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AWARD2006受賞3作品が決定
- 2006年10月31日 「国際人権教材奨励事業AWARD2006」選考委員会 -

  ヒューライツ大阪では、2004年の創立10周年記念事業として「国際人権教材奨励事業AWARD(アウォード)2004」を創設し、国際人権に関する新しい創意工夫ある教材を広く募集してきました。今年も昨年に引き続き第3回目となる国際人権教材奨励事業AWARD2006の公募を5月から開始し、日本国内だけでなくアジア・太平洋地域の関係者に参加を呼びかけてきました。応募作品は、国内外から20点の応募があり、テキスト教材型の作品(副読本やワークシート集など)、ビデオ・VCD・DVD作品、紙芝居、ミュージカル、統合的な研修プログラム型の作品など、多彩な創意工夫あるものが応募されました。
  国際人権教材奨励事業AWARD2006選考委員会は、さる10月13日(金)と14日(土)の2日間、ヒューライツ大阪セミナー室で開催され、受賞作品の選考作業を進めました。2日間のべ10時間に及ぶ厳正かつ熱心な審議の結果、次の3つの作品がAWARD200 6受賞作品と決定されました。受賞者には賞金20万円と表彰状が授与されます。
<選考委員会日程>
とき:2006年10月13日(金) 午後1時 〜 14日(土)午後1時まで
  13日(金) 午後1時〜午後6時
  14日(土) 午前9時〜午後1時
ところ:ヒューライツ大阪セミナー室

<受賞作品>
作品1:SAFEプログラム(Survival A nd F airness through Empowerment) -エンパワメントを通じて生きる力を育み公正を実現するプログラム- (出版物)

・応募者=エクパット・ジャパン・関西(大阪市中央区)
・作品概要=子どもの権利条約をベースに、小学校低学年の子ども自身が身の安全を守るためのスキルを身に付けるためのプログラム集。パネル(13枚)と指導者用手引き(A4版60頁)の2点構成。

SAFEプログラム
作品2:がんばれ!ファンセウル(DVD;8分)
[ダイジェスト]
・応募者=中井信介(ビデオ・ジャーナリスト;ペンソン住民対策委員会)
・作品概要=韓国ピョンテク米軍基地の拡張計画により農地と旧小学校が2006年5月に強制収用されたが、農民と彼らを支援する平和活動家たちを描く短編ドキュメンタリー。

がんばれ!ファンセウル
作品3:おおさか発 学びすと宣言- 教科・総合学習で輝く人権教育教材集 - (出版物)

・応募者=大阪府立人権教育研究会(大阪市浪速区)
・作品概要=人権と学びについて考えるための手づくり教材集。「多文化教育チーム」、「定通教育チーム」、「部落問題学習チーム」、「障害者教育ちーむ」の4部構成、A 4判118頁。
おおさか発 学びすと宣言

  選考委員会委員長の総評、および各委員のコメントは、下記のとおりです。
  なお、12月8日にAWARD2006の受賞式を執り行い、2007年2月3日に開催されるワンワールドフェスティバルでAWAARD受賞作品紹介を開催する予定です。詳細については、後日、お知らせいたします。

<AWARD2006選考委員会>
委員長畑 祥雄関西学院大学総合政策学部教授(インターメディウム研究所総監督)
委員窪 誠大阪産業大学教授(国際人権法)
佐々木和郎NHKデザインセンター(映像デザイン)チーフ・ディ レ クター
白石 理ヒューライツ大阪所長(元国連人権高等弁務官事務所人権担当官)
畑 律江毎日新聞大阪本社編集局地域面・夕刊特集版編集長
松尾カニタFM COCOLOプログラム・スタッフ(京都精華大学非常勤講師)


総評
新しい時代に光る人権活動
選考委員長 畑 祥雄(関西学院大学教授)

