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レッスン玉手箱

国際労働法カードを使っての労働者の権利学習

肥下彰男

グローバル化の進展に伴い、国内の労働市場の規制緩和が行われ、各国で派遣労働者やパートタイマーなど非正規労働者の割合が増加している。しかし、非正規労働者に対するセイフティネットは不十分であり、学校での人権学習における労働者の権利学習の重要性が増している。労働者の権利学習にあたって、国内の労働法を用いて学習するのが実践的ではあるが、国際労働基準である国際労働機関(ILO)の条文・勧告で学ぶことによって、国内法では対処できない問題の解決方法やグローバルな課題に対して気づくことができると考えられる。

トピック 国際労働法
レベル 高校生
教科 公民科・総合学習
人権概念 労働者の権利
時間配分 3時限

 

I.目標

  1. 国際労働機関(ILO)の設立の意義や果している役割について学習する。
  2. 労働者にはどのような権利があるのかを学習する。
  3. 労働問題をグローバルに考える。
  4. 国内の労働法の抱えている課題を考え、国際労働基準の重要性を学習する。

II.教材

ILO条約・勧告から作成した「国際労働法カード」
  ILO作成ビデオ「STOP CHILD LABOUR:日本の子供たちは何を考えたか(32分、1998年制作)

III.進め方

A.導入

 

  • 国際労働機関(ILO)作成のビデオ「STOP CHILD LABOUR」を視聴し、ILOの設立の意義や果している役割について学習する。

B.発展

 

  • 4~5名でグループを作り、各グループに20枚の「国際労働法カード」を配る。グループ毎でワークシート(1)「こんな社長にはこのカードを出そう!」に記載されている事例を順に検討し、その状況に最も適合するカードの番号を書き込む。各班で話し合ったことを発表する。
  • 次に、各グループで「国際労働法カード」に書かれている条文・勧告を日本が批准している(受け入れている)と思うカードと批准していないと思うカードに分類し、各班で話し合ったことを発表する。
  • 進行役は、日本が現在、批准していない(受け入れていない)カード番号を全体に伝える。
  • ワークシート(2)に批准していない(受け入れていない)カード番号を書き入れ、その理由と批准したほうがいいかどうかを班で話し合って書き込む。各班で話し合ったことを発表する。

(日本が批准している条約の一覧は、ILO駐日事務所のウェブサイト「日本が批准したILO条約一覧」を参照 2012年7月現在 48条約を批准。
日本の批准数についての、最新の情報は、ILO のウェブサイト” Ratifications for Japan参照(英語)
 

C.まとめ

  • 各国のILO条約の批准状況と批准するためには国内法を整える必要あるがあることを伝え、実際にILOの条約・勧告を受けて、国内法が改訂された例を示しめし、国際労働基準から現在の国内法の問題点を考える重要性を伝える。

IV.応用/評価

  • この学習の応用には二つの方向性が考えられる。一つ目は、ワークシート(1)の各事象について自国や他国ではどのような事象が起こっているかを各班で調べていくことである。二つ目は、国際労働法カードに書かれている条文・勧告が国内法ではどのような内容になっているかを調べていく学習である。どちらも、学習内容をさらに深めていくことになるだろう。

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