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京都報告会「パリ協定で脱石炭に進む世界・石炭支援で孤立する日本」開催(1月5日)

 2015年のCOP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)パリ会議で採択された、世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることをめざす国際条約「パリ協定」が2016年11月4日に発効しました。
「パリ協定」は、深刻化する気候変動に対処するため、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°C未満に留めることを目標にしています。温暖化対策の新たなルールのもと、ヨーロッパ諸国をはじめとする国際社会は、膨大なCO2の排出によって温暖化の原因になる石炭火力発電から、太陽光、風力、水力、バイオマスなど自然エネルギーの開発にシフトしようとしています。
一方、日本は、官民が協力する「インフラ輸出戦略」のもと、世界各地で石炭火力発電所の計画・建設を進めています。石炭火力発電所は大量のCO2に加え、硫黄酸化物、窒素酸化物、PM2.5、水銀など汚染物質も多く排出しています。
 
そのような事態を受けて、国際環境NGO FoE Japan、気候ネットワーク、ODA改革ネットワーク・関西は2017年1月5日、京都で報告会「パリ協定で脱石炭に進む世界・石炭支援で孤立する日本」を開催しました(協力:ヒューライツ大阪、ウータン・森と生活を考える会、関西NGO協議会)。参加者は24人でした。
 報告会では、「世界の温室効果ガス排出をゼロにする『パリ協定』発効!」をテーマに、脱石炭の重要性と国際社会における再生可能エネルギーへの流れに関して、気候ネットワークの伊与田昌慶さんがこの間の動向を解説しました。
また、「日本による石炭火力発電事業支援」をテーマに、FoE Japanの波多江秀枝さんが、日本の公的金融機関やメガバンクなどの融資のもと、日本企業が建設に関わっているインドネシアのジャワ島のバタン石炭火力発電所、チレボン石炭火力発電所、インドラマユ石炭火力発電所などのプロジェクトをめぐる問題に関して報告をしました。
 伊与田さんは、日本は2016年11月に「パリ協定」を批准しているにもかかわらず、脱石炭を目指すどころか、海外で突出して多くの石炭火力発電所の建設を進めている問題点を指摘しました。
 波多江さんは、石炭火力発電所の周辺各地域における炭塵や排煙による農業・漁業、および人体に及ぼす悪影響、そしてインドネシアの治安部隊など政府関係者による強圧的な土地収用などの人権侵害が起きている実態を詳細に報告しました。
<参考>
気候ネットワーク
FoE ジャパン 開発金融と環境