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知りたい!人権Q&A

国際的な人権保障に関するもの
「世界人権宣言」ができた当時、国連加盟国はたった60数カ国でした。それなのに、こうした人権基準に「普遍性」があるといえるのでしょうか?

Answer

 「普遍的」人権とは、「すべての人に保障されるべき」人権という意味です。とはいえ「すべての人」という表現は、あまりに抽象的です。人はみな、それぞれの歴史、文化、宗教、価値観があり、また、各国の政治・経済・社会状況は異なります。文化や社会が多様である以上、「人間らしい暮らし」のかたちにも、ちがいがあるかもしれません。国際人権基準が「普遍的」であるためには、そのようなちがいを持つ社会のすべてに受け入れられるものでなくてはなりません。
 たとえば、世界人権宣言が採択された当時の国連加盟国数は60数カ国に過ぎず、まだ独立を果たしていなかった大半のアジア諸国は採択には参加していなかったのだから、この宣言に普遍性はないとか、これは途上国の問題を理解していない大国が作ったものにすぎない、といった議論があります。しかし、世界人権宣言に盛り込まれた諸権利を条約化した社会権規約と自由権規約の締約国は、2009年11月現在、それぞれ160カ国、165カ国となり、世界人権宣言採択当時の加盟国数をはるかに上まわっています。その意味では、国際社会における対話の積み重ねを経て、世界人権宣言の理念は普遍的に受容されるものとなりつつあります。

(阿久澤麻理子)

 このページは、阿久澤麻理子・金子匡良『人権ってなに? Q&A』解放出版社 2006年を元に作成。