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国際人権ひろば No.131(2017年01月発行号)

人権の潮流

大阪府警機動隊員による差別発言にNO!

 

 2016年10月18日に沖縄県東村高江で米軍基地移設工事に反対する市民に対して大阪府警機動隊員が行った差別的言動と、それに続く大阪府知事の発言に対して、多くの市民が批判の声をあげた。人種差別撤廃NGOネットワークなど6団体が呼びかけ人となり、以下の内容の要請文を11月8日内閣官房長官、警察庁長官、大阪府知事に提出した。ヒューライツ大阪を含む全国の60団体が賛同して名を連ねた。以下その要約を紹介する。

 

 懸念

1.大阪府警巡査部長および巡査長の暴言は、沖縄の人たちを自分たちと異なり、かつ劣った民族の集団とみなし、威嚇し、黙らせようとする攻撃である。公権力、特に機動隊という物理的に市民を抑えることができる圧倒的な力を持つ立場のものが、公務執行中にこのような差別的言動を行ったことは、けっして許されない。

2.そこで使われた「土人」「シナ人」との用語は、アイヌ民族をはじめとして、琉球や中国に対する日本の侵略や支配の歴史の中で、被支配者に対する侮蔑や嫌悪を煽る文脈で使われてきた用語であり、とりわけ、このような文脈で使われた場合は、明らかに相手を見下して貶める差別用語の意味を持つ。

3.これら用語の歴史的意味は、人権教育の中で確認され学習されてきたものであり、このような文脈で使われたのだから、「知らなかった」との言い訳は通用しない。

4.その後の松井知事の発言には、両機動隊員の発言が差別煽動発言であり、職務中の公務員が絶対に行ってはならない言動であるという認識があるとは思えないし、受け入れられるものではない。

5.これら言動はヘイトスピーチといえる。その問題の深刻さゆえに、今年になって大阪市ヘイトスピーチ対処条例と国のヘイトスピーチ解消法がそれぞれ制定・施行され、法的および行政的な対応が始まっている。こうした状況を鑑みても、法執行職員が施行間もない法律や条例で問題にされている行動に走り、地方自治体の首長がそうした法の精神を軽視するかのように機動隊員を擁護したことは受け入れられるものではない。

6.日本におけるヘイトスピーチおよび人種差別の問題は、2014年7月の国連自由権規約委員会による日本審査および同年8月の人種差別撤廃委員会による日本審査において重大な問題として取りあげられた。

7.人種差別撤廃条約第4条(c)項は「国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと」と規定している。松井知事の発言は4条(c)項が規定する人種差別の助長にあたるのではないか。

 

 要請

◆ 内閣官房長官

-1)今回の事件は、「ヘイトスピーチ解消法」の法の精神に反する。法執行職員や公務員に対する人権研修に関して、政府はどのような方針をもっているのか。

-2)国連の人権条約委員会から日本政府に出された勧告をどのように実施してきたのか、また、その結果はどうであったのか。

◆ 警察庁長官

-1)現在沖縄に派遣されている他都道府県警の機動隊員に対して沖縄の歴史、戦後から返還そして現在に至るまでの歴史的経緯についてどのような研修を行っているのか。

-2)「ヘイトスピーチ解消法」施行後、警察庁は各都道府県の警察に本法律の施行に関する通達を出したが、各都道府県警察はどのような措置や行動をとっているのか。

◆ 大阪府知事

-1)松井知事のツィッター上でのつぶやきは、日本により戦争中に多大な犠牲を強いられ、戦後は国内にある米軍基地の74パーセント以上を押しつけられてきた沖縄県民が受けた傷をさらに深めている。この発言を撤回してほしい。

-2)2015年3月改定の大阪府人権教育推進計画は、「警察職員に対する人権研修の推進」について規定している。また、国連人権教育のための世界計画第3フェーズ(2015-2019)のテーマは「高等教育における人権教育」と「教育者、公務員、法執行者や軍隊への人権教育」である。これらに沿って、大阪府警察職員に対する人権研修を積極的に推進してほしい。


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