  3回目の「国際人権教材奨励事業AWARD 2006」の審査を終え、この賞創設の動機を改めて考えてみた。背景には人権意識の定着には広報と教育活動が重要であり、近年、広報はインターネットの普及により活発になったが教育の充実には課題を抱えたままであった。
  教育には「教える人の熱意」「新しい教育機器」「優れた教育教材」の三要素が重要である。手始めにアジアの人権活動の現場から教育教材を集めそれを共通で使えるように言語変換などして再配信していく計画を立て、その役割をアジア太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)が担うことがふさわしいと、この賞はスタートした。
  今回の受賞者は教師有志の研究会、フリーのビデオジャーナリスト、NPO法人など多彩であった。国際人権の意識向上には「優れた教育教材を集約する機能」「使いやすく分類されたアーカイブ機能」「国境を越えネット放送できる活用機能」など三つの機能をバランスを持ち強化する必要度が増してきている。
  この賞は入り口である集約機能の役割を果たしてきたが、インターネットの活用も投稿型が主流になるWeb2.0時代に入った現在、すべての人権情報センターがこの三つの機能を備える先端性が求められている。グローバル化による貧富の格差が広がった現在、埋もれている「教える人の熱意」に光を当てることがますます大切になる。20世紀に図書館機能が公共施設に常設されたように21世紀はネットデジタル機能を日々活用しなければいけない。
  今年度の受賞・応募作品のコメントは各選考委員のコメントをぜひ読んで頂くとして、3年間で海外から123作品、国内から85作品が集まった「教える人の熱意」の数は、選考委員会にも未来への挑戦という勇気を与えてくれた。応募者全員に「ありがとう」を伝えたい。

受賞作品へのコメント

白石 理 (ヒューライツ大阪所長)

  国際人権教材AWARD 2006を選考するにあたっては、二つのことに留意した。まず、人権が内容の主たる要素になっているか、第二に、応募作品が教材として使えるか、ということであった。
  日本国外からの4作品、国内からの16作品で、この二つを兼ね備えているものは、多くはなかった。また、兼ね備えているとしても、デザイン、製作技術、使いやすさなどを考慮して、以下の3応募作品にしぼられた。

作品1:SAFEプログラム(survival A nd F airness through Empowerment)
 - エンパワメントを通じて生きる力を育み公正を実現するプログラム - (出版物)
  教材として、完成度の高い作品である。人権の視点がはっきりとしており、クラスの進め方についてもよく配慮されている。残念ながら、パネルのイラストについては、子どもたちを惹きつけるようなものを探求する必要があろう。

作品2:がんばれ!ファンセウル (VCD;8分)
  作者のテーマを追う一貫した姿勢が、軍事基地の影響をもろに受ける住民の視点からの映像を可能にしている。教材としての使い方には工夫が必要であろう。作者がこれまで追ってきた他の同様の状況を合わせて一つのテーマにまとめて作品を作れないものであろうか。

作品3:おおさか発 学びすと宣言ー教科・総合学習で輝く人権教育教材集ー (出版物)
  学校の現場での体験が良く生かされて、非常に実用的な教材になっている。人権問題が、学ぶ者の日常生活のなかで理解されるように配慮されており、理論に終わらないアプローチが優れている。


松尾 カニタ (FM COCOLOプログラムスタッフ)

  AWARD2006年の応募作品は、海外から4点、国内から16点の合計20点でした。これまでの2年間に比べて、総数が少ないことは否めませんが、それぞれの中身からは、人権問題がいろいろなかたちで深刻化していることが理解させてくれるものでした。

審査員として下記の3点を推薦させていただきました。
・大阪府立学校人権教育研究会「おおさか発 学びすと宣言-教科・総合学習で輝く人権教育教材集-」。
  これは、子どもたちに人権教育を行ってきた学校の先生たちが、現場で直面した課題をもとに、自分たちで相談しあって、編纂した教材でした。識字が読めない人の立場になるために、アラビア語やタイ語の文字を用いてみるという手法や、部落の差別を受けた人の作文を読み上げ、皆で討論を行うなどのワークショップなどは、たいへん分かりやすく、参考になる教師のための参考書として高く評価をしたいと思います。
・エクパッド・ジャパン関西、「SAFEプログラム(Survival and Fairness through Empowerment)」。
  この作品は、子どもの人権問題そして教材づくりのプロたちによって作られたものという印象をもちました。UNICEFが定めた子どもの人権に沿って、きちんとした理念と概念のもとでつくられたところ、実際に起きた具体的な事例をもとに展開されているストリー、子どもに理解しやすいイラストボードつきであること(絵がややふるくさいが…)、教師が一方的に伝えるのではなく、子どもたちのやり取りを誘導する試みが盛り込まれたことなどが、評価の点でした。もっとも、1万円という値段が少し高く、普及を妨げたりはしないかと気になりますが…。
・仲井信介氏「がんばれ!ファウンセル」(VCD)
  この作品は、韓国における反米基地を取り上げた映像作品でした。ドキュメンタリーとして不完全なところがあり、前後の分からない人にとっては消化不良を引き起こすと思いますが、世界の多くの人々に忘れ去られた問題を一所懸命、皆に伝えようとする姿勢を評価したいと思います。

