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第65回国連総会、死刑のモラトリアム、刑事施設における被拘禁女性に関する決議などを採択

 20109月に始まった第65回国連総会は、1221日、人権などに関する事項を扱う総会第三委員会から決議案を採択しました。
 総会は、
0812月第63回総会の死刑のモラトリアムに関する決議において2年後に死刑について再び取りあげることを決めていたことを受け、今会期、死刑囚の権利の保護に関する国際基準を尊重し、死刑の漸進的な削減や廃止に向けたモラトリアムなどを求め、死刑の問題を2年後にとりあげる決議(A/RES/65/206)を多数決で採択しました。
 また、超法規的、略式および恣意的処刑に関する決議
(A/RES/65/208)は、そのような処刑を強く非難し、各国に防止し、廃止するよう求め、そのような処刑の疑いがある場合、徹底的で中立な捜査を行い、責任者を訴追し、被害者の十分な補償を行うことを求めています。また、特に標的とされる集団に属する人びとの生命の権利の保護を確保し、その殺害を直ちに捜査するよう求めています。第三委員会から提出された決議案には、標的とされる集団として、人種的、民族的、宗教的および言語的マイノリティ、テロリズム、人質となる被害を受けた人びと、外国の占領下にある人びと、難民、避難民、移住者、先住民族、人権活動家、弁護士、ジャーナリストなどをあげていたところ、米国が、性的指向によって標的となる集団を含める修正案を出しました。修正案に対して、アラブ諸国、アフリカ諸国のグループから反対が出されましたが、投票が行われ、賛成95カ国、反対55カ国、棄権27カ国で採択され、全体の決議は賛成122カ国、反対1カ国、棄権62カ国で採択されました。
 その他にも、女性に関連する
4つの機関を統合してできるUNWomenを歓迎する決議(A/RES/65/187)や、人権理事会の諮問委員会で作成されたハンセン病差別撤廃のための原則・指針に感謝し、各国政府に政策など策定の際に考慮するよう促す決議(A/RES/65/215)、北朝鮮の人権状況を懸念し、すべての人権の尊重を求める決議(A/RES/65/225)などが採択されました。
 また、総会は刑事司法の議題について、刑事施設の被拘禁女性の取扱いおよび女性に対する社会内処遇に関する国連規則(バンコク規則)と犯罪防止および刑事司法の分野における女性に対する暴力撤廃のための実践的措置を含む、女性に対する犯罪防止および女性に対する暴力に対する刑事司法の対応に関し決議を採択しました。後者
(A/RES/65/228)については、犯罪防止と刑事司法の対応が権利を基盤に、被害者の安全とエンパワメントをはかるなどの原則に基づき、刑法、刑事手続、警察や検察など刑事司法担当官、処罰、被害者支援、犯罪防止などに関して、モデル戦略をあげています。
 バンコク規則
(A/RES/68/229)では、被拘禁者取扱い最低規則、被拘禁者保護原則、社会内処遇のための標準最低規則など既存の被拘禁者などに関する国際基準を女性の処遇に関連して補完・補足するものとして、女性に特有の不利や危険、妊娠している女性、子どもを連れている女性などに関して、規則をあげています。(1227日)

出所:

General Assembly Adopts 52 Resolutions, 6 Decisions Recommended by Third Committee on Broad Range of Human Rights, Social, Cultural Issues
12
21日付け国連プレスリリース GA/11041 http://www.un.org/News/Press/docs//2010/ga11041.doc.htm

65回総会決議 http://www.un.org/en/ga/65/resolutions.shtml

(2010年12月28日 掲載)