約(1995年11月5日発効)
  第1報告の期限が96年11月5日。

(4)タイ(未批准:社会権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・自由権規約(1997年1月29日発効)
  第1報告提出の期限が1998年1月。
・子ども権利条約(1992年4月26日発効)
  第1報告(CRC/C/11/Add.13)は、第18会期(98年5月~6月)に検討予定。
・女子差別撤廃条約(1985年9月8日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.51)が第9会期(1990年)に審議される。第2~3報告(期限:94年9月8日)未提出(95年10月31 日段階)。

(5)フィリピン(未批准なし)

・社会権規約(1976年1月3日発効)
  第1報告(E/1978/8/Add.4, E/1986/3/Add.17, E/1988/5/Add.2)が提出され、結論的見解(E/C.12/1995/7)が出された。第2報告は部分的に提出済み(E/1984/7 /Add.4)。その他の部分は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1987年1月23日発効)、自由権規約第1選択議定書(1989年11月22日発効)
  第2報告(期限:93年1月22日)、96年7月26日段階で未提出。
・人種差別撤廃条約(1969年1月4日発効)
  第11~14報告(期限:96年1月5日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1990年9月20日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.23)が第8会期(95年1月)にて検討され、結論的見解が出される(CRC/C/15/Add.29もしくはA /51/41)。
・女子差別撤廃条約(1981年9月4日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.6)は第3会期(84年)、第2報告(CEDAW/C/13/Add.17)は第10会期(91年)に討議され る。第3報告(CEDAW/C/PHI/3)は第16会期(97年1月)に審議予定。
・拷問禁止条約(1986年6月18日発効)
  第2~3報告(期限:96年6月25日)未提出(96年9月1日段階)。

(6)ブルネイ(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1996年1月26日発効)
  第1報告は98年1月25日が期限。

(7)ベトナム(未批准:自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・社会権規約(1982年12月24日発効)
  第1報告(E/1990/5/Add.10)が討議され、結論的見解(E/C.12/1993/8)が出される。第2報告(期限:89年12月24日) は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1982年12月24日発効)
  第2~3報告(期限:93年12月23日)未提出(96年7月26日段階)。
・人種差別撤廃条約(1982年7月9日発効)
  第6~7報告(期限:95年7月9日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1990年9月2日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.4, CRC/C/3/Add.21)は検討済み。結論的見解は文書CRC/C/15/Add.3。
・女子差別撤廃条約(1982年3月19日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.25)が第5会期(1986年)に討議される。第2~3報告(期限:91年3月19日)未提出(95年10月 31日段階)。

(8)マレーシア(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1995年3月19日発効)
  第1報告は97年3月19日に期限。
・女子差別撤廃条約(1995年8月4日発効)
  第1報告(期限:96年8月4日)未提出(95年10月31日段階)。

(9)ミャンマー(ビルマ)(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁 止条約)

・子ども権利条約(1991年8月14日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.9)が第14会期(97年1月)に検討。

(10)ラオス(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1974年3月24日発効)
  第6~11報告未提出(96年8月23日段階)。1984年以降、報告が提出されていない。第49会期(1996年8月)において委員会は報告のないま ま検討を行う。ラオス政府代表は会合に出席せず(A/51/18)。
・子ども権利条約(1991年6月7日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.32)提出済み、第16会期(97年9~10月)に討議予定。
・女子差別撤廃条約(1981年9月13日発効)
  第2~3報告(期限:94年9月13日)未提出(95年10月31日段階)。


南アジア

(1)アフガニスタン(未批准:自由権規約第1選択議定書、女子差別撤廃条約)

・社会権規約(1983年4月24日発効)
  第1報告(E/1990/5/Add.8)が第5会期(1991年)に検討された。
・自由権規約(1983年4月24日発効)
  第3報告(期限:94年4月23日)未提出(96年7月26日段階)。
・人種差別撤廃条約(1983年8月5日発効)
  第2報告から第7報告まで未提出(96年8月23日段階)。第1報告(CERD/C/111/Add.3)は、1985年に検討された(議事 録:CERD/C/SR.718-719)。94年には、報告書が出されないまま検討されている(CERD/C/SR.1060)。
・子ども権利条約(1994年4月27日発効)
  第1報告(期限:96年4月26日)未提出(96年11月1日段階)。
・拷問禁止条約(1987年4月1日発効)
  第1報告(CAT/C/5/Add.31)は92年11月に委員会で検討、その結論は年次報告(A/48/44)。第2~3報告(期限:96年6月25 日)未提出(96年9月1日段階)。