  今年で3年目になったAWARD2006。集まってきた多くの応募作品を、今後どのように人権問題の理解に役立てていくか、検討していかなければならない時期がきていると痛感しています。決して楽しい内容ではないものばかりですが、我々が暮らす社会に日々起こっている話であって、それに少し触れるだけでも、何かに気づかせてくれるように思います。


窪誠 (大阪産業大学教授)

  応募者の方々の人権教育への熱意に敬意を表します。応募者は、個人、NGO、研究会、財団など多岐にわたっています。どの応募者も独自の視点と方法で人権の大切さを伝えようと努力しておられます。テキスト教材、ホームページコンテンツ、映像教材、教育体験集、ミュージカルなど、その媒体は実に多彩です。そのような中から受賞作品を選ぶのは、たいへんな作業でした。選考審議を重ねれば重ねるほど、「やっぱり、これもいい。でも、こちらも捨てがたい」と受賞作品が移り変わりました。こうして、最終的に、3点が選ばれました。
  ですから、残念ながら受賞にはいたらなかったものの、すばらしい作品もあったわけです。私としては、とりわけ、ミュージカル「1st」と「手渡したいのは青い空-大気汚染公害と地域再生(ESD)がわかる教材」をそうした作品として、指摘したいと思います。前者は、大阪府の教職員による、在日朝鮮人の本名をテーマにしたミュージカルです。とかく上からものを言いがちな先生方が、生徒の立場になって熱演する姿は、感動的です。後者は、すでに終わった過去のこととして忘れられがちな大気汚染公害の問題を、子どもたちの未来の問題として、小学生を主人公とした映像ストーリーにまとめています。今回応募されたすべてのすばらしい作品が活用されることを願ってやみません。


佐々木和郎 (NHK 放送総局 デザインセンター・チーフ・ディレクター)

  映像コンテンツ制作の現場より、選考委員として、初めて参加させて頂きました。応募作品の総数こそ減少傾向にあるとはいえ、参加作品は力作ぞろいであり、映像やグラフィックスの品質を超えて、強いメッセージと情熱とを感じられるものが多数ありました。
  受賞作の三作は、それぞれ「教材」としての形態は違いますが、いずれも、これからの教育の場において「教え手」が具体的な事例資料として活用できる、充実した内容を持っているものです。特に映像教材「がんばれ!ファウンセル」につきましては「教材」という枠を超えて、作り手の強い思いが凝結した作品で、ネット時代における市民ジャーナリズムのありかたに、一石を投ずるものと思います。
  その他、今回は惜しくも選外となった作品の中にも、地域の人々が力を合わせて実現した演劇表現、学校での総合学習の場で利用しやすく工夫された学習資料や、カード式のコミュニケーション・ツールなど、選考委員会での議論をおおいに沸かせる佳作が多くありました。こうした作品の中にある、熱い思いや、新鮮なアイデアが、また近い将来に、新しい教材作品のなかに結実していくことを、選考委員のひとりとして願うものであります。


畑 律江 (毎日新聞大阪本社夕刊・地域特集版編集長)

