MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

  1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. 大阪地裁、ヘイトデモ禁止の仮処分決定(12月20日)

ニュース・イン・ブリーフ サイト内検索

 

Powered by Google


ニュース・イン・ブリーフ Archives


大阪地裁、ヘイトデモ禁止の仮処分決定(12月20日)

 NPO法人コリアNGOセンター(大阪市生野区)がヘイトスピーチのデモの差し止めを求めて2016年12月13日に申立てを行っていましたが、大阪地裁は12月20日、デモを予告し呼びかけた大阪府内の男性に対し、同センターの事務所から半径600メートル以内におけるデモを禁止する仮処分を出しました。
この男性は、ウェブサイトなどで、12月29日に「JR鶴橋駅前から適当に街中を練り歩き、地域住民に朝鮮人の危険性を訴えかけながら防犯パトロール」を行うとして参加を呼びかけ、「チョンコの犯罪率は突出している」「一匹を殺すことは、同胞である日本人10人を助けることになる」といった差別的かつ事実に基づかない悪意に満ちた言葉の数々を並べていました。
予告に対して、コリアNGOセンターは、「平穏に民族教育や人権活動などの事業を行う人格権が侵害される」として、事務所を起点に半径600メートル(JR鶴橋駅および生野コリアタウンのほとんどがその範囲に入る)における事業を妨害する一切の行為の差し止めを大阪地裁に申立てました。
同地裁は仮処分の決定の理由については明らかにしていないものの、12月20日に男性側の言い分を聞いたうえで、コリアNGOセンターの主張を認める判断に至りました。
同センターは、日本も締結している人種差別撤廃条約、2016年に成立した「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)および「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」を申立ての法的根拠として提示していました。
同様の仮処分は、6月の横浜地裁川崎支部に続き全国で2例目です。コリアNGOセンターの郭辰雄代表理事は、「ヘイトスピーチの防止・規制に向けた大きな第一歩として評価できる」と今回の決定を歓迎しています。

(2016年12月21日 掲載)