(2)インド(未批准:自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・社会権規約(1979年7月10日発効)
  第1報告(E/1984/6/Add.13, E/1980/6/Add.34, E/1988/5/Add.5)は検討された。第2報告は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1979年7月10日発効)
  第3報告(期限:92年3月31日)提出済み、第4報告(期限:95年7月9日)未提出(96年7月26日段階)。第3報告が第60会期(97年7~8 月)にて検討の予定。
・人種差別撤廃条約(1969年1月4日発効)
  第10~14報告の合併報告(CERD/C/299/Add.3)について第49会期中の8月7日、8日に検討、結論的見解を採択。結論的見解の概要は 次のとおり(A/51/18)。
・インド政府は「条約第1条にいう『世系』は人種を指しており、指定カースト、指定部族は本条約の対象とならない」としているが、委員会は『世系』は人種 だけに限られず指定カースト、指定部族も条約の範囲であると確認する。
・当局が指定カーストおよび部族に属する者に対する差別行為を防止する特別施策を採用し、差別行為が行われた場合には徹底的な調査を行い責任のある者の処 罰と被害者への賠償がなされるようにすること。
・人権委員会が軍事部隊による人権侵害について直接調査することを制限している人権保護法19項の廃止を行うこと。
・カーストの上下意識をなくすため、人権教育をさらに進めること。
・条約6条にもとづき、人種差別による(カースト、部族に属していることを理由とするものも含め)の被害について法廷へ賠償などを求めることができる法的 な規定を作ること。
・インド政府報告および本「結論的見解」を国内にて広く広報すること。
・子ども権利条約(1993年1月11日発効)
  第1報告(期限:95年1月10日)未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1993年8月8日)
  第1報告(期限:94年8月8日)未提出(95年10月31日段階)。

(3)スリランカ(未批准:自由権規約第1選択議定書)

・社会権規約(1980年9月11日発効)
  第1報告提出済み。今後検討の予定。
・自由権規約(1980年9月11日発効)
  第3報告(CCPR/C/70/Add.6 and HRI/Core/1/Add.52)が第54会期(95年7月)に検討、コメントが採択される(CCPR/C/79/Add.56)。
・人種差別撤廃条約(1982年3月20日発効)
  第7報告書(期限:95年3月20日)未提出(96年1月1日)。
・子ども権利条約(1991年8月11日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.13)は第9会期(95年5月~9月)に検討され、結論的見解が出された(CRC/C/15/Add.40)。
・女子差別撤廃条約(1981年11月4日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.29)が第6会期(1987年)に討議、第2報告(CEDAW/C/13/Add.18)が第11会期 (1992年)に審議される。
・拷問禁止条約(1991年1月3日発効)
  第1報告(期限:95年2月1日)未提出(96年9月1日段階)。

(4)ネパール(未批准:なし)

