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女性差別撤廃委員会、高齢女性と人権などに関する一般的勧告を採択

 104日から22日、女性差別撤廃委員会の第47会期が開催されました。ウガンダ、チュニジア、マルタ、チェコとブルキナ・ファソの定期報告と、インドの、2002年に起きたグジャラートの宗教対立における女性に対する性的暴力を含む暴力や、その被害者に対する政府の措置などに関する特別報告を審議しました。また、高齢の女性と人権の保護に関する一般的勧告27と、条約2条のもとでの核心的義務に関する一般的勧告28を採択しました。

 高齢の女性と人権に関する一般的勧告27で委員会は、2050年には世界の人口で60歳以上の人が占める割合が現在の11%から22%に増加し、現在でも単身で暮らす高齢の女性の方が男性よりも多いと述べ、21世紀が高齢化の世紀であると述べました。委員会は、高齢の女性が、それぞれの経済的、社会的状況や社会的、文化的背景により形はさまざまですが、資源の配分の不平等、虐待や限定的な基本サービスへのアクセスなどにより差別を受け、年齢やジェンダー、民族、障害、貧困の度合いなど他の根拠による差別によってさらに複合的な差別を受けると述べています。勧告は、高齢の女性について条約のそれぞれの権利がどのように当てはまるかを検討し、締約国に女性のライフサイクルを通した十分な発展を確保するよう立法措置や政策をとり、高齢の女性に対するステレオタイプや暴力を防止、撤廃し、政治など公的生活や教育、経済などの分野での平等な参加を確保するなどの勧告を行っています。

 条約2条のもとでの核心的義務に関する一般的勧告28には、条約の女性に対する差別を撤廃する一般的義務を規定する2条について説明し、履行についての勧告を行っています。2条のもと、締約国は女性に対する作為・不作為による差別を、国によるものであろうとも、私人によるものであろうとも、引き起こしてはなりません。それは、必要な立法措置をとることや、法律を実施すること、必要な政策をとることを怠ることによっても起こります。また、締約国の義務は紛争時や災害のときにも停止されることはありません。国家は、直接、間接に起きる差別を禁止するだけでなく、私人などによる差別を防止する相当の注意を払う義務も負います。勧告は、女性に対する差別を撤廃する政策を追求する締約国の義務が2条前段の主要な要素であるとして、締約国が直ちに女性の法的、実質的状況を把握し、差別を撤廃し、実質的平等を確保するという目標を達成するための具体的な措置をとる政策を立て、実施していかなければならないとしています。その際、締約国は「すべての適当な手段」をとるとされ、締約国にとる手段について柔軟性が認められる一方、その特定の手段が適当であるかどうか正当性を示すことが求められます。また、差別撤廃の政策を「遅滞なく」追求すると規定されていることは、政策を追求することに関する遅れは政治的、社会的、文化的、経済的などいかなる理由によっても正当化され得ないとしています。 (114日)

 

出所:
Committee on the Elimination of Discrimination against Women concludes forty-seventh session
1022日付国連人権高等弁務官事務所プレスリリース http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=10470&LangID=E

女性差別撤廃委員会一般的勧告 http://www2.ohchr.org/english/bodies/cedaw/comments.htm

(2010年11月05日 掲載)