  今年の応募件数は昨年より減少したものの、作品はどれも力作ぞろいでした。狙いを絞った上での表現方法にも多様な工夫が見られ、感心させられました。
  「SAFEプログラム」は、子どもたちの関心をひきつけるイラストボード形式で、話し合いの手助けとなる教師用の解説冊子もしっかりしています。単に外界の「怖さ」や「危険な人」の排除を教えるのではなく、人々の信頼関係によって築かれる安全な社会について考えさせており、とても完成度が高い教材です。短編ドキュメンタリー「がんばれ!ファウンセル」は、講義や話し合いの導入として工夫して用いると、強いメッセージを伝えると思われます。ビデオジャーナリストの仕事の可能性を示すもので、作者が粘り強く取り組んできた沖縄やフィリピンの米軍基地の問題と組み合わせれば、さらに説得力のあるものになるでしょう。「おおさか発 学びすと宣言」は、人権を幅広い分野でとらえた教材集です。人権教育に携わってきた現場の先生たちが、生徒とのやりとりの中で考え、工夫しつつ進めてきた着実な実践が伝わってくるような内容です。この実践の集約を手がかりにして、さまざまな授業を考えていくことができそうです。
  この他にも、「ともに生きる社会-在日コリアンの人権を考える」、ミュージカル「1st」、「手渡したいのは青い空」などが印象に残りました。これまでにアワードに寄せられた優れた作品群とともに、現場にどう生かしていくか、今後のさらなる展開を考えていく段階に入ったように思えます。


参考資料:HURIGHTS OSAKA AWARDの取組み経過
AWARD2004の実施状況 (2003年12月〜2004年4月まで公募)
  ヒューライツ大阪10周年記念事業として国際人権教材奨励事業AWARD 2004は、2003年12月〜2004年4月まで公募され、応募作品は、国内外から128作品で、国内59点、海外69点でした。AWARD(アウォード)2004選考委員会は、6月12日(土)、6月28日(月)、6月29日(火)の3日間、開催され、のべ12時間に及び慎重かつ熱心な審議の結果、次の4つの作品がAWARD2004受賞と決定された。応募は、
<受賞作品>
作品1 Training Programme (Learning the Way of Peace Write-Up, Right Now in Young World Peace can be achieved piece by piece Stand up for your Rights Rights on Poster Stand up for your rights; Women`Work)
・作品区分=出版物
・応募者=HREP(Human Rights Programme; パキスタン)
作品2 「ごみに生きる人々」 (スライド・ショー15分)
・作品区分=パワーポイント作品
・応募者=宇田有三(写真家)
作品3 「もしも地球が100人の村だったらワークショップ教材」
・作品区分=出版物
・応募者=開発教育協会(DEAR)
作品4 「今、世界の子どもたちは…-難民解説ビデオ」(ビデオ30分)
・作品区分=VHSビデオ
・応募者=毎日新聞社

AWARD 2005の実施状況(2005年4月〜2005年8月まで公募)
 AWARD 2005は、2005年4月〜2005年8月まで公募され、応募作品は、国内外から37団体、60作品にのぼり、国内は10作品、海外は50作品でした。AWARD2005選考委員会は、2005年9月15日(木)と9月16日(金)の2日間、開催され、選考作業を進め、次の3つが受賞作品と決定されました。
作品1 『ジェンダーと人権ワークブップ』
・作品概要=ワークブック『Gender and Human Rights』(A4判75ページ)と「利用の手引き」(B 5判6ページ)の出版物2点で構成されたワークショップ(研修)用教材。
・応募者=アジア女性資料センター(日本)
作品2 Kaleidoscope Primers - School text for teaching gender equality, human rights and peace-
・作品概要=小学校でジェンダーや人権全般、平和について学ぶための教材シリーズ全12冊。小学生用教材(小1〜小6用)と指導書(教師用)で構成(使用言語はEnglish)。
・応募者=Simorgh Women's Resorce Center (Pakistan)
作品3 Child sexual abuse防止教材セット (panf & VCD「OK TAK OK (part1-2)」)
・作品概要=子どもへの性的虐待を防ぐための子ども向けテキストと指導書、映像教材(VCD2枚)のセット。テキストはEnglishとMalayの2言語。VCDはMalay語のみだが、寸劇を交えリアルに性的虐待の手口を紹介している。
・応募者=Women's Center for Change (Malaysia)

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