・社会権規約(1991年8月14日発効)
  第1報告(期限:93年8月14日)は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1991年8月14日発効)、自由権規約第1選択議定書(1991年8月14日発効)
  第1報告(CCPR/C/74/Add.2)提出済み。第52会期(94年11月)にて検討、コメントをまとめる(CCPR/C/79 /Add.42)。
・人種差別撤廃条約(1971年3月1日発効)
  第9~13報告(期限:96年3月1日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1990年10月14日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.34)が第12会期(96年5~6月)に検討された。その結論的見解(CRC/C/15/Add.57もしくは CRC/C/54)の概要は以下のとおり。
【勧告の概要】
・法制度が条約の趣旨に合致するように法律改正を行うこと。
・女児に影響を与えている否定的な伝統や差別的な態度と闘うため、政府が包括的な広報キャンペーンを実施し、子どもの社会および家庭内での権利が守られる ように保障すること。
・子どもの権利に関する研修活動を子どもに関連した業務を行う人々(教師、ケースワーカー、判事など)を対象に行うこと。
・子どもの権利条約が大人と子どもにより広く理解されるための努力を強化すること。
・政府の各省庁、中央と地方当局および政府とNGOとの間により緊密な協力関係を作ること。
・最も社会的に弱い立場にある集団に属する子どもの状況も含め、さまざまな情報を収集すること。
・子どもの権利を保障するためのオンブズパーソン等の設置を検討すること。
・条約4条に関連し子どもの最善の利益という観点から、経済的、社会的および文化的権利の実施のために最大限の資源を投入すること。
・国際協力による資源を子どもの権利実現に投入し、海外債務および返済の支払いが子どもに与える影響を削減するための努力を行うこと。
・子どもが人間としての十分な権利を認められるため、子どもの出生登録を優先課題として取り組み、移動登録事務所の設置などの措置をとること。
・女児のドロップアウト率を減少させ、児童労働や買春への関与を防止すること。
・最も低いカーストに属する子どもが搾取されないように具体的な措置をとること。
・難民の子どもの保護を促進するため1951年の難民条約の批准を検討すること。
・第19条の趣旨にのっとり、あらゆる適切な措置をとり、家庭内での子どもの虐待や性的虐待と闘うこと。
・このために当局が、この問題の性質と範囲を理解するための情報収集と調査を行い、社会的なプログラムを実施すること。
・(とりわけ路上にて生活する)子どもの生存権が確保されるよう措置をとること。
・児童労働については、ILOの第138号条約の批准を考慮すること。
・児童労働に関する法律を実施し、監視制度を設け、苦情の調査を行うこと。
・とりわけインフォーマル・セクターにて働く子どもの保護に留意すること。
・国境を越えた子どもの売買と闘うためにあらゆる措置をとること。
・少年司法の分野においては、子ども権利条約やその他の国際基準に合致した法改正を行うこと。とりわけ精神的に不安定な状態になっている子どもを監獄に入 れることを可能とする現行法を緊急に見直すこと。
・国連人権センターの協力を得て法改正や研修のための技術援助プログラムを行うこと。
・政府がILO、国連難民高等弁務官、ユニセフ、WHOなどに技術援助を要請することを検討すること。
・国内に存在する国際機関により、子どもの権利を保障するためのタスクフォースを設置することを検討すること。
・政府が政府報告書、子ども権利委員会の議事録および結論的見解を幅広く広報すること。

・女子差別撤廃条約(1991年5月22日発効)
  第1報告(期限:92年5月22日)未提出(95年10月31日段階)。
・拷問禁止条約(1991年5月14日発効)
  第1報告(CAT/C/16/Add.3)は94年4月に検討される。その結論は年次報告(A/49/44)に掲載。第2報告(期限:96年6月12 日)未提出(96年9月1日段階)。

(5)パキスタン(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1969年1月4日発効)
  第10~14合併報告(CERD/C/299/Add.6)提出。第50会期(96年3月)に検討予定。
・子ども権利条約(1990年12月12日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.13)が第6会期(94年4月)にて検討。結論的見解はCRC/C/15/Add.18。
・女子差別撤廃条約(1996年4月11日発効)
  第1報告の提出期限は97年4月11日。

(6)バングラデシュi未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1979年7月11日発効)
  第7~9報告(期限:96年7月11日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1990年9月2日発効)
  第1報告(CRC/C/3/Add.38)提出済み。第15会期にて討議予定(97年5~6月)。
・女子差別撤廃条約(1984年12月6日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.34)は第6会期(1987年)、第2報告(CEDAW/C/13/Add.30)は第12会期(1992年) にて検討。第3報告(CEDAW/C/BGD/3)が第16会期(97年3月)に討議予定。

(7)ブータン(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1990年9月2日発効)
  第1報告(期限:92年9月1日)未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1981年9月30日発効)
  第1~4報告(期限:94年9月30日)未提出(95年10月31日段階)。

(8)モルジブ(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1984年4月24日発効)
  第5、6報告(期限:95年5月24日)は未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1991年3年13日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.33)提出済み、第17会期(98年1月)に検討予定。
・女子差別撤廃条約(1993年7月31日発効)
  第1報告(期限:94年7月1日)未提出(95年10月31日段階)。


太平洋

(1)オーストラリア(未批准:なし)

・社会権規約(1976年3月10日発効)
  第1報告(E/1978/8/Add.15, E/1980/6/Add.22, E/1982/3/Add.9)、第2報告(E/1984/7/Add.22, E/1986/4/Add.7,E/1990/7/Add.13)の検討は行われ、第2報告についての結論的見解が出された(E/C.12/1993 /9)。第3報告(期限:94年6月30日)未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1980年11月13日発効)、自由権規約第1選択議定書(1991年12月25日発効)
  第4報告の提出期限は、96年10月12日(提出の有無は96年7月26日段階では不明)。
・人種差別撤廃条約(1975年10月30日発効、個人通報受諾宣言)
  94年10月30日が期限の第10報告書は未提出(96年10月11日段階)。
・子ども権利条約(1991年1月16日発効)
  第1報告(CRC/C/8/Add.31)提出済み。第15会期(97年5月~6月)に検討の予定。
・女子差別撤廃条約(1983年8月27日発効)
  第2報告(CEDAW/C/AUL/2)が第13会期(94年3月)に検討され、その結論が第14会期(95年3月)に採択された。第3報告 (CEDAW/C/AUL/3)は提出済み。
・拷問禁止条約(1989年8月8日発効、個人通報受諾)
  第2報告(期限:94年9月6日)未提出(96年9月1日段階)。

(2) キリバス(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1996年1月10日発効)
  第1報告は98年1月9日に期限。

(3)サモア(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1994年12月29日発効)
  第1報告が1996年12月29日に期限。
・女子差別撤廃条約(1992年10月25日発効)
  第1報告(93年10月25日)未提出(95年10月31日段階)。

(4)ソロモン諸島(未批准:自由権規約、自由権規約第1選択議定書、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・社会権規約(1982年6月17日発効)
  報告未提出(96年2月1日段階)。
・人種差別撤廃条約(1982年3月17日発効)
  第2~7報告(95年3月17日)が未提出(96年8月23日段階)。第49会期(96年8月)に報告書が提出されないまま検討された。政府代表は出席 せず。委員会は政府に対して、国連人権センターの技術援助プログラムの支援を受けて報告書を提出するように勧告した(A/51/18)。
・子ども権利条約(1995年5月10日発効)
  第1報告は97年5月9日に提出期限。

(5)ツバル(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1995年10月22日発効)
  第1報告が97年10月21日に提出期限。

(6)トンガ(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1972年3月17日発効)
  第11および12報告(期限:95年3月17日)未提出(96年8月23日)。
・子ども権利条約(1995年12月6日発効)
  第1報告が97年12月5日に提出期限。

(7)ナウル(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1994年8月26日発効)
  第1報告(期限:96年8月25日)未提出(96年11月1日段階)。

(8)ニュージーランド(未批准:なし)

・社会権規約(1979年3月28日発効)
  第1報告(E/1990/5/Add.5, E/1990/5/Add.11 and E/1990/5/Add.12)が討議され、結論的見解(E/C.12/1993/13)が出された。第2報告は未提出(96年2月1日段階)。
・自由権規約(1979年3月28日発効)、自由権規約第1選択議定書(1989年8月26日発効)
  第3報告(CCPR/C/64/Add.10 and HRI/CORE/1/Add.33)が第53会期(95年3月)に検討、コメントをまとめる(CCPR/C/79/Add.47)。
・人種差別撤廃条約(1972年12月22日発効)
  第12報告(期限:95年12月22日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1993年5月6日発効)
  第1報告(CRC/C/28/Add.3)提出済み、第14会期(97年1月)にて検討予定。
・女子差別撤廃条約(1985年2月9日発効)
  第1報告(CEDAW/C/5/Add.41)は第7会期にて討議。第2報告(CEDAW/C/NZE/2、CEDAW/C/NZE/2/Add.1) が第13会期(94年3月)にて討議された。
・拷問禁止条約(1989年12月10日発効、個人通報受諾)
  第1報告(CAT/C/12/Add.2)は92年11月に検討され、その委員会結論は年次報告書(A/48/44)に掲載。第2報告(期限95年1月 8日)未提出(96年9月1日段階)。

(9)パプアニューギニア(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1982年2月26日発効)
  第2~7報告(期限:95年2月25日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1993年3月31日発効)
  第1報告(期限:95年3月31日)未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1995年2月11日発効)
  第1報告(期限:96年2月11日)未提出(95年10月31日段階)。

(10)バヌアツ(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1993年8月6日発効)
  第1報告(期限:95年8月5日)は未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1995年10月7日発効)
  第1報告の期限が96年10月7日、95年10月31日段階では未提出。

(11)パラオ(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1995年9月3日発効)
  第1報告が97年9月3日に期限となる。

(12)フィジー(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1973年1月11日発効)
  第6~12報告書が未提出(96年8月23日段階)。第49会期、96年8月9日に報告書のないまま討議。人種差別が制度的に行われていると伝えられる ことに関して懸念を表明(A/51/18)。
・子ども権利条約(1993年9月12日発効)
  第1報告(CRC/C/28/Add.7)提出済み、第18会期(1998年5月~6月)にて検討予定。
・女子差別撤廃条約(1995年9月27日発効)
  第1報告(期限:96年9月27日)未提出(95年10月31日段階)。

(13)マーシャル諸島(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条 約)

・子ども権利条約(1993年11月3日発効)
  第1報告(期限:95年11月2日)未提出(96年11月1日段階)。

(14)ミクロネシア(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1993年6月4日発効)
  第1報告(CRC/C/28/Add.5)提出済み、第17会期(98年1月)に検討の予定。

中央アジア

(1) ウズベキスタン(未批准:なし)

・社会権規約(1995年9月28日発効)
  第1報告は97年6月30日に提出期限。
・自由権規約(1995年9月28日発効)、自由権規約第1選択議定書(1995年9月28日発効)
  第1報告(期限:96年9月28日)提出状況不明。
・人種差別撤廃条約(1995年10月28日発効)
・子ども権利条約(1994年7月29日発効)
  第1報告が96年7月28日に提出期限(96年11月1日段階で未提出)。
・女子差別撤廃条約(1995年8月18日発効)
  第1報告の期限が96年8月18日、95年10月31日段階では未提出。
・拷問禁止条約(1995年9月28日発効)
  第1報告(96年10月27日)未提出(96年9月1日段階)。

(2)カザフスタン(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・子ども権利条約(1994年9月11日発効)
  第1報告(期限:96年9月10日)未提出(96年11月1日段階)。

(3) キルギスタン(未批准:人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・社会権規約(1995年1月7日発効)
  第1報告の期限は97年6月30日。
・自由権規約(1995年1月7日発効)、自由権規約第1選択議定書(1995年1月7日発効)
  第1報告(期限:96年1月6日)、未提出(96年7月26日段階)。
・子ども権利条約(1994年11月6日発効)
  第1報告は96年11月6日に期限。96年11月1日段階で未提出。

(4) タジキスタン(未批准:自由権規約第1選択議定書、人種差別撤廃条約)

・人種差別撤廃条約(1995年1月11日発効)
  第1報告(期限:96年2月10日)未提出(96年8月23日段階)。
・子ども権利条約(1993年11月25日発効)
  第1報告(期限:95年11月24日)は未提出(96年11月1日段階)。
・女子差別撤廃条約(1993年11月25日発効)
  第1報告(94年10月25日)未提出(95年10月31日段階)。
・拷問禁止条約(1995年1月11日発効)
  第1報告(期限:96年2月9日)未提出(96年9月1日段階)。

(5)トルクメニスタン(未批准:社会権規約、自由権規約、自由権規約第1選択議定書、女子差別撤廃条約、拷問禁止条約)

・人種差別撤廃条約(1994年10月29日発効)
  第1報告(期限:95年10月29日)未提出(96年8月23日)。
・子ども権利条約(1993年10月20日発効)
  第1報告(期限:95年10月19日)は未提出(96年11月1日段階)。


  1. 条約の批准状況については、Multinational Treaties Deposited with the Secreatry-General, United Nations, New York, ST/LEG/SER.E, as availabe on http://www.un.org/Depts/Treaty (Status as at 27 March 1997)による。
  2. See, Philip Alston, "The Committee on Economic, Social and Cultural Rights," in Alston, ed., The United Nations and Human Rights, Clarendon Press, Oxford, 1992.
  3. 96年の第58会期においても追加報告が検討されているが、資料を未入手のため紹介できず。
(文:川村 暁雄)

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